レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月01日
- 登録日時
- 2019/02/13 13:14
- 更新日時
- 2019/04/16 16:57
- 管理番号
- 0000110760
- 質問
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解決
ある日本昔話のタイトルを探している。物語の内容は以下のとおり(記憶による)。
仕事もせずに遊びほうけていた男が、妻を殺す。妻の幽霊が出てくることに怯えた男は、坊さんに相談し、お札をもらう。そのお札を部屋中にはって、朝になるまで部屋から出るなと助言を受ける。とりの声がしたので、ようやく朝がきたと思い、外に出てみると、じつはまだ朝になっておらずに、男は妻の幽霊に殺されてしまった。
- 回答
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物語が「牡丹灯籠」と似ているので、「牡丹灯籠」の原案『剪燈新話』を日本で翻案した物語について、下記資料1~3を調査し、そこに紹介されていたいくつかの物語を問い合わせの物語と比較した。
『雨月物語』(資料4)に収められている「吉備津の釜」が物語の構造的に最も似ていた(差異点:妻は殺人ではなくただ亡くなったとのみ語られる、僧侶ではなく陰陽師に護り札をもらう、外に出た理由はとりの声ではなく空が明るくなってきたため)ので、これを紹介した。
- 回答プロセス
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日本の幽霊話として『日本の幽霊たち : 怨念の系譜』(阿部正路 著. 日貿出版社, 1972.)、『幽霊はなぜ出るか』(石井明 著. 平凡社, 1998.)を調査、該当なし。
『日本怪異妖怪大事典』(小松和彦 監修. 東京堂出版, 2013.)及び資料3~4で「幽霊」を調査、該当なし。
同資料で「牡丹灯篭」を調査、資料3,4に、日本で翻案された物語の紹介と、参考文献として「剪燈新話」の資料1,2の紹介あり。
資料1,2の末尾の解説を調査→紹介されていた物語の概要をインターネットで調査→資料5で確認。
- 事前調査事項
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牡丹灯篭ではないかとの本人の話もあったが、話の内容を実際に読んでみると違うとのこと。
「日本昔話事典」(稲田浩二 [ほか]編. 弘文堂, 1994.)ほかで、「鶏の声」などの観点から調べるも見当たらず。
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 小説.物語 (923 9版)
- 参考資料
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1.中国古典文学大系 39巻. 平凡社, 1969.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001271193-00 (p491-492) -
2.瞿佑 著 , 飯塚朗 訳 , 瞿, 佑, 1341-1427 , 飯塚, 朗, 1907-1989. 剪灯新話. 平凡社, 1965. (東洋文庫)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001072364-00 (p273-289) -
3.志村有弘, 諏訪春雄 編著 , 志村, 有弘, 1941- , 諏訪, 春雄, 1934-. 日本説話伝説大事典. 勉誠出版, 2000.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002935158-00 , ISBN 4585060138 (p868-869,276) -
4.乾克己 [ほか]編 , 乾, 克己, 1929-. 日本伝奇伝説大事典. 角川書店, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001824191-00 , ISBN 4040313003 (p813-814) -
5.上田秋成 [著] , 青木正次 訳注 , 上田, 秋成, 1734-1809 , 青木, 正次, 1935-. 雨月物語 : 全訳注 新版. 講談社, 2017. (講談社学術文庫 ; 2419)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028013981-00 , ISBN 9784062924191 (p234-293)
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1.中国古典文学大系 39巻. 平凡社, 1969.
- キーワード
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- ストーリーレファレンス
- 昔話
- 怪談
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000251667