レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月19日
- 登録日時
- 2020/03/19 17:04
- 更新日時
- 2020/03/24 13:14
- 提供館
- 福井県文書館 (9000002)
- 管理番号
- 2019-025
- 質問
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解決
「越山若水」という語の出典は何か。また読みは「えつざんじゃくすい」か「えちざんじゃくすい」か。
- 回答
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出典は不明。デジタルアーカイブ福井(https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/archive/)で”越山”や”若水”をキーワードに検索を行うと、「越山若水(行啓記念写真集)」(加藤竹雄家文書)が検索ヒットする。当館管理資料(古文書、公文書、県報、新聞)を確認する限りは、この資料が”越山若水”の最も古い使用例である。この資料は、明治43年皇太子(後の大正天皇)の福井行啓を記念して発行された写真帖で、福井市及び福井県内の名所旧跡、公共建造物や工場などの写真を掲載している。なお発行は福井県が行っている。
また『福井新聞百年史』によると、福井新聞の紙面上において「越山若水」という用語が使われたのは明治44年10月からとなっている。このときは新聞一面の論説のタイトルとして使用されている(大正元年8月23日まで)。現在のようなコラムのタイトルとして使用されたのは、昭和22年2月1日からとなっている(昭和40年1月1日にタイトル変更、昭和54年1月1日に復活し現在に至る)。
・デジタルアーカイブ福井(「越山若水(行啓記念写真集)」
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/archive/da/detail?data_id=011-307166-0
・明治44年10月の福井新聞について、一部は当館複製本で確認可能
読みについては上記の資料にもフリガナはないため断定はできない。しかし、越前を指して「越州(えっしゅう)」、若狭を指して「若州(じゃくしゅう)」と読むことが通例であること、明治44年10月20日付福井新聞「越山若水」内に、”若越”という語が(じゃくゑつ)とフリガナつきで使用されていることなどから、「えつざんじゃくすい」という読みが正しいのではないかと考えられる。
付記:福井県史通史編1の序説において「越山若水」という記載があるが、嶺北・嶺南の地形について説明しており、出典や読み方についての記載は特にない。福井県史通史編1 通史編序説 自然と風土一 越山若水 ↓
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/fukui/07/kenshi/T1/0a1-01-01-01.htm
- 回答プロセス
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①福井県文書館Webデジタル歴史情報にて福井県史に記載がないか確認
②デジタルアーカイブ福井にて検索
③「福井県史通史編1」 原始・古代を確認
④『福井新聞100年史』(資料・年表)を確認(P114、116)
⑤福井県文書館所蔵の福井新聞複製本を確認(明治44.10)
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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福井新聞社社史編纂委員会編 , 福井新聞社社史編纂委員会. 福井を伝えて一世紀 : 福井新聞百年史 [本編],別冊 資料編・年表. 福井新聞社, 2000.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003740593-00 -
福井県 編 , 福井県. 福井県史 通史編 : 原始・古代 1. 福井県, 1993. (福井県史)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025171328-00
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福井新聞社社史編纂委員会編 , 福井新聞社社史編纂委員会. 福井を伝えて一世紀 : 福井新聞百年史 [本編],別冊 資料編・年表. 福井新聞社, 2000.
- キーワード
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- 越山若水
- 行啓記念写真集
- 福井新聞
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000276074