レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年01月23日
- 登録日時
- 2020/04/14 15:08
- 更新日時
- 2020/04/14 15:08
- 管理番号
- R1003482-21
- 質問
-
解決
1974年に都教育庁がまとめた『新しい公民館像をめざして』(いわゆる三多摩テーゼ)について
①原資料②このテーゼを巡る議論を伝える資料③練馬区の公民館行政への反映を記録した資料を探している。
- 回答
-
①原資料について
お問合せの資料『新しい公民館像をめざして』東京都教育庁編 1974.3 について調査いたしました。
この資料は練馬区立図書館で所蔵しておりません。他自治体からの借用でご用意させていただきます。未所蔵資料のご予約はWebからはできませんので、ご利用図書館の窓口か、お電話でお申込み下さいますようお願い致します。
②このテーゼを巡る議論を伝える資料
資料を何点か挙げておきます。閲覧や予約の参考にしてください。
・『大都市・東京の社会教育』 東京社会教育史編集委員会/編 エイデル研究所 2016.9 ISBN978-4-87168-589-4
*P.45「社会教育行政の新たな展開と実践--躍動の時代(1970年代)」に 「新しい公民館像をめざして」ができるまでの経過と背景があります。 多摩地域において公民館をめぐる住民運動の活発な動きがあったことに注目しています。
*P.192~205 「三多摩テーゼ」につながる国分寺市公民館の実践。
*P.211~212 「三多摩テーゼ」による「私の大学」の理念と「共同学習」への影響。
・『世界の社会教育施設と公民館』 小林文人/編著 エイデル研究所 2001.9 ISBN4-87168-326-5
*P.283 「三多摩テーゼ」の下敷きが東京三多摩地方で誕生した「公民館三階建論」であり、その母胎が三多摩社会教育懇談会であったことが記されています。
・『新時代の社会教育と生涯学習』 国生寿/編著 学文社 2010.3 ISBN978-4-7620-2037-7
*1960年代以後の社会変化に即応して社会教育関係法の改正が急務であったにも関わらず70年代になっても停滞していたことと、「それに代わるかのように」各界から様々な社会教育論が提起された。そしてこれに触発されるように出現したのが「公民館三階建論」や「枚方テーゼ」であった、という記述が見えます。P.15 P.85では「三多摩テーゼ」などが社会教育実践の成果として「共通化・蓄積され」大切にされてきたことが説明されています。
・『公民館取扱説明書』 渡辺義彦/著 蕗薹書房 1998.8 ISBN4-7952-6096-6
*P.180 「三多摩テーゼ」が生まれた歴史的背景について説明しています。「公民館の実践のなかから生まれた」発想で、新鮮で具体的であり、非常に反響を呼んだことが記されています。
・『公民館60年人と地域を結ぶ「社会教育」』 「月刊社会教育」編集委員会/編 国土社 2005.8 ISBN4-337-50618-7
*P.222 「三多摩テーゼ」作成事業の経過が説明されています。ここでは「三多摩テーゼ」が東京都教育庁社会教育部の発行であることに意義を見出しています。
・『生涯学習と社会参加』 佐藤一子/著 東京大学出版会 1998.10 ISBN4-13-053056-9
*P.167 「三多摩テーゼ」の誕生が自治体の社会教育施設整備に大きな影響を与え、結果的に施設整備運動が活発化した、と記載があります。
・『公民館職員の仕事』 片野親義/著 ひとなる書房 2015.1 ISBN978-4-89464-216-4
*P.65~ 「三多摩テーゼ」が注目を浴びた理由について詳述しています。
・『戦後三多摩における社会教育のあゆみ:三多摩の社会教育資料の分析研究 7』 東京都立多摩社会教育会館 1994
*「三多摩テーゼ20年 その後の展開と資料解題」という章のP.118~ 「三多摩テーゼをめぐる論議」という項目があります。
③練馬区の公民館行政への反映を記録した資料について
・『東京の公民館30年誌』 東京の公民館30年誌編さん委員会 東京都公民館連絡協議会 1982
*P.137~ 「東京都公民館連絡協議会の結成と公民館活動の展開」 の項に練馬区報第1号(当時広報)の一部が資料として掲載されています。
「公民館完成迫る--練馬区広報(第1号)昭和28年5月11日--」として練馬区の公民館建設に関しての記事が見られます。
*P.175 「区部の公民館活動」。23区中公民館が存在するのは練馬区と杉並区だけだということについて、その理由などを資料から読み解いています。練馬区では昭和26年頃から公民館建設の積極的な研究が始められた旨記載があります。具体的事業についても第1期から第4期(現在)(←当時)に分けて説明があり、昭和28年12月3日付の練馬区公民館設置条例が掲載されています。
