レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/08/01
- 登録日時
- 2014/10/03 00:30
- 更新日時
- 2016/05/26 14:00
- 管理番号
- 滋2014-0055
- 質問
-
解決
近江の伊吹山麓にあった古代の速水郷の概要と、歴史資料に現われる初見年代を知りたい。
- 回答
-
『古代地名大辞典 本編』によりますと、「はやみのごう 速水郷〈滋賀県湖北町〉 奈良・平安期に見える郷名。「和名抄」近江浅井郡十三郷の1つ。高山寺本の訓は「波世美」、東急本は「波也美」。平城宮跡出土木簡に「近江国浅井郡速水□」とあるのが初見(平城宮出土木簡概報16)。現在の湖北町速水あたりに比定される。(後略)」とあります。また、『滋賀県の地名』の近江国速水郷の項には、「「和名抄」高山寺本は「波世美」、東急本は「波也美」(ハヤミ)と訓ずる。高山寺本の世は也の誤写であろう。平城宮跡出土木簡に「近江国浅井郡速水□」とみえる。長岡京跡出土木簡の「速水尾張公吉戸白米五斗」の速水もあるいは当郷にかかわるか。(中略)郷域は遺称地とみられる現湖北町の東部、高時川右岸にあり速水・南速水を含む一帯とみて諸説一致する。」とあります。
上記の2つの文中の「和名抄」とは「和(倭)名類聚抄」のことで、『日本史文献解題辞典』によりますと、承平年間(931~938)の成立とされています。なお、湖北町は現在長浜市湖北町速水になっています。
平城宮跡出土木簡の「近江国浅井郡速水□」については、
下記のデータベースでも画像を確認することができます。
奈良文化財研究所木簡データベース
https://www.nabunken.go.jp/Open/mokkan/mokkan.html
(2016年5月 追加)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
-
- 1 古代地名大辞典 本編 角川文化振興財団∥編 角川書店 1999年 R-2910-カ p.1194-1195
- 2 滋賀県の地名 平凡社地方資料センター∥編集 平凡社 1991年 S-2900- 91 p.88
- 3 日本史文献解題辞典 加藤友康∥編 由井正臣∥編 吉川弘文館 2000年 R-2100-カ p.1144
- 4 東浅井郡志 第1巻 黒田惟信∥編 名著出版 1971年 S-2160-1 p.166-167
- 1 角川日本地名大辞典 25 「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編 角川書店 1979年 L-2900- 79 p.572-573,1026-1027
- 2 近江輿地志略 全 寒川辰清∥著 宇野健一∥改訂校註 弘文堂書店 1976年 L-2900-734 p.1014-1015
- キーワード
-
- 速水郷
- 和名抄
- 和名類聚抄
- 倭名類聚抄
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000160531