レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004年10月08日
- 登録日時
- 2004/10/19 17:02
- 更新日時
- 2006/01/25 10:44
- 管理番号
- YCU-0006
- 質問
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解決
『西田幾多郎全集』(岩波書店刊)の月報に朝永三十郎が書いた文「古人刻苦光明必盛大ー西田博士の書」が掲載されているそうだが、何巻の月報か。
- 回答
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『西田幾多郎全集』(第1期1947~53年)の別巻1巻(昭和26年10月)に付いた月報と考えられる。但し月報を保存している所蔵館はなかなか見当たらない。当該文献は別途『西田幾多郎:同時代の記録』(下村寅多郎編)(岩波書店1971年刊)に収録されている。
- 回答プロセス
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(1)『西田幾太郎全集』[第1期](1947~53年)で当館所蔵の第1,8,9巻を見るが、月報は添付されていないので質問に答えようがない。
(2)Webcat検索で他の所蔵館を調べる。所蔵館のうち2館に、付録月報に該当文献があるかどうか調査を依頼する。2館とも月報の所蔵なしとの返事。
(3)自館資料、萬里小路通宗編「西田幾多郎文献目録(日本篇)」(『理想』1978年1月所収を自家製本、私製版)を見つけ調べる。雑誌、論文集、単行本等の主要記事の項目を時系列に見ていく。昭和46年の項に”朝永三十郎 古人刻苦光明必盛大ー西田博士の書(同右)昭和二六年一〇月「月報」”とある。目録の凡例を見ると「月報」は『西田幾多郎全集』の月報を指すことがわかる。質問の文献は『西田幾多郎全集』の昭和26年10月刊行の月報に載っていると考えられる。
(4)昭和26年10月刊は全集の何巻か?『全日本出版物総目録』昭和26年版を見ると、10月に『同全集』別巻第1が刊行されたことがわかる。求める文献が『西田幾多郎全集』別巻1(昭和26年10月刊)の付録月報にあることがほぼ間違いない。
(5)「西田幾多郎文献目録」(前出)の凡例にはまた”全集の月報は下村寅多郎編集の『西田幾多郎ー同時代の記録』に収録されている・・・”との記述がある。調べると同書が問い合わせ館に所蔵されているので、そう伝える。
(6)全集の月報の所蔵を国立国会図書館で調べる。この時期の月報・付録類は本体と別に整理されているとのこと。NDL-OPACでの検索および『国立国会図書館所蔵全集月報・付録類目録』を見るが、『西田幾多郎全集』の昭和26年刊行分の月報は出てこない。あと都立中央図書館は全集の月報をよく集めているそうなので、質問館にこちらにも問い合わせたらどうかと伝える。
(7)全集の付録や月報の内容細目、あるいは収録記事を著者やタイトルから探すツールは存在しない。雑誌記事索引の対象にもならずブラックホールになっている。
- 事前調査事項
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問い合わせ館より、同全集第2期、第3期、第4期刊行分は所蔵があり、付録の月報にすべて当たったが該当ないので、第1期(1947~53年)1~12巻・別巻1~6巻に該当があるのではないか、との事前情報あり。
- NDC
- 参考資料
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- 萬里小路通宗編「西田幾多郎文献目録」(『理想』1978年1月号所収)
- 『全日本出版物総目録昭和26年版』
- キーワード
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- 西田幾多郎
- 朝永三十郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000011707