レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20190405
- 登録日時
- 2023/06/01 00:30
- 更新日時
- 2023/06/01 00:30
- 管理番号
- 徳郷20190403
- 質問
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解決
万葉集で、徳島が詠まれているものはないか。「如眉雲居…」は、知っている。
- 回答
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以下資料【A】【B】によると、阿波の地名が明確に詠われているのは、『万葉集 巻六』収録998
「如眉雲居所見阿波乃山懸而漕舟泊不知毛」
のみ。
【A】『徳島の文学 高校生のためのガイドブック』
p6-7「2 眉のごと雲居に見ゆる阿波の山」
「阿波の地名が明確に詠じられているのは船王のこの眉山の歌だけということになる。」
と書かれている。
【B】『ふるさと阿波(阿波郷土会報)136』
p13-16「阿波の古い歌枕について(1)」 藤井喬/著
「如眉雲居…」以外で、巻十収録の
「つまごもる矢野の神山露霜ににほひそめたり散らまく惜しも」
を検討しているが、阿波の矢野の神山を詠んだものとは考えられないとしている。
【C】『阿波の文学碑めぐり 下』
p313「(6)万葉歌碑」徳島県内にある万葉歌碑の一覧。8つ載っているが、内4つは、「如眉雲居…」の歌碑。他は、徳島県の万葉研究家が建てた碑などで、徳島を詠ったものではない。
【D】『阿波路文学の旅』
p17-20「萬葉集」
「如眉雲居…」の歌についてのみ記述あり。
【E】『瀬戸内万葉紀行 万葉集ゆかりの地を訪ねる』
p12-13「眉の如」
この歌のみ記述あり。
【F】『萬葉集地名歌総覧』
p642「地名歌国別集計」では、阿波は0になっているが、索引のp679に「アハシマ(阿波・未詳)509,1207」と記されている。
p160 「五〇九 … 直向ふ 淡路を過ぎ 粟嶋を 背に見つゝ 朝なぎに 水主の音喚び」
解説には、「背後に見える<粟嶋→三五八>は四国の阿波を指す。」と書かれている。
p127-128 「三五八 武庫浦を 榜ぎ廻る小舟 粟嶋を 背向に見つゝ乏しき小舟」
解説には、「粟嶋は、<……天さがる 夷の国邊に 直向ふ 淡路を過ぎ 粟嶋を 背向に 見つゝ……稲日都麻 浦廻を過ぎて……家乃嶋 荒磯の上に……→五〇九>とも詠まれており、「四国の阿波の方面を言ふかと思はれる」[全解釈]」と書かれている。
p227 「九九八 眉のごと …」
解説には、「阿波乃山は、阿波国(現・徳島県)の山。難波から四国の阿波は見えないが、西方海上の淡路島の山々をそのように呼んだのであろう。」と書かれている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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- 【A】徳島の文学 高校生のためのガイドブック (T900トク176-7「徳島の文学」編集委員会/編 徳島県高等学校教育研究会国語学会/編 井上書房)
- 【B】ふるさと阿波(阿波郷土会報)136 (T205アワ213-16 阿波郷土会 阿波郷土会)
- 【C】阿波の文学碑めぐり 下 (T900ミソ2-2313溝渕匠/著 溝淵匠 1995.09)
- 【D】阿波路文学の旅 (T900アワ21-ジョウ17-20読売新聞徳島支局/編 徳島県教育会出版部 1969)
- 【E】瀬戸内万葉紀行 万葉集ゆかりの地を訪ねる (T911ホン212-13本州四国連絡高速道路協会/編 本州四国連絡高速道路協会 2015.1)
- 【F】萬葉集地名歌総覧 (911.12ヒク127-128,160,227,642樋口和也/著 近代文芸社 1996.06)
- キーワード
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- 万葉集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000333808