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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000191925
提供館
(Library)
釧路市中央図書館 (2310212)管理番号
(Control number)
M0225
事例作成日
(Creation date)
2014.5.31登録日時
(Registration date)
2016年05月07日 11時44分更新日時
(Last update)
2017年05月14日 15時23分
質問
(Question)
ニシン漁における漁法の一種、「行成網」について。
釧路市史や釧路漁業発達史によると釧路地方の発祥らしいが、寿都町が発祥との説もある。
道内で最も古くから行成網が使われていたのはどこか。
回答
(Answer)
『北海道開拓記念館研究報告 第19号<鰊漁場からみた北海道の近現代史-鰊場親方青山家資料の分析をとおして->』にある通り、『開拓使事業報告第三編 物産』における「建網」が「行成網」を指すと考えると、概ね『北海道漁業発達史』と内容が合致する。
また、寿都町史においても、発祥地としての説明で「西蝦夷地で」と地域を限定していることから、時期的には道東地方でより古くから行成網による漁がおこなわれていたと考えられる。
以上のことから、行成網は1801年から1804年頃、厚岸郡でさけ・ます漁業に用いられ始め、1804年~1818年にかけて道東地方および道内の一部地域においてニシン漁にも適用され、その後道内各地に広がったと考えられる。
回答プロセス
(Answering process)
『釧路漁業発達史』『寿都町史』の記述について確認。
まず「行成網」について調べると、定置網漁法のひとつであり、建網の一種であることがわかった。
定置網漁法に関する資料にあたるが、各漁法の歴史については詳細がなく、『北海道漁業史』を調べたところ、調査事項に関する記述があった。
また、ニシン漁ということで、『北海道開拓記念館研究報告第19号』を確認したところ、『開拓使事業報告 第3編物産』に記述があり、これらの資料から調査結果をまとめた。

・『北海道漁業史』より
「建網(行成網)は東蝦夷奥場所でかなり早くから使用されていたようで、釧路・斜里・根室・野付・国後等では文化年間にすでに曳網から建網の使用へ移つたようである。鰊の主産地である西蝦夷地で初めて建網が創設された年代及び場所については異説もあるが北水協会編「漁業科事蹟調」と「第二回水産博覧会功労調査」には嘉永三年(1850年)佐藤伊三右衛門による歌棄(現寿都町)・磯谷(現寿都町の一部および蘭越町)両場所であった」(p.121)との記述があった。
また、同書のさけ・ます漁業に関する記述において「「北海道漁業志要」によると、建網使用の嚆矢は厚岸郡であつて使用開始は享和(1801~1804年)年間である(但し「北海道漁業志稿」によると、同年間には、引網を使用したことが記されている)。文化年間に入るとこの仕様が著しく普及して、根室郡、野付郡、標津郡、目梨郡、釧路郡、国後郡、択捉郡、斜里郡、常呂郡、紋別郡において用いられた。」(p.141)とあり、道東地方では文化(1804年~)にはさけ・ます漁業において行成網が用いられていた様子。

・『開拓使事業報告 第3編 物産』
『北海道開拓記念館研究報告 第19号<鰊漁場からみた北海道の近現代史-鰊場親方青山家資料の分析をとおして->』には「行成網は建網とも称し、東蝦夷地の釧路、根室、野付、斜里および紗那、振別などの択捉島では文化年間に始まり、一方西蝦夷地では天保年間…」(p.1)との記述があった。
この記述に関する参考資料に『開拓使事業報告第3編 物産』があり、確認したところ、当時の札幌本庁・函館支庁・根室支庁についてニシンの漁業概況が示されていた。なお、文章中では「建網」との記述はあったが「行成網」の記述はなかった。
一部をまとめると、札幌本庁では天保(1830年~)年間から(p.298)、函館支庁では久遠郡(現せたな町)で文化(1804年~)から(p.361~)、寿都郡では弘化(1844年~)から、歌棄郡・磯谷郡では安政(1854年~)から、根室支庁では根室郡、野付郡、目梨群、釧路郡、紗那郡、振別郡等で文化(1804年~)中より「建網」を使用(p.443)との記述があった。
また、鮭漁においては厚岸郡で享和中に建網が使用されたとの記述もみられた。

・『寿都町史』
「北海道建網(行成網)漁業発祥之地」の碑について、「西蝦夷地で建網を初めて創設したので、発祥地と刻まれている(年代・場所についての異説はあるが)。」(p.152)とし、『北海道漁業史』と同様に『第二回水産博覧会功労調査』の記述に基づき嘉永3年(1850年)の創設と記載されている。

<調査資料上記3点の引用・参考文献について>
漁業科事蹟調:当館所蔵なし
第二回水産博覧会功労調査:当館所蔵なし
北海道漁業志要:当館所蔵なし
北海道漁業志稿:当館郷土行政資料室に所蔵あり
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
水産業  (660 9版)
参考資料
(Reference materials)
『北海道漁業史』北海道水産部漁業調整課・北海道漁業制度改革記念事業協会/編, 1957. KM 660.2/H (資料コード:213195463)
『開拓使事業報告 第3編 物産』北海道出版企画センター, 1983. K 317/K/3 (資料コード:211307374)
『北海道開拓記念館研究報告 第19号<鰊漁場からみた北海道の近現代史-鰊場親方青山家資料の分析をとおして->』北海道開拓記念館/編, 2006. K 069/H (資料コード:214723655)
『寿都町史Ⅰ』寿都町教育委員会/編, 1974. K 297.3/S/1 (資料コード:213071020)
『北海道漁業志稿』北水協会/編, 国書刊行会, 1977. KM 660.2/H (資料コード:213067559)
キーワード
(Keywords)
ニシン漁
行成網
建網
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000191925解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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