レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/6/30
- 登録日時
- 2023/07/01 00:30
- 更新日時
- 2023/09/08 11:45
- 管理番号
- 滋2023-0032
- 質問
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解決
和歌における「不明体」について書かれた本、論文を探しています。
- 回答
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1.「不明体」(ふみんてい)とは
「不明体」とは、歌学用語で、『角川古語大辞典』では、「有心体(うしんてい)の一。面影、余情を主として詠む体。」とされ、歌人の心敬(1406-1475)の著書『ささめごと』から、「歌にも不明体とて、面影ばかりをのみ詠む。いみじき至極の体也」と用例が挙げられています。
2.「不明体」についての図書・論文
(1)データベース
「不明体」をキーワードに、「国文学論文目録データベース」(http://base1.nijl.ac.jp/~rombun/)をはじめ、NDLオンライン、CiniiResearchを検索しましたが、すでに御覧になっている文献しかヒットしませんでした。
そこで、検索語を上位にひろげ、「有心体」「和歌十体」「ささめごと」「心敬」といったキーワードで検索すると、多数の文献がヒットしますが、不明体に言及があるかどうかは逐一確認しなければわかりません。データベースでピンポイントで探すことは難しそうです。
(2)参考図書
文献そのものは非常に多岐にわたるため、逐一確認してご紹介することはできかねます。基本的な参考図書から、手がかりとなりそうな図書を数点ご紹介します。
①『日本古典文学研究史大事典』(1997年)
心敬の項に、〈作家研究〉〈作品研究A連歌論書〉〈作品研究B連歌作品〉の三項目に分けて、それぞれの研究史上の重要文献が簡潔に紹介されています。ここにあがっている文献からあたってみるのもひとつの手段かと思われます。
②『和歌文学大辞典』(1962年)
やや古い辞典ですが、「有心」「有心体」「心敬」といった項目に、それぞれ文献が列挙されており、基本的な文献の確認に役立ちます。
③『幽玄美の探究』(1988年)
赤羽学氏の著書で、「ささめごとにおける不明体と幽玄」も改稿して収められています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 1 角川古語大辞典 第5巻 ひ-ん 中村幸彦∥[ほか]編 角川書店 1999年 RB-8136-5 p.239
- 2 日本古典文学研究史大事典 西沢正史∥編 徳田武∥編 勉誠社 1997年 R-9102-ニ p.730-732
- 3 和歌文学大辞典 伊藤嘉夫 明治書院 1962年 R-P103-ワ
- 4 幽玄美の探究 赤羽学∥著 清水弘文堂書房 1988年 2-9104-ア p.457-461
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000335163