レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年1月14日
- 登録日時
- 2016/01/14 18:37
- 更新日時
- 2020/09/08 15:11
- 管理番号
- 伊万里市民2016-1
- 質問
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源氏物語に、佐賀県唐津市の鏡神社を詠んだ歌があると聞いた。
さらに、歌碑も存在すると聞いているが本当か?
- 回答
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源氏物語「玉蔓」の中で、肥後の土豪である大夫監(たゆうのげん)が玉蔓に求婚中に詠んだものとして登場。
(玉蔓はその時、肥前に住んでいた。)
「君にもし心たがはば松浦(まつら)まる鏡の神をかけて誓はむ」
(姫君に対して、もしも私が心変わりをしましたら、どのような罰でも・・・松浦の鏡の神にかけてお誓いしましょう)
これに対し、乳母が
「年を経ていのる心のたがひなば鏡の神をつらしとや見む」
(長年の間、姫君のお幸せをお祈りしてきた、その望みがかなわなくなったら、鏡の神をさぞ恨めしくおもうことでしょう)
と、返している。
鏡神社とは佐賀県唐津市の鏡にある。
松浦総鎮守 鏡神社 ホームページ http://kagami.or.jp/ (2016.1.14確認)
唐津の魅力継承事業 (唐津市)
https://web.archive.org/web/20170502043002/http:/k-tanbou.com/pdf/rekishi/kagamijinjyatogenjimonogatari.pdf (2017.5.2のファイル)
歌碑の画像、詳細、そして地元の言い伝えなどが掲載されている。
歌碑については、昭和59年12月に松浦文化連盟によって建立された。
さらに、「紫式部集」には、肥前にいる友人との和歌のやりとりがあり、その中に鏡の神を詠ったものがある。
18 あひ見むと思う心は松浦(まつら)なる鏡の神や空に見るらむ
返し
19 行(ゆ)きめぐり逢ふを松浦の鏡には誰(たれ)をかけつつ祈るとか知る
と、「鏡の神」は源氏物語だけでなく、紫式部集にも詠われていた。
- 回答プロセス
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ジャパンナレッジにて該当和歌を検索。
鏡神社について、佐賀県大百科にて調査。
- 事前調査事項
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源氏物語「玉蔓」に登場するらしい。
- NDC
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- 日本文学 (910)
- 日本 (291)
- 参考資料
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紫式部, 平安中期 , 阿部, 秋生, 1910-1999. 新編日本古典文学全集 22. 小学館, 1996.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002467666-00 , ISBN 4096580228 (97-98p掲載) -
松浦史談会/編 , 松浦史談会. 末廬国 : 郷土史誌 第2巻. 芸文堂, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021652247-00 , ISBN 4905897866 (56p 第82号(16)に歌碑建立の記事掲載あり) -
清水好子 著 , 清水, 好子, 1921-2004. 紫式部. 岩波書店, 1995. (岩波新書. 評伝選)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002390399-00 , ISBN 4000038672 (33-34p 紫式部集の和歌が紹介。ここで友人について解説がある。)
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紫式部, 平安中期 , 阿部, 秋生, 1910-1999. 新編日本古典文学全集 22. 小学館, 1996.
- キーワード
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- 源氏物語
- 玉蔓
- 鏡神社
- 大夫監
- 鏡の神
- 照会先
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- 唐津市近代図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000187060