レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年09月06日
- 登録日時
- 2016/02/26 14:34
- 更新日時
- 2016/02/26 14:35
- 管理番号
- 川図15-17
- 質問
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日本経済新聞(2015/9/6 朝刊25面)に掲載されている「花粉化石、花の起源秘める」という記事に関連する資料を紹介してほしい。
1.ダーウィンが花の起源について「忌まわしき謎」としたその進化学的な実情が紹介されている資料
2.果実の起源について説明している資料
3.イスラエルにある1億3500万年前の白亜紀初期の地層で見つかった花粉化石がどのような植物のものとされているか、確認できる資料
- 回答
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1~3の各項目について、以下の図書①と雑誌記事②~⑤を紹介した。
【1「忌まわしき謎」について】
①『被子植物の起源と初期進化』(高橋正道、北海道大学出版会、2006)
②清水健太郎.「Fraction Collector ダーウィンの"忌まわしき謎"--エレガント&力づくの分子系統樹で最古の花が同定された」.『蛋白質核酸酵素』、45巻4号(2000年3月)、p.618-620.
【2 果実の起源について】
③小林真生子ほか.「千葉県沖ノ島遺跡から出土した縄文時代早期のアサ果実 」、『植生史研究』、17巻1号(2009年3月31日)、p.27-31.
④西田 治文.「世界最古の被子植物化石の発見」、『遺伝 : 生物の科学』、53巻5号(1999年5月)、p.8.
【3 白亜紀初期の地層で見つかった花粉化石について】
①『被子植物の起源と初期進化』(高橋正道、北海道大学出版会、2006)
⑤ 山田 敏弘.「被子植物の起源--花はいつ,どこで咲いた?」、『科学』、80巻11号(2010年11月)、 p.1098-1100.
- 回答プロセス
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【1「忌まわしき謎」について】
当館OPACで<被子植物>と検索し、ヒットした図書の内容を確認したところ、①に該当する記述が見つかった。
また、国立国会図書館サーチで<忌まわしき謎>と検索した際に、②の雑誌記事がヒットした。
【2 果実の起源について】
JDreamⅢで<果実 最古>や<果実 化石>と検索した際にヒットした③、④の雑誌記事を紹介した。
【3 白亜紀初期の地層で見つかった花粉化石について】
1で紹介した①の図書を確認したところ、関連する記述が見つかった。
また、JDreamⅢで<被子植物 化石>と検索した際にヒットした雑誌記事⑤では、最古の花粉化石として異なる説が紹介されていたため、あわせて紹介した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 古生物学.化石 (457)
- 参考資料
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高橋正道 著 , 高橋, 正道, 1950-. 被子植物の起源と初期進化. 北海道大学出版会, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008137065-00 , ISBN 4832981315 (→p.ⅰ-「はじめに」において、被子植物の起源と初期進化が「Abominable mystery=忌まわしき謎」とされてきた経緯について簡潔に述べられている。
→p.118-119「2.最古の被子植物花粉化石」に、イスラエルの後期バランギニアン期~前期オーテリビアン期(1億3200万年前)のHelez層から発見された無口型の被子植物の花粉化石についての記述がある。
→p.276-279「3.被子植物の「忌まわしき謎」はどこまで解明されたか?」という項目がある。) -
Fraction Collector ダーウィンの"忌まわしき謎"--エレガント&力づくの分子系統樹で最古の花が同定された. 2000-03. 蛋白質核酸酵素 / 共立出版株式会社 [編] 45(4) (606) p. 618~620
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I5278211-00 (→被子植物は、その多様性のために系統樹の作成が困難であったことや、最古の花としてアンボレラが示されるまでに、様々な説が挙げられてきたことなどが述べられている。) -
工藤 雄一郎 , 小林 真生子 , 百原 新 他 , 工藤 雄一郎 , 小林 真生子 , 百原 新. 千葉県沖ノ島遺跡から出土した縄文時代早期のアサ果実の14C年代. 2009-03. 植生史研究 17(1) p. 27~31
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I10283707-00 (→当館に所蔵がないため抄録で確認したところ、果実化石としては世界最古とされるアサ果実の算出記録について述べられていた。) -
西田 治文 , 西田 治文. 世界最古の被子植物化石の発見. 1999-05. 遺伝 : 生物の科学 53(5) p. 8~9,巻頭図1p
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I4720668-00 (→1998年に世界最古の被子植物の化石として報告された被子植物「Archaefructus liaoningensis(アルカエルフルクトゥス・リャオニンゲンシス)の化石に、種子の入った果実が見られることが紹介されている。) -
山田 敏弘 , 山田 敏弘. 被子植物の起源--花はいつ,どこで咲いた?. 2010-11. (特集 恐竜の進化とその時代) 科学 80(11) (939) p. 1098~1100
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I10855225-00 (→p.1098「今のところ、最古の確実な被子植物化石は、イングランドから報告された、約1億3000万年前の被子植物の花粉化石である。」という記述があった。)
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高橋正道 著 , 高橋, 正道, 1950-. 被子植物の起源と初期進化. 北海道大学出版会, 2006.
- キーワード
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- 花
- 果実
- 化石
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000188617