レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年01月05日
- 登録日時
- 2014/12/27 19:13
- 更新日時
- 2014/12/27 19:13
- 管理番号
- 横浜市中央2404
- 質問
-
解決
ペリー来航時に来日した水兵(ボクサー)の名前を調べています。
『日本遠征日記』に力士と戦った水兵の記録があるので、実在するのは間違い
ありません。
- 回答
-
1 新聞記事
オンラインデータベース「@Nifty」の雑誌・新聞記事横断検索で検索しました。
・「【from Editor】156年前の快勝劇を再び」
(「産経新聞」 2010年2月5日 東京朝刊 p.6)
「黒船で来航したペリー提督の前で、米国人のレスラー、ボクサーと「異種格闘技
戦」を行ったのだ。(中略)レスラーのウィリアムスとブライアン、ボクサーのキャノンが3人
で小柳に襲いかかった。(中略)「黒船談義」という書物に記されているこの戦いは、
その後、幾万回と行われることになる日米スポーツ交流の始祖ともいえる。」という
記載が見られました。
この記載を元に『黒船談義』という資料を探しましたが、国会図書館や古書店の
ウェブサイトなどでも見つかりませんでした。
当館で所蔵している『黒船談叢』という資料を確認したところ、次のページに
ほぼ同様の内容があることが確認できました。
ただし、こちらの資料には出典が明記されておらず、この情報の裏付けとなる資料は
見つけることはできませんでした。
2 図書
(1) 『黒船談叢』 森一/編 黒船談叢出版会 1983年
(昭和22年6月下田文化協会刊行の復刻版)
p.86にボクサーの名前として「キャノン」という名前があります。
調査にあたり、次の資料を参考にしました。
なお、(2)~(6)は、いずれも力士同士の相撲をとる様子はありますが、水兵と戦うという記載
は確認できませんでした。
(2) 『日本遠征日記』(新異国叢書) ペリー/〔著〕 雄松堂出版 1985年
口絵に「力士を視る海兵隊員たち」の図版
p.368~372「陸上での余興」
(3) 『ペリー日本遠征随行記』(新異国叢書) サミュエル・ウェルズ・ウィリアムズ/著
雄松堂書店 1970年
(4) 『ペリー艦隊日本遠征記 3』 オフィス宮崎/翻訳・構成
栄光教育文化研究所 1997年
(5) 『The Japan Expedition, 1852-1854 the personal journal of Commodore
Matthew C.Perry』( Smithsonian Institution Publication 4743)
edited by Roger Pineau Smithsonian Institut 1968.
p.192
(6) 『Commodore Perry in Japan』 by the editors of American heritage,
the magazine of history Author: Robert L. Reynolds American
heritage Pu 1963.
p.116
(7) 『亞墨理駕船渡来日記 横浜貿易新聞から』(かなしん150選書)
西川武臣/編著 神奈川新聞社 2008年
p.189 力士について書かれています。
p.193の解説ページに「乗組員と相撲をとった力士もいたようである」という記載
がありました。
(8) 『相撲ロマン大事典』 弥谷まゆ美/著 勉誠出版 2000年
p.67~ ペリー来航時の力士の様子が書かれています。
この資料の参考文献・出典が明記されていないため、残念ながら信ぴょう性に
ついて確認が取れませんでした。
(9) 『大日本古文書 幕末外国関係文書之4』 東京帝国大学/編
東京帝国大学文科大学史料編纂掛 1912年
p.620~ 力士の名前はありますが、ボクサーの名前はありませんでした。
(10) 『横浜と相撲』 伊藤八郎/著 1980年
(11) 『武道精神とスポーツ精神 上』 大倉精神文化研究所/編
大倉精神文化研究所 2003年
(12) 『日本プロレス全史』 ベースボールマガジン社 ベースボールマガジン社 1995年
(10)~(12)の資料は、出典を『黒船談義』(正しくは黒船談叢)とし、三人の水兵と
力士が戦ったこと、アメリカ側では力士の取り組みだけ記録し、野蛮性を強調して
いる事などの記述でほぼ一致しています。
(13) 『大相撲鑑識大系 3 江戸時代の大相撲』 本の友社 2001年
(国民体力協会昭和17年刊の複製)
3人の水兵についての記述はありますが、名前はありません。出典は不明です。
『嘉永雑録』という書名が挙げられていますが、該当部分の出典ではないかもしれません。
(14) 『ボクシング百年 改訂新版』 郡司信夫/著 時事通信社 1976年
(15) 『拳闘五十年』 郡司信夫/著 時事通信社 1955年
(14)、(15)の資料は、同じ著者で内容もほぼ同じですが、安政元年、画家田崎
草雲が横浜でボクシングを操る水兵と喧嘩を行ったのが、日本人とアメリカ人
ボクサーの初対戦であるとしています。これはウィキペディアで採用している説でも
ありますが、異論もあると記されています。
なお、この本では、安政2年のアメリカ軍水兵同士のエキジビションマッチが競技
ボクシングの初めであるとし、2選手の名も挙げています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 8版)
- 日本 (291 8版)
- 相撲.拳闘.競馬 (788 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000165514