レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年6月5日
- 登録日時
- 2018/06/10 16:22
- 更新日時
- 2018/07/19 16:34
- 管理番号
- 県立長野-18-028
- 質問
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解決
森鴎外の『於母影』に収められている「思郷」の原詩を見たい。Karl Woermannという詩人で、タイトルが"Heimweh"というところまではわかっている。
- 回答
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『日本文学教養講座13 翻訳文学』p.62に原詩と訳詩(漢詩)を掲載している。
また、この原詩が所収されている Maximilian Bern "Deutsche Lyrik : seit Goethe's Tode" P. Reclam, [1886] Neue Ausg., 15., verbesserte Aufl. を所蔵している東京大学総合図書館のコレクション鴎外文庫にあった。このコレクションは「書入本画像データベース」として一部をデジタルアーカイブで公開しているので、これを案内した。「Heimweh」はp.622で85コマ目。
- 回答プロセス
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1. 森鴎外の『於母影』について解説されている資料をあたる。『日本近代文学大事典 第6巻』日本近代文学館編 1978【910.26/ニホ/6】では、翻訳意図などの記載はあるが、原詩についての情報はない。
2. 『明治文学全集60 明治詩人集』筑摩書房 1972【918.6/メイ/60】p.381に、
尚、『於母影』に収められてゐる作品と作者とに関しては、中島健藏・矢野峰人監修矢島書房刊行の『近代詩の成立と展開』(昭和三十一年)所収、富士川英郎筆「原詩と原詩人について」及び「『わが星』について」に詳述されているので、それを紹介しておく。
とある。自館OPACで『近代詩の成立と展開』の所蔵を確認するが未所蔵。
3. 『近代詩の成立と展開』NDLサーチを検索するが矢島書房のものはヒットしない。収録論文である「原詩と原詩人について」【最終確認2018.6.1】で検索しなおす。『近代詩の成立と展開 : 海外詩の影響を中心に』日本比較文学会 有精堂出版1969 がヒット。矢島書房版の増補新版とわかる。
4. 『近代詩の成立と展開 : 海外詩の影響を中心に』のp.61-66に「原詩と原詩人について」があり、p.60-61にかけて
ゲーテ、レーナウ、シェッフェルの詩はそれぞれの家集により、ヴェルマン、ハイネ、ゲーロック、ケルナー、フェラントなどの作品はマクシミリアン・ベルン(Maximilian Bern)の編集した詞華集『ゲーテ死後のドイツ抒情詩』(Deutsche Lyrik seit Goethe's Tode. Ausgewählt von M. B. Drette Auflage, Leipzig)によったという(島田謹二著「翻訳文学」六一頁参照)。
とあった。『ゲーテ死後のドイツ抒情詩』(Deutsche Lyrik seit Goethe's Tode. Ausgewählt von M. B. Drette Auflage, Leipzig)と引用元である 島田謹二著『翻訳文学』を自館OPACで検索する。『翻訳文学』は、『日本文学教養講座13 翻訳文学』 至文堂 1951 【910.8/10/13】にあたり、p.62に原詩と訳詩(漢詩)が掲載されていた。原詩の全文か確証が得られないため、原書の所蔵先を探す。
4. CiNiiで検索すると、東京大学の所蔵があり、コレクションに「鴎外文庫」があった。検索すると、デジタルアーカイブで公開していることわかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 日本文学 (910 8版)
- 参考資料
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島田謹二/著 , 島田謹二. 翻訳文学. 至文堂, 1941. (日本文学教養講座 ; 13)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I020010273-00 (【910.8/10/13】 p.62)
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島田謹二/著 , 島田謹二. 翻訳文学. 至文堂, 1941. (日本文学教養講座 ; 13)
- キーワード
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- 翻訳詩
- 明治時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 所蔵機関調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000237079