レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/06/12
- 登録日時
- 2015/11/19 00:30
- 更新日時
- 2015/11/19 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-150027
- 質問
-
解決
米軍が長崎に原爆を投下する前に,爆弾を投下する旨のビラを350万枚,飛行機から撒いたという。
同じように,広島でもビラが撒かれたのかどうかを知りたい。
- 回答
-
次の資料に記載がありました。 ※【 】内は当館所蔵資料です。
資料1 土屋礼子『対日宣伝ビラが語る太平洋戦争』吉川弘文館, 2011【210.75/11Z】
p.226 「(前略)こうした空襲を警告し、避難を呼びかけるビラは、占領地の現地住民に呼びかけるビラと同じく、軍部と軍事施設を攻撃するのが目的であり一般市民は敵ではない、という人道主義を宣言するものでもあった。しかし、最も重大な爆撃、すなわち原爆の投下については、原爆予告のビラは撒かれた形跡がない。おそらく原爆の開発自体が最高機密であったからだろう。(後略)」
なお,pp.224-225の記載によると,8月6日以前に空襲予告のビラが投下されたのは以下のとおりです。広島の記載はありませんでした。
7/28 久留米,宇和島,津,函館,青森,大垣,宇治山田,西宮,一宮,名古屋,郡山
7/31 高岡,八王子,大津,長野,水戸,久留米,郡山,福山,前橋,富山,舞鶴,西宮
8/5 佐賀,八幡,都城,今治,鳥取,岩国,高山,浦和,福島,八戸,秋田,小樽
資料2 広島市役所 編集『広島原爆戦災誌 第1巻』広島市役所, 1971【210.75/ヒ1/1】
pp.51-54 「第二章 原子爆弾の惨禍 / 第一節 投下・炸裂」の項に,「広島市民に原子爆弾投下を予告して、爆撃目的を減殺するような警告ビラなどは、当然撒布しなかったと考えられる。」とあります。
一方では,市民の中には宣伝ビラが撒かれたという証言や手記の記述もあるようです。しかし,広島県警察部発行(昭和二十一年頃作成)の「広島県下に於ける空襲被害状況表」によると,七月二十七日に主として呉市・呉軍港等,七月三十一日に豊田郡豊浜村,福山市等でビラをまいているほかに,広島市内でのビラ撒布の記録がない旨掲載されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 戦争史
- 日本史
- 原子爆弾第二次世界大戦
- 終戦
- アメリカ軍
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000184156