レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年8月8日
- 登録日時
- 2017/07/23 12:57
- 更新日時
- 2018/08/05 09:58
- 管理番号
- 20170723-1
- 質問
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未解決
「読みきかせ」という言葉のルーツについて知りたい。
ウィキペディアに「主に乳幼児期から小学校年齢の子供に対して、話者がともに絵本などを見ながら音読する行為である。日本では、1896年(明治29年)に巌谷小波が京都の小学校で行った口演童話(こうえんどうわ)がルーツであると言われている」とあるが、「読みきかせ」という言葉は誰が最初に使い始めたのか?
- 回答
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「読みきかせ」という言葉のルーツと断定できる情報は見当たらなかった。
現在のように広く使われるようになったのは、1970年代頃からと回答する。
以下、国立国会図書館より読み聞かせの言葉の発祥に関して論じている資料の紹介。
①櫻井美紀「日本と海外、公教育の語りの授業」『口承文藝研究』(28)、2005、P97
1967年に「日本子どもの本研究会」と「日本親子読書センター」が設立され、子どもの読書推進運動を始めた。
新しい児童文学を広めるとともに本を読んで聞かせる活動を行ったが、「よみきかせ」という言葉はこの時からの造語である、という内容の記載がある。
②増村王子編「読みきかせの発見」岩崎書店、1973
P164の「読みきかせとはなにか 増村王子」に記載がある。
「『読みきかせ』という言葉は最初に誰がどのような意味で使い始めたかについては明確ではないが、急激に広がりを見せたのは増村氏らが行っていた読み聞かせに関する運動が始まったのと同時期でここ5、6年のことである」としている。
③張江洋直、池田裕子、安藤友晴「児童サービス論の現在的な課題:「読み聞かせ」生成史と構造分析を中心に」『稚内北星学園大学紀要』(13)
P20で、資料等を引用しつつ、「『読み聞かせ』という言葉それ自体は、『本を読み聞かせる』という言い方で以前から使われてはいた。しかしながらそれがいつから現在まで使われているような『読み聞かせ』として成立したのかについては確定的な情報はない。」としている。
東京子ども図書館にも調査依頼を行ったが、最初に使い始めた人の明確な情報はなしとの回答あり。
※かつら文庫発行の「子どもの図書館」1965・1966には「よみきかせ」ではなく、「よんでやる」という言葉が使われているとのこと。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 読み聞かせ
- 照会先
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- 国立国会図書館
- 東京子ども図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000219193