当館所蔵の次の資料に石兵団(第62師団)に関連する情報が記載されています。しかし津市にあったという情報や所属者の主な出身地域については記述が見つかりませんでした。
『三重県史』等の地域資料には石兵団に関する記述はありませんでした。
①『ある日本兵の二つの戦場 近藤一の終わらない戦争』内海 愛子[ほか]/編 社会評論社
三重県出身で石兵団に所属し、沖縄戦の玉砕から生き残った近藤氏からの聞き取りをまとめたものと、それに基づいた論考。全体的に内容は主に中国・沖縄の戦場での日本軍による残虐行為についてだが、第62師団の動向についても詳しく述べられている。
p197-198第62師団の成り立ちに関する記述。
p246三重県出身の作家・田村泰次郎が近藤氏と同年に同じ大隊で召集され、その経験をもとに小説を執筆した。『裸女のいる隊列』、『春婦伝』、『蝗』など。
②『日本軍兵士・近藤一忘れえぬ戦争を生きる』青木 茂/著 風媒社
資料①と同じ近藤氏の体験、戦後の活動などをまとめたもの。軍歴について順を追って詳しく記述されている。
p41-47独立混成第四旅団に配属される約1800名が京都に集められ入隊、その後大阪に移動。船で中国へ。
③『最前線兵士が見た中国戦線・沖縄戦の実相』近藤 一/著,宮城 道良/著 学習の友社
資料①②と同じ近藤氏による高校での講演内容をまとめたもの。
p98-99巻末に近藤氏の軍歴と駐屯場所がまとめて記載されている。入隊場所は京都市。中国で部隊編成替えがあり第62師団となった。
p103筆者宮城氏のメールアドレスあり。
④『沖縄県史 資料編23沖縄戦6(沖縄戦日本軍史料)』沖縄県教育庁文化財課史料編集班/編集 沖縄県教育委員会
第4章戦闘部隊 第1節 第六十二師団(石部隊)
p157-p172「司令部 石兵団会報 昭和19年度」活字に翻刻したもの。
p172-176「司令部 部内日日命令 昭和20年度」同上
⑤『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成3 (防衛庁関係公表資料 下)編集復刻』女性のためのアジア平和国民基金/編 竜渓書舎
p341-377「石兵団会報」第54・56・57・58・62・64・74・79・84・90・101号(影印)
所々に「中略」「以下略」とあり、会報の一部分だけを抜粋して収録したもの。
p461-463「第六二師団副官部陣中日誌」(影印)
⑥『沖縄方面陸軍作戦(戦史叢書 11)』防衛庁防衛研修所戦史室/著 朝雲新聞社
第十三章 首里戦線の破綻と南部への撤退 p544-「三 第六十二師団の反撃作戦と軍主力の撤退」など、この他目次の見出しに入っていない部分にも第62師団について記載されている箇所が複数ある。
当館資料以外に、インターネット上の情報も複数見つかりましたので、併せて紹介いたします。
・国立公文書館アジア歴史資料センターの「アジ歴グロッサリー」HPの検索結果に第62師団についての情報。
http://www.jacar.go.jp/glossary/term/0100-0040-0050-0010-0010-0030.htmlここから「このキーワードで検索」を選ぶと国立公文書館アジア歴史資料センター所蔵の第62師団関係資料203件ヒット(閲覧にはDjVuプラグインダウンロードが必要なようです)。
・那覇市歴史博物館HPより「デジタルミュージアム」に「第六十二師団会報綴 昭和19年度石兵団会報綴」あり。マイクロ複製本・複本(複写)ありとのこと。
・内閣府沖縄振興局の沖縄戦関係資料閲覧室HPで所蔵資料検索「第62師団」で検索結果104件ヒット。
また同HPの「沖縄戦の概要」内に第62師団の編成一覧あり
http://www.okinawa-sen.go.jp/units_list.html#riku03