レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/02/13
- 登録日時
- 2020/04/19 00:30
- 更新日時
- 2020/05/07 11:51
- 管理番号
- 6000052561
- 質問
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未解決
清荒神清澄寺のあたりで、棕櫚(シュロ)の箒やタワシが売られているのはなぜか。清荒神はかまどの神様を祀っているが、そのことと棕櫚となにか関係があるのか。棕櫚の特性についても知りたい。
- 回答
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かまどを祓う「荒神箒」が棕櫚で作られることがあるが、清荒神と棕櫚を結びつける資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
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▽清荒神清澄寺について
『兵庫県大百科事典 上巻』
『兵庫県の歴史散歩 上』
『郷土資料事典観光と旅 28』
などを、確認。棕櫚に関する記載はなし。
▽シュロについて
植物辞典、百科事典をあたる。
『日本の野生植物 1』p264 シュロについて。「葉柄基部の繊維は強く、耐水性もあり、シュロ縄、たわし、敷物などとしてかつては広く利用された」とある。
『生活工芸大百科 地域素材活用』p260 シュロの植物としての特徴、利用の歴史、タワシの製造方法等の記載あり。
▽荒神について
『民俗学辞典』(東京堂出版)p197
荒神の項目に、「カマドを祓う箒を荒神箒という」とある。
▽荒神箒について
『絵引民具の事典』p208 ほうき「箒」の項目に、「箒はものを掃き出すと同時に搔き集めるものでもあり、上下を逆さまにすると、ヒノキや竹笹などと同形になる。そうしたことからも箒も神の力が宿る神聖なものと考えられた。囲炉裏や竈の周りで使う小箒が荒神箒といって特別なものとして扱われたのもその一例であり・・・」とある。
『日本を知る事典』p239箒の項目に、「荒神箒は稲藁のミゴ(芯)で作った小箒で竈の清掃などに用いる」とある。
▽国会図書館デジタルコレクション
清荒神 : 清澄寺縁起
宝塚市史. 第7巻
目次を確認したが、清荒神とシュロを関連づけるものは見つからず。
▽インターネット
棕櫚箒製作舎
https://shurohouki.jp/ (2020.2確認)
荒神箒について記述あり。
「荒神箒 清荒神」で検索すると、清荒神参道商店会のSNSがヒットし、清荒神参道で荒神箒を扱っているお店が何軒かあること、良質な棕櫚やイ草などで作られ、丈夫で優れているということが書かれている。
清荒神清澄寺の公式サイトでは、荒神箒、棕櫚に関する記述は見当たらなかった。
以上の資料から、
竈を祓う荒神箒が棕櫚で作られることがあるため、棕櫚で作られる箒やタワシも荒神箒と一緒にお土産として売られているのか?ということが推測できるが、荒神と棕櫚を結びつける資料は見つからなかった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『生活工芸大百科』 農山漁村文化協会/編 農山漁村文化協会
- 『絵引民具の事典』 岩井 宏實/監修 河出書房新社
- 『民俗学辞典』 民俗学研究所/編 東京堂出版
- 『日本を知る事典』 大島 建彦/[ほか]編 社会思想社
- キーワード
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- 兵庫県(ヒョウゴケン)
- 歴史(レキシ)
- 信仰(シンコウ)
- 神社(ジンジャ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000280756