レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/07/22
- 登録日時
- 2015/03/20 00:30
- 更新日時
- 2015/03/20 00:30
- 管理番号
- 6001007565
- 質問
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解決
江戸中期、大坂の国学者で江戸堀に住み、冨田屋と称する商家の主人だったとされている江田世恭の商売を知りたい。
書淫といわれ、書画鑑定にすぐれ、「富八極」と称賛される目利きだったとされていますが、下記資料などで調べた結果では、豪商だったとされているものの、どういう商売を営んでいたか、明らかでないように思います。
江戸堀辺りは、米相場の現銀店や薬種店が多かったように見受けますが、どんなものでしょうか。
その他江田に関する事柄ならどんなことでも有難いです。
- 回答
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まず、文献を紹介させていただきます。文献も多くあり、ご質問の事前調査で概要はご存じと思われますので、引用は避けます。必要でしたら直接来館の上、閲覧していただくか、複写(文書もしくはホームページから)をお申し込みください。
(【 】内は、当館の請求記号です。)
『新修大阪市史 第4巻 近世2』 新修大阪市史編纂委員会編集 大阪市 1990.3 【216.3/25N/4】 p345-346
『大阪市史 第2』 大阪市参事会編 大阪市参事会 1914.8(大正3.8) 【328/9/#】 p138-139
『大阪府史蹟名勝天然記念物 第5冊』 再刊 大阪府学務部編 清文堂出版 1974.9 (初版1931.3) 【372/339/#】 p95
『大阪人物誌 正編』 石田誠太郎著 臨川書店 1974.8 【351/2163/#】 p665-666
『西区史 第3巻』 西区史刊行委員会[編] 清文堂出版 1979.5 【328/109/#】 p452-543
『大阪墓碑人物事典』 近松誉文著 東方出版 1995.11 【281.6/26N/】 p19
『大阪人物辞典』 三善貞司編 清文堂出版 2000.11 【281.6/53N/】 p162-163
『大阪名家著述目録』 大阪府立図書館 1914.3(大正3.3) 【016/1/#】 p21
『大阪の学問と教育』 毎日放送文化叢書 第9巻 小島吉雄著者代表 毎日放送 1973.11 【033/143/#】 p64
『浪速叢書 第10巻』 船越政一郎編纂校訂 浪速叢書刊行会 1929.5 【035/5/#】 p61
『浪華人物誌 巻2』 岡本撫山著 [風俗繪巻圖畫刊行會]:[吉川弘文館] 【351/464/#】 p20
多くの資料は「浪華人物誌」からの引用と思われます。
『大日本人名辞書 第1巻』 大日本人名辞書刊行会[編] 講談社 【354/33/#】 p414 「エダセキョウ」で掲載
また、学術論文を検索するサイト「CiNii Articles」で「江田世恭」を全文検索したところ、香道関連の論文がいくつかヒットしました。これらの論文は江田世恭について論じられた(主題)ではありませんが、文中に「江田世恭」という文字が入っている程度になりますが、以下はその一覧です。
「論文名」 著者 『雑誌名』 巻号 掲載ページ 出版年月
「大枝流芳(岩田信安)小考」 翠川文子著 『川村学園女子大学研究紀要』 15巻2号 p152-132 20040315
「すき(草冠に取)香舎春竜考」 翠川文子著 『川村学園女子大学研究紀要』 14巻2号 p212-193 20030315
「藤村庸軒をめぐる人々(一):三宅亡羊」 白嵜顕成著 『教育諸学研究』 16号 p1-20 200205
「香人・米川常白伝考」 翠川文子著 『川村学園女子大学研究紀要』 13巻2号 p159-178 20020315
「忍鎧とその著述」 翠川文子著 『川村学園女子大学研究紀要』 12巻3号 p155-172 20010315
「『宗碩五百箇条』への成長」 余語敏男著 名古屋女子大学紀要. 人文・社会編 第44号 p382-370 19980305
「大阪関帝廟と大阪華僑:阪神大震災修復事業から見えてきたこと」 二宮一郎著 『中国研究月報』 52巻1号 p22-31 19980125
最後の論文以外の6点はインターネット上で公開されています。最後の論文は大阪府立中之島図書館・大阪府立中央図書館内で見ることができます。
さて、本題の生業ですが、どの資料を見ても豪商、富商とありますが、何屋との記述がありません。ご質問にある『難波丸綱目』ですが、安永6年版には第4冊16丁オモテに 「諸師芸術部」の「有職者」に「江戸ホリ二丁メ 江田八郎右衛門」と書かれていますが、職業については見つけることができませんでした。出典:『本難波丸綱目』 多治比郁夫編輯 中尾松泉堂書店 1977.11 【378/725/#】 p496
また、延宝・元禄年間(1670ころ-1690ころ)の難波すずめなどを集めて翻刻した資料『古版大阪案内記集成 翻刻・校異・解説・索引篇』 塩村耕編 和泉書院 1999.2 【291.63/773N】の索引から「江田」「富田屋」を見たところ、「江田」は掲載なし、「富田屋」は「とんだや」で11名掲載されていましたが、すべて江戸堀ではない場所でした。
さらに『商人買物独案内』 [文政2年] 【542.3/2/#】も見ましたが、富田屋で江戸堀は見つけられませんでした。
『商人買物独案内』のような和装書(古典籍)を繰っていけば出てくるかもしれませんが、現状では見つけることはできませんでした。
[事例作成日:平成27年2月19日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・調べた本『大阪人物誌』『人物百談』『在津紀事』『難波買物独案内』など。
『難波丸綱目』安永6年に江田のことが取り上げてあるらしいですが、これはまだ見ていません。
- NDC
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- 個人伝記 (289 8版)
- 参考資料
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- 新修大阪市史第4巻新修大阪市史編纂委員会∥編集大阪市
- 大阪市史第2大阪市参事会∥編大阪市参事会
- 大阪府史蹟名勝天然記念物第5冊大阪府学務部∥編清文堂出版
- 大阪人物誌正編石田/誠太郎∥著臨川書店
- 西区史第3巻西区史刊行委員会∥[編]清文堂出版
- 大阪墓碑人物事典近松/誉文∥著東方出版
- 大阪人物辞典三善/貞司∥編清文堂出版
- 大阪名家著述目録大阪府立図書館
- 大日本人名辞書第1巻大日本人名辞書刊行会∥[編]講談社
- 大阪の学問と教育小島/吉雄∥著者代表毎日放送
- 浪速叢書第10船越/政一郎∥編纂校訂浪速叢書刊行会
- 浪華人物誌巻2岡本撫山著[風俗繪巻圖畫刊行會] : [吉川弘文館]
- 校本難波丸綱目多治比/郁夫∥編輯中尾松泉堂書店
- 古版大阪案内記集成翻刻・校異・解説・索引篇塩村/耕∥編和泉書院
- キーワード
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- 江田世恭(エダナガヤス)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000169539