レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/08/01
- 登録日時
- 2014/10/03 00:30
- 更新日時
- 2014/10/03 00:30
- 管理番号
- 滋2014-0051
- 質問
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解決
滋賀県にあった明治時代から昭和30年代までの結核療養所の建築様式に関する記載と、建築図面もしくは建物配置図が掲載されている資料を知りたい。
- 回答
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『滋賀縣医師会七十年史』の中の「結核対策」および『滋賀県史 昭和編 第5巻』の中の「県下の病院一覧表(昭和49年1月20日現在)」によりますと、以下の療養所が掲載されています。
1 近江療養院 (大正7年設立) 2 結核療養所草津療養所 (昭和14年設立)
3 県立比良園 (昭和9年設立) 4 日本医療団紫香楽園 (昭和18年設立)
1はウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計であり、『W・M・VORIES&COMPANY ARCHITECTS』、『滋賀県近代建築調査報告書 平成元年度』、『メレル・ヴォーリズ』に写真や図面が掲載されています。2は当館所蔵資料に図面などは見当たりませんでした。この病院は現在廃院となっているようです。3と4も同じく図面などは見当たりませんでした。この2つの病院は現在統合されて、独立行政法人国立病院機構紫香楽病院になっています。
また、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)で『日本結核療養所(病院)総覧』)を調査しましたところ、上記以外に以下の施設が結核療養所として掲載されています。
5 大阪鉄道病院近江分室 6 市立長浜病院 7 彦根市立病院結核療養所
8 水口町国民健康保険団体連合会甲賀病院 9 大津赤十字病院 10 近江愛隣園今津療養所
このうち、6は『市立長浜病院創立60周年記念誌』に「昭和28年10月、病棟の東側に隣接して、鉄筋コンクリート2階建および木造2階建の結核療養所の整備に着工し、昭和29年5月に結核病床46床、伝染病床9床、一般病床60床の全115床の入院施設を確保しました。」とありますが、図面などは掲載されていませんでした。7は『彦根市立病院百年史』に「昭和27年7月、議事堂跡に結核病棟が竣工した。木造二階建延面積242坪で収容病床数は50床である。」とありますが、同じく図面などは掲載されていませんでした。9は『大津赤十字病院創立100周年記念誌』に「1923(大正12)年、院内に開放的でモダンな結核病棟を新築しました。病床数は24床で、日当たりや風通しなどの環境改善が図られ、以後、多くの患者さまがその恩恵に浴しました。」とあり、概観と内部の写真が各1点掲載されています。5・8・10につきましては、当館所蔵の資料に図面などは見当たりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 8版)
- 参考資料
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- 1 滋賀縣医師会七十年史 滋賀県医師会∥編 滋賀県医師会 1958年 S-4900- 58 p.431
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2 滋賀県史 昭和編 第5巻 社会厚生編 滋賀県史編さん委員会∥編さん 滋賀県 1981年 S-2700-5 p.670 -
3 W・M・VORIES&COMPANY ARCHITECTS 中村勝哉∥著 城南書院 1937年 5B-5200- 37 p.8-10 -
4 滋賀県近代建築調査報告書 平成元年度 滋賀県教育委員会文化部文化財保護課∥編集 滋賀県教育委員会 1990年 5-5200-89 p.29-34 -
5 メレル・ヴォーリズ 近江兄弟社∥[ほか]制作 びわ湖放送 1998年 5-1941- 98 p.82-84 -
6 市立長浜病院創立60周年記念誌 市立長浜病院∥編集 市立長浜病院 2006年 SB-4961- 06 p.40 -
7 彦根市立病院百年史 彦根市立病院百周年記念事業実行委員会∥編集 彦根市立病院 1991年 S-4951- 91 p.145 -
8 大津赤十字病院創立100周年記念誌 大津赤十字病院∥[編集] 大津赤十字病院 2004年 SB-4911- 04 p.44 -
1 長浜赤十字病院五十五年誌 長浜赤十字病院∥編集 長浜赤十字病院 1988年 S-4961- 88 -
2 W.M.VORIES Company Architects ICHIRYUSYA 一粒社ヴォーリズ建築事務所作品集編集委員会 一粒社ヴォーリズ建築事務所 1983年 5B-5200- 83
- キーワード
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- 結核療養所
- 病院
- 建築図面
- 建物配置図
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000160523