レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年4月6日
- 登録日時
- 2021/05/09 11:30
- 更新日時
- 2021/06/05 11:12
- 管理番号
- 2021-5.2
- 質問
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解決
フランスの作家コルネイユの本で、悲喜劇『ル・シッド』に「九天の高きから九地の低きに落ちるとはこのことか」という文章がある。九天・九地の読み方や出典を知りたい。漢詩のような気がしている。(本は手元にないが、岩瀬 孝/訳 白水社の出版、第一幕 第四場、とのこと)
- 回答
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当館所蔵の『コルネイユ名作集』
ピエール・コルネイユ/[著] 岩瀬 孝/[ほか]訳 白水社 1975年
P77に該当の文章、「九天の高きから九地の低きに落ちるとはこのことか!」の記載を確認。
回答)読み方については①②③④の資料を、出典については③④の資料を紹介した。
①『日本国語大辞典 第4巻 第2版』
小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.4 813.1 ISBN:4-09-521004-4
p358 九地-きゅうち「きわめて低いところ。また、いくさをするとき、敵に発見されにくい地。地の底。孫子-軍形。
p362 九天-きゅうてん「高い天。天上。大空。
⇒「孫子 軍形」というヒントを得る。
②『大漢和辞典 巻1 』
諸橋 轍次/著 大修館書店 1984.4 813.2 ISBN:4-469-03071-6
p376 九地「敵に発見せられ難い奥深い地。極めて低いところ。九天(472)の対。【孫子、軍形】
読み方は「九天(キウテン)、九地(キウチ)」
⇒①と同様に、「孫子 軍形」が出典のようだ。
●当館所蔵の「孫子」の本(孫子の兵法書)で、軍形にあたる「形篇」のなかに「九天・九地」を含むものを調査し発見した。これが出典と思われる。
以下③④の資料を紹介した。
③『新釈漢文大系 36 孫子 呉子』
明治書院 東京 1972.11 928 ISBN:4-625-57036-0
p92形篇 に該当あり。通釈、語釈あり。読み方は、九天(きうてん)、九地(きうち)。
④『全釈漢文大系 22 孫子・呉子』
全釈漢文大系刊行会/編集 集英社 東京 1980 082
p77形篇第 2 に、該当あり。通釈あり。読み方は、九天(きうてん)、九地(きうち)。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第4巻 第2版. 小学館, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002992528-00 , ISBN 4095210044 -
諸橋轍次 著 , 諸橋, 轍次, 1883-1982 , 鎌田, 正, 1911-2008 , 米山, 寅太郎, 1914-2007. 大漢和辞典 巻1 修訂版 鎌田正,米山寅太郎修訂. 大修館書店, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001708064-00 , ISBN 4469030716 -
天野, 鎮雄(1915-) , 天野, 鎮雄(1915-). 孫子. 明治書院, 1972. (新釈漢文大系)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I089803097-00 , ISBN 4625570360 -
全釈漢文大系刊行会/編集 , 山井‖湧. 全釈漢文大系 22. 集英社, 1980.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011452766-00
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第4巻 第2版. 小学館, 2001.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000298091