レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/04/17
- 登録日時
- 2022/06/17 00:30
- 更新日時
- 2022/06/17 10:57
- 管理番号
- 所沢本-2022-007
- 質問
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解決
葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中の1枚で、桶の向こうに富士が見える絵があるが、どこから見て描かれたのか知りたい。
- 回答
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該当の絵は、「尾州不二見原」で、通称「桶屋」「桶屋の富士」と言われている絵でした。この絵は、おおむね愛知県名古屋市中区富士見町(旧町名:不二見町)というところから描かれたとされていますが、正確な位置はわかっていないようです。
以下の資料に記載があります。
〇『浮世絵大系13 富嶽三十六景』座右宝刊行会/編集制作 1977年
〇『葛飾北斎傑作100選』葛飾北斎/[画] 狩野博幸/監修 2016年
〇『北斎富嶽三十六景』日野原健司/編 2019年
〇『北斎展』 [葛飾北斎/画] 東京新聞 2007年
〇『葛飾北斎冨嶽三十六景を読む』 有泉豊明/正真解説 目の眼 2014年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『浮世絵大系13 富嶽三十六景』座右宝刊行会/編集制作 1977年
「原色図版」にて、該当の絵が「尾州不二見原」であることを確認。
P109「図版解説」に「尾州不二見原」の項あり。
「(前略)尾張国の不二見原と明記されていながら、この地の考証について、いまだ確かな報告を得ていないようだ。(中略)不二見原(富士見ヶ原)は、現在の名古屋市中区不二見町にあたるもので、(中略)当時名古屋の三廓とうたわれ、繁栄した。(後略)」
〇『葛飾北斎傑作100選』葛飾北斎/[画] 狩野博幸/監修 2016年
P40「尾州不二見原」の項あり。
「通称、「桶屋」「桶屋の富士」と呼ばれ、(中略)現在の愛知県名古屋市あたりの富士見原を描いたもので、当時は遊郭や武家の別宅が所在する名勝地として知られていた。(後略)」
〇『北斎富嶽三十六景』日野原健司/編 2019年
P32「尾州不二見原」の項あり。
「尾州不二見原とは、尾州、すなわち尾張国にあった富士見原のことで、現在の愛知県名古屋市中区富士見町周辺にあたる。(後略)」
2.後日調査の追加事項
〇『北斎展』 [葛飾北斎/画] 東京新聞 2007年
P166「冨嶽三十六景 尾州不二見原」の項あり。
「現在の名古屋市中区の富士見町における光景と考えられている。(後略)」
〇『葛飾北斎冨嶽三十六景を読む』 有泉豊明/正真解説 目の眼 2014年
P145「42 尾州不二見原」の項あり。「尾州(愛知県)・富士見原とは、現代の名古屋市富士見町にあたるそうです。」と記載あり。ただし、「地形上名古屋市富士見町から富士山は眺められません。」との記載もある。
3.記載のなかった資料
×『浮世絵大系 8』 座右宝刊行会/編集制作 集英社 1975年
×『もっと知りたい葛飾北斎』 永田生慈/監修 東京美術 2019年
×『名宝日本の美術 23』 小学館 1983年
×『秘蔵浮世絵大観 12』 楢崎宗重/監修 講談社 1988年
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 浮世絵大系 13(別巻1) 座右宝刊行会/編集制作 集英社 1977 721.8
- 葛飾北斎傑作100選 葛飾北斎/[画] 宝島社 2016.11 721.8 978-4-8002-5470-2
- 北斎富嶽三十六景 [葛飾北斎/画] 岩波書店 2019.1 721.8 978-4-00-335811-5
- 北斎展 [葛飾北斎/画] 東京新聞 c2007 721.8
- 葛飾北斎冨嶽三十六景を読む 有泉豊明/正真解説 目の眼 2014.11 721.8 978-4-907211-03-5
- キーワード
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- 葛飾北斎
- 富嶽三十六景
- 桶屋の富士
- 尾州不二見原
- 桶
- 富士
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 図・絵・写真
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000317347