下記URLで練馬区広報(第1号)のPDFデータが見られます。区報第1号の情報が全て公民館の記事です。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/kuho/backnumber/20171124085804057.files/530511.pdf
・『練馬区勢概要』 昭和33年版 練馬区総務部総務課 練馬区総務部総務課 1958
・『練馬区十年の歩み』 総務課文書係 練馬区総務部総務課 1957
*P.24 「公民館」の項の説明に「区の社会教育事業のセンターである」と記載されています。
・『30年のあゆみ』 練馬公民館 1983
*昭和27年から昭和58年までの公民館事業のあゆみと参加者の声、参加者数の推移などがわかります。写真が多数掲載されています。
・『ののむらけいこの社会教育私史練馬の37年』 ののむらけいこ/[著] 野々村恵子 1999.3
*P.36~ 「三多摩テーゼ」について「三多摩地域の公民館実践と住民の公民館建設運動が実った」ものとして評価し、この指針が出される以前の会議での施設計画などについて記載があります。
・『練馬区基本構想(素案)』 練馬区 1973
*昭和45年の国勢調査で人口53万人を数えた頃です。練馬コミュニティ構想として地域割構想を掲げています。
・『練馬区中期総合計画(案)』 昭和50~52年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1975
・『練馬区中期総合計画』 昭和53~55年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1978
・『練馬区中期総合計画』 昭和54~56年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1979
・『練馬区中期総合計画』 昭和55~57年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1980
*ここに挙げた『練馬区中期総合計画』で区の社会教育行政の計画方針がわかります。
・『練馬区教育史 第1巻』 練馬区教育史編纂委員会 練馬区教育委員会 1975
*P.1262~1265 練馬区独立後から昭和39年度までの公民館活動についての記載があります。昭和26年に公民館建設の議が起こったものの、財政難で実現困難と言われていたが、「思いがけなく都から公営競馬の収益金が配当されたので」これが主要財源となり、区民待望の公民館構想が突如現実化した旨説明があります。
また社会教育という概念が未開拓だった当時にあって、公民館という施設が区民の憩いの場になるとともに、全国からの「視察団」が頻々と来所し「職員はその応接に追われ」るほどの評判だった、とあります。
・『練馬区小史』 練馬区 1987
*P.296~297 昭和23年から昭和31年ごろの練馬区の公民館事業についての記載があります。
○その他、参考資料について
・『公民館で学ぶ 3』 長澤成次/編著 国土社 2008.3 ISBN978-4-337-50621-3
*公民館をめぐる現状と課題について理論と実践の両面から述べられています。
・『公民館を創る』 上田幸夫/著 国土社 2017.3 ISBN978-4-337-50629-9
*公民館の成立過程から現在の実態と今後の課題までを網羅しています。
P.13に「新しい公民館像をめざして」に関する記述もあります。
・『社会教育主事がみた社会教育・生涯学習』 荒井隆/著 エイデル研究所 2013.4 ISBN 978-4-87168-520-7
*副タイトルは「東京23区からの発信」です。
P.50 「地方ごとの社会教育行政の多様性」に、東京23区について公民館が存在しない「全国的にみて特異な地域である」として、“発行者不明”のさる論考を例に、この論考の「正当性を裏付ける経験」をしたことについて述べています。
この中で、社会教育行政を区長部局に移管した区として練馬区の「生涯学習センター」が挙げられています。
・『社会教育・生涯学習辞典』 社会教育・生涯学習辞典編集委員会/編 朝倉書店 2012.11 ISBN978-4-254-51033-1
*「三多摩テーゼ」について、概観、背景、内容、課題という点から記述しています。
○生涯学習センターへの問い合わせについて
図書館関係資料以外の行政資料などで、参考になるものについて問い合わせましたが、「見当らない」との回答でした。
