次の資料から関連の記述を確認しました。諸説あるようです。
・『B級グルメが地方を救う』(田村秀/著 集英社 2008)
p.35-46「第三章 実は十大焼きそば?」に、「じゃがいも入りも結構おつなもの」の項があります。
栃木市の焼きそばの由来について、「食戦後の食糧難の時代にボリュームを増やすためにじゃがいもが使われたといわれている」とあります。(p.41-42)
・『地域産業の「現場」を行く 誇りと希望と勇気の30話 第2集』(関満博/著 新評論 2009)
p.98-105「第41話 栃木県栃木市 ソース文化のB級グルメ「じゃがいも焼きそば」」の項があります。
じゃがいも焼きそばの由来について、「栃木市食生活改善推進団体協議会からいただいた資料によると、「戦後の食糧難の時代に空腹を満たそうと、じゃがいもを入れて量を増したのが由来」と記されている。」とあります。(P.101)
・『ソース香る懐かしの味栃木の焼きそば Cheap & Richness』 (下野新聞社/企画・編集 下野新聞社 2011)
p.4-5「栃木の二大名物焼きそば」に、「栃木市・足利市」として「じゃがいも・ポテト入り焼きそば」の記事があります。これによると、「栃木県南部は古くからジャガイモの生産が盛んな場所が多く、食卓にのぼる頻度が高かった。焼きそばにもジャガイモを混ぜることが習慣化していったのは戦後。」とあります。
・『トランヴェール 感じる旅、考える旅。 2016-5月号(第29巻5号 通巻338号)』(ジェイアール東日本企画 トランヴェール編集部/編 東日本旅客鉄道株式会 2016)
p.45「旅先おやつダイアリー じゃがいも入り焼きそば<栃木市>」によると、「じゃがいも入り焼きそばが誕生したのは食糧が乏しかった戦時中のことで、ボリュームを増すために加えられたという。」とあります。
・『蔵の街栃木美味しいジャガイモ入り焼きそば研究会完全攻略Mook 栃木 2017』(蔵の街とちぎおいしいじゃがいも入り焼きそば研究会 2017)
(中島かずお/著)「ご当地やきそばの歴史は60余年」によると、「「食糧難のとき、じゃがいもを入れて量を増やした」と言われてきた栃木やきそばですが、調べてみると戦時中は中華めんを自由に作ったり売ったりすることが制限されていたようです。富士宮・横手やきそばと同じように、栃木市でも1950年代中期以降にやきそばが広まったとする説が、最近では有力視されています。」とあります。(頁付なし。巻頭。)
この他、足利市のやきそばの歴史に関する記事からも、参考となる記述を確認しました。
・『名物焼そばの本 全国縦断』(旭屋出版 2008)
足利市内やきそば店を紹介する記事の中に、次の記述があります。
「じゃが芋が焼そばに入った理由は、増量のためと言われる。戦後、屋台を引いて売り歩く焼そば屋が市内に何台もあったという。戦後、食べ物に困った時代に、1人前の焼そばの満足度を高めるために、じゃが芋が入れられたというのだ。」(p.45-46)
「栃木県足利市では、その昔は屋台を引いて焼そばを売り歩く店が40台も50台もあったという。足利市、そして近隣の宇都宮市や群馬県太田市には現在、焼きそば専門店が多いのも、この流れからと言える。」「焼そばにじゃが芋を入れるというアイデアで、ボリューム満点の一品になって人気を高め、焼そばを売る屋台も増えたようだ。じゃが芋入りの焼そばは、屋台で売られたから早く広まって、定着していったのは確かだ。」(p.49-50)
次の資料からは、関連情報を確認できませんでした。
・「twin 22巻 8号 (237) 2008年8月号」(ツインズ 2008)
p.11-31「ソウルフード、焼きそばを探れ。」
宇都宮市と栃木市のやきそば店の紹介記事がありますが、内容は、味の特徴や調理方法に関するものです。