レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/05/25
- 登録日時
- 2009/04/01 02:11
- 更新日時
- 2017/08/24 16:41
- 管理番号
- 千県中児童-2008-0001
- 質問
-
解決
『ベロ出しチョンマ』(斎藤隆介作の短編)の最後に「千葉の花和村の木本神社の縁日では、今でも『ベロ出しチョンマ』を売っている」とあるが、「木本神社」は実在するのか。また、「ベロ出しチョンマ」の人形は入手できるか。
- 回答
-
以下の資料より「千葉の花和村の木本神社」、「ベロ出しチョンマ」の人形は、ともに作者である斉藤隆介氏の創作で、実在はしないといえる。
『千葉の童話』(日本児童文学者協会『県別ふるさと童話館』編集委員会編集 リブリオ出版 1997 愛蔵版県別ふるさと童話館)p 188に、
「花和村は実在する村ではなく、作者が想像で作り出した村」とあり。
安藤操「文学教材としての隆介作品」(『日本児童文学』32巻2号 1986年2月号)p 73に、昭和43年当時、著者の斉藤隆介氏のすまいが「千葉市の郊外の畑地の隅の粗末な借家であり、大宮町字ハナワ(鼻輪?)であった。」(中略)
「『ベロ出しチョンマ』の冒頭の『千葉の花和村に~』という架空の地名は、この字名から来ているのであり、
ベロ出しチョンマなどという人形玩具は、どこにもないのである」とあり。
斉藤隆介「大っきくなって、大っきくなって」(『日本児童文学』21巻2号 1975年1月号 シリーズ:児童文学読本)p 130に
「題にした『ベロ出しチョンマ』の主人公、長松の住んでいた花和村という村は、いくら千葉県の地図を見てもありません。まつった木本神社というものもありません。そういう名の人形も売っていません」「あれはぼくが作った話だからです」とあり。
- 回答プロセス
-
「ベロ出しチョンマ」がのっている斎藤隆介の著作をあたったところ『千葉の童話』に情報あり。
NDL-OPACの雑誌記事検索で論題名に「斉藤隆介」を入れて検索したところ、『日本児童文学』1986年2月号がヒット。
googleで「斉藤隆介」「ベロ出しチョンマ」「花和村」「人形」の4語をかけあわせて検索したところ
「音読授業を創る そのA面とB面と 06・1・25記 『作家へ質問、感想文を送る』について(2)」(http://www.ondoku.sakura.ne.jp/esseitegami2.html)がヒット。
日本児童文学別冊『児童文学読本』(すばる書房盛光堂 1975年1月号)に、引用した記事が掲載されているとあり、現物を確認した。
- 事前調査事項
-
『ベロ出しチョンマ』斎藤隆介/作 理論社 2000
- NDC
-
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
-
- 『千葉の童話』<J913/チハ> (0600165704)
- 『日本児童文学』1986年2月号 (0501556235)
- 『児童文学読本』<909/J48> (9100438958)
- *<>内は当館の請求記号
- キーワード
-
- 斉藤隆介
- ベロ出しチョンマ
- 花和村
- 人形
- 木本神社
- 花和村
- 斉藤隆介
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 2007.5.25回答
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000053296