レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月16日
- 登録日時
- 2021/01/06 09:49
- 更新日時
- 2021/01/21 09:19
- 管理番号
- 横浜市中央2613
- 質問
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解決
エゴマなどシソ科植物に含まれるオメガ3脂肪酸が、魚類にも含まれる理由を知りたい。
- 回答
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1 オメガ3脂肪酸について
下記の文献に記載があります。
(1)『日経ヘルスサプリメント事典 最新のサプリ、ハーブ、漢方、食品成分、
トクホがわかる』日経ヘルス/編 日経BP社 2011.3
p.45 n-3系脂肪酸
「オメガ3脂肪酸とも呼ばれる。多価不飽和脂肪酸で、(中略)
魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、
亜麻仁(あまに)油やえごま油(シソ油)などに多く含まれるα-リノレン酸が
n-3系脂肪酸に分類される。」
(2)『サプリメント健康事典 体の悩みを解決!ずっと元気に!』
日本サプリメント協会/著 集英社 2015.12
p.116 n-3(ω3)系不飽和脂肪酸
「n-3系不飽和脂肪酸は、細胞膜構成成分の一つで、オメガ3系ともいわれます。
(中略)亜麻種子やえごまなどに含まれるα-リノレン酸、魚油に含まれるDHA
(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの総称です。」
2 オメガ3脂肪酸が、魚類に含まれる理由について
下記の文献に、記載があります。
(1)『脂肪酸と健康・生活・環境 ポピュラー・サイエンス』
彼谷邦光/著 裳華房 1997.06
p.24-26、95
植物プランクトンのうち、藍藻類、緑藻類はα-リノレン酸までしかつくれないとあ
ります。紅藻類はEPA含有量が高く、珪藻類、微細藻類は高濃度のDHAやEPAが
含まれているとあります。
植物プランクトンを餌とする動物プランクトンの体内で、α-リノレン酸の炭素数の
鎖長延長と不飽和化が行われ、DHAやEPAに合成されます。そして、それらを食
べる魚へと移行、濃縮されるとあります。
(2)『健康寿命を延ばそう!機能性脂肪酸入門 アルツハイマー症、
がん、糖尿病、記憶力回復への効果』 彼谷邦光/著 裳華房 2017.2
p.32-33
青魚に含まれるDHAは、もとをたどると植物プランクトンが合成している
EPAやDHAであり、食物連鎖によって移行するとあります。
(3)『食品中のn-3系・n-6系脂肪酸 新しいNMR分析技術を応用して』
日本水産油脂協会/編 日本学会事務センター 2003.6
p.6
α-リノレン酸が不飽和化、炭素鎖延長によってEPA、DHAに代謝される際の図が
あります。
(4) 『AA,EPA,DHA-高度不飽和脂肪酸』 鹿山光/編 恒星社厚生閣 1995.09
p.12-28
藻類に含まれる脂肪酸の成分表があり、一般に不飽和脂肪酸が多い、とあります。
p.61-62
α-リノレン酸を魚に投与し、EPAやDHAに変換される流れを調査した実験の記載
があります。
以下の図書にも、上に挙げた内容の記載がありました。
(5)『微生物の事典』 渡邉信/編 朝倉書店 2008.9
p.158-159
(6)『油脂の科学 食物と健康の科学シリーズ』 戸谷洋一郎/編 朝倉書店 2015.10
p.42-48
(7)『水圏微生物学の基礎』 浜崎恒二/編 恒星社厚生閣 2015.9
p.132
(8)『養殖の餌と水 陰の主役たち』 杉田治男/編 恒星社厚生閣 2008.3
p.40-99
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 微生物学 (465 8版)
- 基礎医学 (491 8版)
- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000291991