レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 平成28年11月9日
- 登録日時
- 2017/03/29 00:30
- 更新日時
- 2018/11/21 12:45
- 管理番号
- 県立長野-16-204
- 質問
-
未解決
中国晋代の貨幣価値について
- 回答
-
不明。
他館所蔵で内容は確認できていないが、参考資料として
・『貨幣の中国古代史』山田勝芳著 朝日新聞社 2000
・『中国古代の貨幣 お金をめぐる人びとと暮らし』柿沼陽平著 吉川弘文館 2015
・『岩波講座世界史 3 中華の形成と東方世界』 岩波書店 1998
を紹介する。
- 回答プロセス
-
1. 中国の小説『捜神記』からの問い合わせのため、所蔵の『捜神記』の注釈を見ていく。1500銭に対する貨幣価値の注記はない。
2. 『捜神記』の著者である干寶が東晋の人であるため、この時代の貨幣経済を調査する。『支那貨幣研究』P.22に西晋は魏の五銖銭を用い、東晋は独自の鋳造した小銭(所謂沈郎銭)などを使ったことがわかる。『コインの歴史』や『中国の文明3』などにも乱世が続いた三国・六朝時代は安定した貨幣が無い時代だった旨の記述がある。しかし、これらの資料には、個々の貨幣の流通価値について触れられてはいない。
3. 貨幣価値を推定できる記述を確認できた資料は『図説お金の歴史全書』p.213に紹介されている馬の価格のみだが、東晋の状況については触れられていない。
<馬 一匹>
漢王朝(紀元前206-紀元220年) :4500文
635年(唐朝) :2万5000文
北宋時代 :2万文
元朝(1206-1367年) :9万文
明朝初期1362年 :1万文
<物々交換>
西漢時代(紀元前206-紀元24年):牛 3頭
653年(唐朝) :牛 2頭
1362年(明朝) :牛 1頭 [誤り、正しくは元朝末期=訳者]
4. CiNiiやNDLサーチで該当しそうな資料を探す。
<調査済み資料>
・『支那貨幣研究』吉田虎雄 東亜経済研究会 1933【337/52】
・『図説 お金の歴史全書』 ジョナサン・ウィリアムズ編 湯浅赳男訳 東洋書林 1998【337.2/ウジ】
・『コインの歴史』造幣局泉友会編 創元社 1984【337.21/シャ】
・『中国の文明3 文明の確立と変容 上』袁行霈ほか 潮出版社 2015【222.01/エコ/3】
・『中国文化大事典』尾崎雄二郎ほか編 大修館書店 2013【222/オユ】
・『中国学芸大事典』近藤春雄著 大修館書店 1988【222/コハ】
・『干宝 捜神記』先坊幸子ほか編 白帝社 2004【923.4/カン】
・『捜神記』干宝 竹田晃 平凡社 1964 (東洋文庫10)【923/2】
・『中国古典小説選 2』竹田晃 明治書院 2006 【923/タア/2】 ほか
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
-
- 貨幣価値--中国(晋)
- 物々交換
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000213373