レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/9/30
- 登録日時
- 2022/11/18 00:30
- 更新日時
- 2022/11/18 00:30
- 管理番号
- 滋2022-0008
- 質問
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解決
生物の分類、分類学に関する、分類の方法、基準、判定方法について知りたい。
例えば、「犬はなぜ、どういう基準でイヌ科に分類されているのか」、「コウチュウ目とはどのような特徴を持ったものが分類されるのか」、「未知の生物が見つかった時、どのような手順、基準等で分類されているのか」
知りたい。
現在は遺伝子での分類にシフトしている過渡期のようですが、自分で分類をするとした場合、従来の形態的分類法に基づいた生物分類をしたいため、その方法を知りたい。
- 回答
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『動物分類学の論理 多様性を認識する方法』(馬渡峻輔著、東京大学出版会、1994年)に、おおよそのお尋ねのことについての記載があります。
まず、分類の方法については同書、p.10に表「リンネ式階層分類体系に用いられる主な種類」があり、この分類体系が今日まで用いられていると記載されています。なお2、3章に他の分類法も紹介されていますが、「すべてリンネ式分類体系を基本としている」(p.10)とあります。「リンネ式分類体系」の解説については、『分類から進化論へ』(今泉吉典著、平凡社、1991年)、pp.72-116にあり、pp.75-79に「リンネの分類単位」について記載されています。
分類の基準・判定方法については、動物命名法国際審議会による、動物の学名を決める際の唯一の国際的な規範として「国際動物命名規約」 (International Commission on Zoological Nomenclature, ICZN)があります。(当館で『国際動物命名規約 第4版 日本語版』2000年の所蔵あり。同書は「日本分類学会連合」ホームページでインターネット公開もされています。)また、この規約の解説等については、『動物の系統分類と進化』(藤田敏彦著、裳華房、2010年)、pp.16-30にあります。上記の他に教科書的な資料として、『動物分類学30講』、『動物学の階層』を下記に挙げております。
自分で分類をするとした場合に必要な情報が何かという点について、『学名の秘密 生き物はどのように名付けられるか』スティーブン・B・ハード著、原書房、2021年)の第二章、pp.26-37で学名のつけ方の決まり、『新種の発見』(岡西政則著、中央公論新社、2020年)のあとがき、pp231-238に新種を発見し、発表する際の作業について記載があります。
生物学・分類学のより学術的な内容や動向については、専門家(学芸員)にお尋ねになるのも方法かと思います。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 1 動物分類学の論理 馬渡峻輔∥著 東京大学出版会 1994年 3-4818-マ
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2 分類から進化論へ 今泉吉典∥著 平凡社 1991年 2-4818-イ -
3 国際動物命名規約 動物命名法国際審議会∥著 日本動物分類関連学会連合 2000年 R-4803-ト -
4 動物の系統分類と進化 藤田敏彦∥著 裳華房 2010年 G-4818-フ -
5 動物分類学30講 馬渡峻輔∥著 朝倉書店 2006年 G-4818-マ -
6 動物界の階層 シオドア・ホラス・サウォリ∥著 河出書房新社 1973年 2-4818-サ -
7 分類と分類学 相見滿∥著 東海大学出版部 2019.3 G-4610-ア -
8 学名の秘密 スティーヴン・B・ハード∥著 上京恵∥訳 原書房 2021.1 G-4603-ハ -
9 新種の発見 岡西政典∥著 中央公論新社 2020.4 G-4818-オ
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000324258