レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年02月17日
- 登録日時
- 2020/04/28 10:25
- 更新日時
- 2020/04/28 10:26
- 管理番号
- 土木図書館-0084
- 質問
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解決
五街道のうち石畳が幕府によって敷かれた街道はいくつあるのか.東海道,中山道,甲州街道(部分的に)は現在も石畳が残っていることが分かっている.奥州街道,日光街道には石畳が敷かれたことがないのかどうかを知りたい.
- 回答
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当館所蔵資料にあたり調査をしたが,幕府により奥州街道・日光街道に石畳が敷かれた事実は文献上から確認できなかった.
調査で主に使用した所蔵資料は下記の通り.
1)社団法人土木学会編『明治以前日本土木史』土木学会,昭和11年6月
→第四編「道路・橋梁・渡場・関所」第二章「道路」には,質問対象ではないその他街道の当館所蔵資料にあたり調査をしたが,幕府により奥州街道・日光街道に石畳が敷かれた事実は文献上から確認できなかった.
調査で主に使用した所蔵資料は下記の通り.
(1)社団法人土木学会編『明治以前日本土木史』土木学会,昭和11年6月
→第四編「道路・橋梁・渡場・関所」第二章「道路」には,質問対象ではないその他街道の敷設事例が言及されている.
・p.955, 東海道の事例として文化二年に牛車道に厚板石を舗設したとの記述あり.
・p.967 大津街道の事例として元文元年に日岡峠の坂路を改修し,車道に白川石を敷設したとの記述あり.
・p.968 箱根街道の事例として文久三年に丸石で敷設したとの記述あり.
(2)松金伸「いにしえの石畳「箱根旧街道」『Consultant』建設コンサルタンツ協会,平成19年1月,pp.28-31
→箱根街道の石畳事例を詳述していますが, 奥州街道・日光街道への言及はない.
(3)武部健一『道Ⅱ』法政大学出版会,2003年11月,pp.101-109
→第五章「近世の道路」第四節「路面構造」で,箱根街道の石畳事例が紹介されているが,奥州街道・日光街道への言及はない.
(4) 国土交通省HP「道の歴史」ページ内「五街道の道路整備と維持管理」
→1612年に幕府が水溜まりや泥濘の所は砂石で敷き固めよとの道路整備に関する覚を出しているとの記述あり.
(ただし,その多くは砂利での敷設であったと思われる.また,往時は街道において車の通行を禁止していたことなどもあり,石畳は一般的ではない稀有な事例かと思われる.)
- 回答プロセス
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土木図書館OPACで関連資料の検索,資料の閲覧調査.併行してインターネット上の情報を確認した.
- 事前調査事項
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東海道,中山道,甲州街道については調査済み.
- NDC
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- 技術.工学 (500)
- 技術史.工学史 (502)
- 道路工学 (514)
- 参考資料
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土木学会 編 , 土木学会. 明治以前日本土木史. 土木学会, 1936.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000734353-00 -
松金 伸 , 松金 伸. いにしえの石畳「箱根旧街道」--静岡県三島市. 2007-01. (特集 土木遺産(5)日本の国づくりの心) Civil engineering consultant : 建設コンサルタンツ協会会誌 (234) p. 28~31
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I8660518-00 -
武部健一 著 , 武部, 健一, 1925-. 道 2. 法政大学出版局, 2003. (ものと人間の文化史 ; 116-2)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004286508-00 , ISBN 4588211625 -
国土交通省ホームページ「道の歴史」. 五街道の道路整備と維持管理
http://www.mlit.go.jp/road/michi-re/3-2.htm
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土木学会 編 , 土木学会. 明治以前日本土木史. 土木学会, 1936.
- キーワード
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- 五街道
- 石畳
- 奥州街道
- 日光街道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 石畳
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000281103