レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/10/17
- 登録日時
- 2013/11/03 00:30
- 更新日時
- 2013/11/07 13:25
- 管理番号
- 6000013401
- 質問
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解決
フンコロガシが天の川を目印にしているという報道を見たことがあるが、このことについて詳しくわかる本はあるか。ほかの動物や人間でも、天体と関連した行動をとることがあるかわかればなおよい。
- 回答
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「日経サイエンス」2013年6月号に天の川を道標にするフンコロガシの研究についての記事があり。その他天体と関連した行動を取る動物については下記。
- 回答プロセス
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内容について確認するため、当館所蔵の新聞記事データベースで検索すると、朝日新聞2013年1月28日の夕刊に、「フンコロガシ ナビは天の川 スウェーデンなどのチームが発表」という記事があり。太陽・月を目印にするほか、月のない暗い夜に巣穴に糞を運ぶために天の川を目印にしているとのこと。太陽や星座・地磁気を使って移動する習性がある動物には昆虫・カメ・渡り鳥・アザラシなどがあるとのことだが、研究チームのコメントでは天の川をナビに使う動物は初めてとあり。
当市の所蔵資料を「フンコロガシ」で検索し内容を確認するが、利用者の求めるものはなし。さらに大阪府立図書館の蔵書をキーワード「フンコロガシ」で検索し、ヒットした中から『アフリカ昆虫学への招待』(京都大学学術出版会)を取り寄せて内容を確認する。p31-46にフンコロガシと古代エジプトの関係についてのコラムやフンコロガシの生態についての研究成果があるが、移動についての詳しい記載はない。
Fujisanのサイト http://www.fujisan.co.jp/ で工学・サイエンス関連の雑誌を「フンコロガシ」で検索すると、「日経サイエンス」2013年6月号がヒット。当市に所蔵があり、取り寄せて内容を確認すると、p26に「フンコロガシは星を追う 天の川の光を道標にしている」の記事があり。朝日新聞で報じられた実験について詳しく説明し、動物界で天の川を道標に使っている例を初めて実証したといえるか、と結んでいる。
また、ほかにも天体と関連した行動をとる動物がいるかどうかについて、48(生物学)44(天文)49(医学)の書架を探し、内容を確認。
『生き物たちの情報戦略』(化学同人)p161-165「体内時計と太陽の位置」に、トビムシは太陽の位置を指標にして方向を判断しているという研究の紹介があり。
『太陽と地球のふしぎな関係』(講談社)第5章「地球生命への影響は?」に、太陽フレア等による磁場の方向の変化で影響を受ける例としてハト・サケ・イルカなどの例があり。またp221「人間は大丈夫か?」に、人間が磁場の変化で受ける影響の記載があり。『健康気象学入門』(日東書院)に、気圧、湿度、日照時間等と人間の体調についての記載があり。磁場と鳥の感覚については『鳥たちの驚異的な感覚世界』(河出書房新社)第6章「磁気感覚」にも記載があり。環境と生体リズムの関わりについては『時間生物学事典』(朝倉書店)に詳しい記載があり。これらも合わせて見ていただいた。
- 事前調査事項
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『フンころがしの生物多様性 自然学の風景』(青土社)は目を通したが、このことは載っていなかった。
- NDC
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- 昆虫類 (486 9版)
- 動物学 (480 9版)
- 参考資料
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- 日経サイエンス日経サイエンス社
- 生き物たちの情報戦略針山 孝彦/著化学同人
- 太陽と地球のふしぎな関係上出 洋介/著講談社
- 健康気象学入門村山 貢司/著日東書院本社
- 鳥たちの驚異的な感覚世界ティム・バークヘッド/著河出書房新社
- 時間生物学事典石田 直理雄/編集朝倉書店
- キーワード
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- フンコロガシ(フンコロガシ)
- 天の川(アマノガワ)
- 昆虫(コンチュウ)
- 生態(セイタイ)
- 生物学(セイブツガク)
- 地磁気(チジキ)
- 気象(キショウ)
- 太陽(タイヨウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000139942