レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年07月14日
- 登録日時
- 2014/05/23 16:54
- 更新日時
- 2014/06/27 18:23
- 管理番号
- 塩尻199
- 質問
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解決
婚姻による女性の改姓について、明治時代前後の歴史を知りたい。
- 回答
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当館に所蔵する資料では、次の【資料1~3】に解説があった。
【資料1】
第2章「1. 日本の婚姻制度と明治民法」に婚姻関係のあり方の移り変わりについて奈良時代から解説しており、その中に女性の改姓について書かれている。「結婚すると夫の姓を名乗るかたちの制度化は、一九八〇(明治二三)年民法婚姻法ではじめて浮上し、一八九八(明治三一)年の明治民法にひきつがれてはじめて実現した」との記述あり。
【資料2】
「10. 苗字の公称」に、明治になってからの「妻の改姓」について内務省の見解の経緯についてまとめており、「こうして(明治)三十一年の民法・戸籍法で、妻はとついだ家の姓を名乗ることになった。」と書いている。
【資料3】
「夫婦別姓から夫婦同苗字へ」の中で、「姓」と「苗字」の違いについて解説したうえで、一般的に使われる「夫婦別姓」は「厳密には夫婦別苗字のことであり、はたして江戸時代に夫婦別苗字が一般的だったかというと、おそらくそうではない可能性が高い。」「「夫婦別姓」(夫婦同苗字)は明治民法の制定によってもたらされたもので、高々100年の歴史にすぎないという説には、残念ながら従いえないが、さりとて、それが「悠久の昔からの日本の伝統」というわけでもなく、その風習の起源を南北朝内乱時代(十四世紀中頃)より前に求めることは、絶対にできない。」と書いている。
- 回答プロセス
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「苗字」「戸籍」「近代」等のキーワードで蔵書検索をし、ヒットしたものの中から【資料1~3】を得た。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会学 (361 9版)
- 系譜.家史.皇室 (288)
- 参考資料
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【資料1】 布施 晶子/著 , 布施‖晶子. 結婚と家族. 岩波書店, 1993. p.54-59. (岩波市民大学 人間の歴史を考える ; 5)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000217634-00 , ISBN 4000036556 -
【資料2】 豊田武 著 , 豊田, 武, 1910-1980. 苗字の歴史. 吉川弘文館, 2012. p.173-175. (読みなおす日本史)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023769764-00 , ISBN 9784642063845 -
【資料3】 坂田聡 著 , 坂田, 聡, 1953-. 苗字と名前の歴史. 吉川弘文館, 2006. (歴史文化ライブラリー ; 211)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008140739-00 , ISBN 4642056114
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【資料1】 布施 晶子/著 , 布施‖晶子. 結婚と家族. 岩波書店, 1993. p.54-59. (岩波市民大学 人間の歴史を考える ; 5)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000153683