レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年10月30日
- 登録日時
- 2019/09/26 11:06
- 更新日時
- 2019/09/26 13:13
- 管理番号
- 京歴-456
- 質問
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解決
「天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)」について知りたい。
- 回答
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『仏像図典』(①)p.18,p.35,p.45に、天鼓雷音如来について記述がある。
p.45には図と解説があり、「中台八葉院の北方に住す、左手を拳にし仰けて臍に安じ、右手は伏せて膝に押し、指頭は蓮台に至る触地印をなす」とある。
『仏像レファレンス事典』(②)のp.219より、醍醐寺五重塔心柱覆板絵北面の胎蔵界天鼓雷音如来の図が『原色日本の美術 7』(③)のp.64(図42)に掲載されていることがわかった。
国立国会図書館オンラインで「天鼓雷音如来」を検索し、「東洋美術」22号(④)に米田太三郞撮影「東寺眞言院曼茶羅胎藏界(細部)天鼓雷音如來」が掲載されていることがわかった。
④は国立国会図書館のデジタルコレクションでも公開(「国立国会図書館、図書館送信限定」)されており、インターネットで閲覧することができる(5コマ目に掲載)。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1516325
(最終確認日:2019-09-26.)
この資料は「国立国会図書館、図書館送信限定」であり、国立国会図書館か、図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)に参加している図書館でのみ閲覧が可能。
図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館一覧(2019年9月2日現在)
http://dl.ndl.go.jp/ja/soshin_librarylist.html
(最終確認日:2019-09-26.)
『東寺の大曼荼羅図:甲本修復完成記念-甦るみ仏花開く美-』(⑤)p.14に「甲本両界曼荼羅」の一つである「胎蔵界曼荼羅」の中央部分「中台八葉院」の写真が載っている。
中台八葉院は胎蔵界曼荼羅の中核であり、中央の蓮台とその周りの八枚の花弁からなる。中央に本尊の大日如来、周囲にその属性を分担する四仏と、それを補佐する四菩薩が坐している。
天鼓雷音如来は四仏のなかの一つで、北の連弁に坐している(p.14の図では、大日如来の左側が北)。
p.58に、胎蔵界曼荼羅の中の諸尊の名称を示した図があり、中台八葉院の中に天鼓雷音(如来)がある。
『東寺の曼荼羅図』(⑥)のp.35にも天鼓雷音如来の図が掲載されている。
『曼荼羅の鑑賞基礎知識』(⑦)のp.121-123、「胎蔵界曼荼羅の構造と思想」の項で、中台八葉院の北方にある天鼓雷音如来は、涅槃(さとり)の体得の象徴であるとしている。
- 回答プロセス
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開架にある仏教美術や仏像の事典を調べた。
国立国会図書館オンラインでキーワードに「天鼓雷音如来」を入れて検索した。
国立国会図書館オンラインでの検索結果より、東寺(教王護国寺)が所蔵する胎蔵界曼荼羅に、天鼓雷音如来が描かれていることがわかったため、当館の蔵書検索システムで東寺の曼荼羅についての資料を検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術史.美術史 (702)
- 参考資料
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- ① 佐和隆研編.仏像図典.吉川弘文館,1990. (当館請求記号:||718||Sa93||)
- ② 日外アソシエーツ株式会社編集.仏像レファレンス事典.日外アソシエーツ,2009. (当館請求記号:||718.031||N71||)
- ③ 高田修,柳沢孝著.原色日本の美術 7.小学館,1978. (当館請求記号:||702.1||G34||7)
- ④ 東洋美術研究会編.東洋美術:東洋美術特輯:日本美術史 第22号.飛鳥園,1935. (当館請求記号:||トウヨ)
- ⑤ 東寺(教王護国寺)宝物館編集.東寺の大曼荼羅図:甲本修復完成記念-甦るみ仏花開く美-.東寺(教王護国寺)宝物館,2004. (当館請求記号:K152||702.17||To27||)
- ⑥ 東寺宝物館編,頼富本宏監修.東寺の曼荼羅図:みほとけの群像.東寺宝物館,1992. (当館請求記号:K152||702.17||To27||)
- ⑦ 頼富本宏著.曼荼羅の鑑賞基礎知識.至文堂,1991. (当館請求記号:||702.098||Y84||)
- キーワード
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- 天鼓雷音如来
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261791