○参考論文
「社会教育実践の展開と専門性の形成」平川景子 明治大学社会教育主事課程年報
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/13275/1/shakaikyouikushujika_17_1.pdf
○参考URL
(1) 練馬区ホームページ 練馬区広報(区報)第1号 http://www.city.nerima.tokyo.jp/ トップページ の中の 区政情報 の中の 広報 の中の ねりま区報 の中の ねりま区報バックナンバー の中の 過去のねりま区報(一部抜粋)
(2) 文部科学省 教育 社会教育 http://www.mext.go.jp/a_menu/01_l.htm
(3) 国立教育政策研究所 社会教育実践研究センター http://www.nier.go.jp/jissen/
(4) 日本社会教育学会 http://www.jssace.jp/
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『大都市・東京の社会教育』 東京社会教育史編集委員会/編 エイデル研究所 2016.9 , ISBN 978-4-87168-589-4
- 『世界の社会教育施設と公民館』 小林文人/編著 エイデル研究所 2001.9 , ISBN 4-87168-326-5
- 『新時代の社会教育と生涯学習』 国生寿/編著 学文社 2010.3 , ISBN 978-4-7620-2037-7
- 『公民館取扱説明書』 渡辺義彦/著 蕗薹書房 1998.8 , ISBN 4-7952-6096-6
- 『公民館60年人と地域を結ぶ「社会教育」』 「月刊社会教育」編集委員会/編 国土社 2005.8 , ISBN 4-337-50618-7
- 『生涯学習と社会参加』 佐藤一子/著 東京大学出版会 1998.10 , ISBN 4-13-053056-9
- 『公民館職員の仕事』 片野親義/著 ひとなる書房 2015.1 , ISBN 978-4-89464-216-4
- 『戦後三多摩における社会教育のあゆみ:三多摩の社会教育資料の分析研究 7』 東京都立多摩社会教育会館 1994
- 『東京の公民館30年誌』 東京の公民館30年誌編さん委員会 東京都公民館連絡協議会 1982
- 『練馬区勢概要』 昭和33年版 練馬区総務部総務課 練馬区総務部総務課 1958
- 『練馬区十年の歩み』 総務課文書係 練馬区総務部総務課 1957
- 『30年のあゆみ』 練馬公民館 1983
- 『ののむらけいこの社会教育私史練馬の37年』 ののむらけいこ/[著] 野々村恵子 1999.3
- 『練馬区基本構想(素案)』 練馬区 1973
- 『練馬区中期総合計画(案)』 昭和50~52年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1975
- 『練馬区中期総合計画』 昭和53~55年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1978
- 『練馬区中期総合計画』 昭和54~56年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1979
- 『練馬区中期総合計画』 昭和55~57年度 練馬区企画部企画課 練馬区企画部企画課 1980
- 『練馬区教育史 第1巻』 練馬区教育史編纂委員会 練馬区教育委員会 1975
- 『練馬区小史』 練馬区 1987
- 『公民館で学ぶ 3』 長澤成次/編著 国土社 2008.3 , ISBN 978-4-337-50621-3
- 『公民館を創る』 上田幸夫/著 国土社 2017.3 , ISBN 978-4-337-50629-9
- 『社会教育主事がみた社会教育・生涯学習』 荒井隆/著 エイデル研究所 2013.4 , ISBN 978-4-87168-520-7
- 『社会教育・生涯学習辞典』 社会教育・生涯学習辞典編集委員会/編 朝倉書店 2012.11 , ISBN 978-4-254-51033-1
- キーワード
- 照会先
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- 練馬区生涯学習センター 資料無しとの回答
- 寄与者
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- 練馬区役所 こども家庭部 青少年課 育成支援係長
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000280590