レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/10/23
- 登録日時
- 2018/01/31 00:30
- 更新日時
- 2018/01/31 00:30
- 管理番号
- 埼高図-2017-015
- 質問
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解決
現代文で読解が苦手な生徒向けに、「誰が、いつ、どこで、何をしているか」が読み取れる読解力をつけるための本はあるか。
- 回答
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『高校生のための文章読本』(筑摩書房、1986年) 「この本を使うみなさんへ」というタイトルの前書きによると、『「自分の心を自分の言葉で語る」ということを願って、高校生諸君のために編集された文章読本』。 本来の目的は文章を“書く”ことだが、短めの文章を読みながら文章表現を学んでいくことにもなり、読解の一助になるのでは。 現代の日本の名散文を取り上げ、欄外語句解説を添えながら読んでゆく形式。4~6文ごとに内容テーマによって章にまとめ、各章末には「手帖」というコラムがある。巻末では作文の手順と文章内の技法についても触れている。 『日本語論理トレーニング 正しく読み、深く考える』講談社現代新書(中井浩一、講談社、1981年) 文章の「形式」を読み、その核心にある「論理」と共に学習することが必要なので、そのためのトレーニングをこの本で行うというコンセプト。 『日本語練習帳』岩波新書(大野晋、岩波書店、1999年) まえがきの著者の言葉によると、収録された250点の問題・課題を考え答えるうちに、「読み書きする上での考え方、あるいは技が身につくでしょう」とのこと。 『小説の読み書き』岩波新書(佐藤正午、岩波書店、2006年) 「小説家の書き方」を小説家の視点から考えた文章読本。近代日本文学作品の有名な一節について、なぜこの言い回しや言葉を使ったのか?等、感想と考察がコラム形式で書かれている。 『文化庁国語科の勘違いしやすい日本語』(文化庁国語科、幻冬舎、2015年) 「国語に関する世論調査」をもとに、異なる意味で認識されがちな言葉の本来の意味を用例とともに紹介している。紹介されているのは「憮然」「役不足」「やぶさかでない」など36点。興味深く読みながら正しい意味を覚えていくことができる。文章の中に出てくる語句を取り違えないための参考に。
- 回答プロセス
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質問者の目的のためには「読ませる」ことが必須なので、登場人物の言動がわかりやすい高学年~中学生対象の児童文学を読ませることも提案しつつ、文学論や日本語に関する分類から、「読む」だけでなく「書く」側の視点も含め、参考になりそうな本を探す。 読むことが苦手な生徒が対象なので学術的内容のものは避け、比較的読みやすい新書をメインに提供した。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 授業
- 質問者区分
- 教職員
- 登録番号
- 1000229410