『栃木県神社誌』(栃木県神社庁/編 栃木県神社庁 2006)によると、「境の明神」と呼ばれる神社には、那須町大字寄居にある「玉津島神社」と、那須町大字簑沢にある「住吉玉津島神社」の2か所があります。
このうち「玉津島神社」について明治39年に民家の火事で類焼したとの記述がありました。神社の概要や火災について記述のある資料は次のとおりです。
1 「玉津島神社」の概要、伝承等について
明治期以前の資料を中心に確認しました。
・『栃木縣史 第3巻(神社編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)※下野史談会刊の複製資料
p.491-492「玉津嶋神社」
・『増補那須郷土誌 再編復刻版』(渡辺金助/著 ヨークベニマル 1994)p.127-128「境の明神」
・『那須郡誌』(栃木県那須郡教育委員会/編 名著出版 1974)p.224-225「二六、界の明神」
・『下野国誌 校訂増補』(河野守弘/著,佐藤行哉/校訂 下野新聞社 1989)p.186「境明神」
2 「玉津島神社」の火災について
近年の郷土史研究で詳細が確認できました。
・『那須町誌 前編』(那須町誌編さん委員会/編 那須町 1976)
p.436-437「第一五節 玉津島神社(寄居字唐門 旧村社)」
※現在の社殿建立時の記念碑文の抜粋が掲載されています。
・伊藤晴康/著「玉津島考」 『那須文化研究 第19号』(那須文化研究会 2005)p.103-114所収
p.103-105「一 境の明神」の項に「明治三九年(一九〇六)一二月二一日の火災によって、社殿とその周辺の民家は焼失」とあり。
以下にも同様の記述がありました。
・『那須町の文化財』(渡辺 龍端/著 那須町教育委員会 1974)
p.22「明神玉津島神社」
・『那須町史資料集第4号 奥州道中 芦野宿~境明神』(那須歴史探訪館/編 那須町教育委員会 2006)
p39-40「玉津島神社を祀る 明神」
3 その他
以下の資料はお調べしましたが、記述を確認できませんでした。
火災の日付が特定できたため、索引類も使用しなから新聞記事も調査しました。
・『明治ニュース事典 総索引(明治ニュース事典編纂委員会/編 毎日コミュニケーションズ出版部 1986)
・『新聞集成 明治編年史 第13巻』(明治編年史編纂会/編 財政経済学会 1935)
・『「下野」世相100年史』(「下野」世相100年刊行委員会/編 下野新聞社 1984)
・『那須野の歴史』(川島武夫/著、発行 1988)
・『那須の文化誌 自然・歴史・民俗を読む』(那須文化研究会/編 随想舎 2006)