レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年01月14日
- 登録日時
- 2009/06/30 17:22
- 更新日時
- 2011/05/05 11:25
- 管理番号
- I0003
- 質問
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解決
電話にて、① 「やすけずし」、② 「すけろくずし」の意味・由来を知りたい。
- 回答
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①「やすけずし」⇒『弥助鮨』 弥助鮨とは、釣瓶鮨(つるべずし)の異称。吉野鮨。弥助寿司。
【弥助鮨の語源・由来】 弥助鮨の名は、竹田出雲の歌舞伎狂言『義経千本桜』に由来する。
平維盛が吉野のすし屋「弥助」で雇人となるが、弥助は維盛の父重盛の世話になった人物でもあったため、敵を欺くために「弥助」の名を維盛に譲り、自身は「弥左衛門」と称した。
このすし屋ガ釣瓶鮨を作っていたことから、「釣瓶鮨」は「弥助鮨」と呼ばれるようになった。
花柳界などで「すし」を「弥助」と呼ぶのも、このすし屋の名からである。
現在の奈良県下市町にある鮎鮨の老舗「つるべすし 弥助」は、『義経千本桜』の舞台となった店として知られる。
②「すけろくずし」⇒『助六寿司』 助六寿司とは、稲荷寿司と巻き寿司を詰め合わせたもの。
【助六寿司の語源・由来】 助六寿司の「助六」は、歌舞伎十八番のひとつ。「助六所縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の通称で、主人公の名前でもある「助六」に由来する。
助六の愛人は吉原の花魁で、その名を「揚巻(あげまき)」という。
「揚巻」の「揚」を油揚げの「いなり寿司」、「巻き」を海苔で巻いた「巻き寿司」になぞらえ、この二つを詰め合わせたものを「助六寿司」と呼ぶようになった。
一説には、助六が紫のハチマキを頭に巻くことから「巻き寿司」に見立て、揚巻を「いなり寿司に見立てたとも言われる。
「揚巻寿司」ではなく「助六寿司」となった由来は、江戸っ子らしい洒落であえて「助六」の名を使ったとする説や、この演目の幕間に出される弁当であったからという説もあるが、単に外題が「助六」だからと考えても不自然ではない。
- 回答プロセス
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始めのうち、「やすけ」→「やしけ」、「すけろく」も「しけろく」と勘違いしていたため、辞典等調べ
ても、出てこなかった。ご本人より連絡があり、再度聞き取りをし、調査を行った。
どちらも、寿司に由来している言葉で所有している国語辞典には、すけろくずしに関するものしか載っていなかったとのこと。
再調査後、「日本大百科全書 13」 すしの項(P16~)、「広辞苑 第6版」 すけろくの項(P1497)・やすけの項(P2825)に載っていることがわかった。
又、インターネットでも検索。
インターネットの語源由来辞典でそれぞれ検索。その検索結果を回答とした。
- 事前調査事項
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ご自身所有の国語辞典(新潮社発行)で弥助鮨については調査済み。但し、さらに詳しく知りたいとのこと。
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 「日本大百科全書 13 すけーせん」 №211071178 031/N/C13 (P16~ 『すし』)
- 「広辞苑 第6版」 №215046055 813/S (P1497 『すけろく』・P2825 『やすけ』)
- キーワード
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- 弥助鮨
- 助六寿司
- すし
- 釣瓶鮨
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000056113