レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/1/20
- 登録日時
- 2015/02/19 00:30
- 更新日時
- 2015/02/20 16:05
- 管理番号
- B150113150441
- 質問
-
解決
イチョウの果実(銀杏)の多肉質の部分(外種皮)について、成分と利用法が記載されている資料があれば紹介してください。
- 回答
-
当館所蔵資料を調査したところ、イチョウの外種皮の成分および利用法に関する記載がある資料(1)が見つかりましたのでご紹介いたします。また、同様の内容の記載があり、資料(1)の参考文献として挙げられている資料(2)、(3)が見つかりましたのでご紹介します。
(1)
タイトル:イチョウ奇跡の2億年史 : 生き残った最古の樹木の物語
責任表示:ピーター・クレイン 著, 矢野真千子 訳, 長田敏行 日本語版監修
出版者:河出書房新社
出版年月:2014.9
当館請求記号:RA344-L2
「第 6部 利用価値」の「33章 薬として」(pp.299-307)に、イチョウの外種皮の成分および利用法に関する記載があります。例えば、「一九二七年には日本の川村実平が、種子の果肉質の外種皮からイチョウ酸、ギンコール、ビロボールという三種類の新規アレルギー性化合物質を分離し、それらがウルシやツタウルシでアレルギー反応を引き起こす成分と化学的に似ていることを見出した。」(p.301)という記述や、「臭くてたまらない外種皮ではあるが、それなりに利用はされてきた。古代中国では灰汁と混ぜてスープにしていたというし、コイを釣るときの餌にもなる。」(p.302)という記述などがあります。
また、「33章」の「原注」(pp.359-361)には、「(6) Loudon(1838, 2098)によると、「ツンベリーいわく、日本では果肉質の外種皮も食されている。(中略)」一方、Lyman(1885)は、「果肉質の外種皮の絞り汁には収斂作用があり、防水紙や丈夫な紙、柵や建物の黒色塗料のようなものをつくるのに使われる」と述べている。」という記述があります。参考文献として 「Loudon, J. C. 1838. Arboretum et fruticetum britannicum; or, The trees and shrubs of Britain. London:A. Spottiswoode.」及び「Lyman, B. S. 1885. "The etymology of 'ginkgo.'" Science 6:84.」が挙げられています(p.415)。
(2)
タイトル:Arboretum et fruticetum Britannicum
責任表示:Loudon, J. C.
出版者:Loudon
出版年:1838
巻号:v.4
p.2098に、資料(1)で引用されている文章の英語の原文が記載されています。
この資料は当館での所蔵はありませんが、University of Oxfordが運営するデータベース「SOLO」(http://solo.bodleian.ox.ac.uk/)で全文が公開されています。本文は次のURLから見ることができます。
http://solo.bodleian.ox.ac.uk/primo_library/libweb/action/dlDisplay.do?vid=OXVU1&docId=oxfaleph012888199
(3)
論題:The Etymology of "Ginkgo"
著者:Benj. Smith Lyman
雑誌名:Science
出版者:American Association for the Advancement of Science
巻号・年月日:6(130) 1885.7.31
ページ:84
ISSN:0036-8075
p.84に、資料(1)で引用されている文章の英語の原文が記載されています。
この資料は当館での所蔵はありませんが、非営利団体ITHAKAが運営するデータベース「JSTOR」(http://www.jstor.org/)で全文が公開されています。本文は次のURLから見ることができます。
http://www.jstor.org/stable/1761139
[その他調査済み資料・データベース]
・『天然薬物事典』(広川書店 1986.4 【SD2-66】)
・『植物の世界11(種子植物)』(朝日新聞社 1997.10 【RA254-G2】)
・『薬用植物大百科』(婦の友出版サービスセンター(製作) 1999.4 【SD2-G47】)
・『原色百科世界の薬用植物』(エンタプライズ 1988.2 【SD121-E11】)
・『世界薬用植物百科事典』(誠文堂新光社 2000.10 【SD2-G62】)
・『世界有用植物事』(平凡社 2002.8 【RA2-J54】)
・『種子生物学』(東北大学出版会 2003.9 【RA233-H4】)
・『植物レファレンス事典』(日外アソシエーツ 2004.1 【RA2-H21】)
・『植物レファレンス事典. 2(2003-2008 補遺)』(日外アソシエーツ 2009.1 【RA2-J17】)
・『種子の科学とバイオテクノロジー』(学会出版センター 2009.3 【RB57-J9】)
・『イチョウの自然誌と文化史』(裳華房 2014.2 【RA344-L1】)
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・EBSCOhost [当館契約データベース]
・JDreamIII [当館契約データベース]
・JSTOR [当館契約データベース]
・ProQuest Central [当館契約データベース]
・ScienceDirect [当館契約データベース]
・CiNii Articles (http://ci.nii.ac.jp/)
・J-GLOBAL (http://jglobal.jst.go.jp/)
・J-STAGE (http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
・練馬区立図書館ホームページ (https://www.lib.nerima.tokyo.jp/)
インターネット・データベースの最終アクセス日は2015年1月16日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
・『メディカルハーブの事典』
・『自分で採れる薬になる植物図鑑』
・『いま なぜイチョウ?』
- NDC
-
- 裸子植物 (478 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- イチョウ
- 銀杏
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000167932