レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年6月3日
- 登録日時
- 2020/06/16 17:13
- 更新日時
- 2020/08/29 09:37
- 管理番号
- 2020-12
- 質問
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未解決
産経新聞「2020年3月12日本郷和人の日本史ナナメ読み」に「松根東洋城の城の意味は」で「松根図書の嫡子・権六に自身の『城』と名乗らせ、三女の敏子を嫁がせた」とあるが、宗城公が名をいつ授けたか、事実かを史料で確認できるか。
- 回答
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松根権六については、『愛媛県史 人物』やその他人名事典等には、「松根図書」の項に嫡子とあるか、「松根東洋城」の項に父とあるぐらいで、詳しい解説のある資料は見当たらない。また、伊達宗城が権六に「城」の字を名乗らせたことが載っている資料も、見当たらない。【資料1】と【資料2】に権六のことが少し出ている。
【資料1】p9
〇敏 宗城の三女、母は武田氏。安政三年三月十九日、宇和島に生れ、慶応二年九月十二日、家臣松根内蔵城臣に嫁す。
【資料2】p14-15 権六と敏のことが書かれている箇所を抜粋。
一 松根家由緒書 (6)万延元庚申年 ま 万延元申年。十一月三日、一妻出産、女子出生之事。文久元酉年。正月廿二日、一倅豊次郎、前髪執候様被仰出候事。二月七日、一右同人、名内蔵と相改候様被仰出事。六月廿七日、一右同人、御小性被召出、御小性間上座被仰付、御扶持方三人分被下事。文久二戌年。文久三亥年。四月十七日、一倅内蔵、御近習役被仰付事。五月廿二日、一急務専可被取計、学校頭取御免之事。元治元子年。正月十七日、一当御時體ニ付、地方勤中三ヶ年御増高成上願承届事。六月十二日、一被申出趣も有之ニ付、御籏本頭被成御免事。十月七日、一前以成上被願出、承届候処、以思召□□□被差返候旨被仰出候事。慶応二寅とし。九月十二日、一於敏殿(1)御事、倅内蔵妻ニ被差遣旨被仰出事。同日、一右ニ付御化粧料年ニ五拾俵ヅツ被下候。尤当年丈百俵被下之旨之達事。十月廿日、一、右ニ付来月朔日御引越被仰出事。十月廿一日、一席支ニ付、対客断在之、御役役承知申聞事。十一月七日、一倅内蔵(2)、小銃隊司令被仰付事。(後略)
(1)宗城の三女
(2)のち権六、実名城臣
- 回答プロセス
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愛媛県に関する人物事典をまず確認し、宇和島藩伊達家に関する資料や松根家に関する資料を調査した。
- 事前調査事項
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「家中由緒書下」の冒頭9ページには伊達系譜に依るとして城臣の名が記されているのみ。その378ページ「松根図書」では豊治郎を内蔵とさせ、慶応二寅とし9月12日の婚姻時も内蔵。宗城公からいただいた名ならば記すべきものではないか。また、明治21年7月11日の官報1509号では「権六」で、少なくとも嫁がせた時期の名は、内蔵ではないか。
情報源・出典:産経新聞2020年3月12日(東京本社版)
- NDC
- 参考資料
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- 【資料1】『宇和島藩庁・伊達家史料 六 家中由緒書 下』 近代史文庫宇和島研究会/編・発行 1980年 <当館請求記号:K252-16-3>
- 【資料2】『宇和島・吉田旧記 第七輯 松根図書関係文書』 宇和島・吉田旧記刊行会/編 佐川印刷 1999年 <当館請求記号:K250-ウワ7-1999>
- キーワード
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- 松根東洋城
- 伊達 宗城
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000283200