レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年6月24日
- 登録日時
- 2022/01/24 13:03
- 更新日時
- 2022/03/07 16:33
- 管理番号
- K21-002
- 質問
-
解決
以下の資料の、原文もしくは英訳版を閲覧したい。
(1)イランの昔話の「金の燭台」、(2)『千夜一夜物語』の「足飾り」
- 回答
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Internet Archiveで公開されている、「金の燭台」および「足飾り」の英訳版の資料を案内した。
(1)「金の燭台」
『Persian tales』(1919, Lorimer David Lockhart Robertson, Lorimer Emily Overend)
https://archive.org/details/persiantales00loriiala/page/96/mode/2up(最終アクセス日:2022年1月24日)
→「16.THE GOLDEN LAMP-STAND」(p.96)
(2)「足飾り」
『The Book Of The Thousand Nights And One Night』(Voll.vii)(1929, E.powys Mathers, version of J.C. Mardrus)
https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.182916/page/n283/mode/2up(最終アクセス日:2022年1月24日)
→「THE ANKLET」(p.279)
- 回答プロセス
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※中東地域の昔話の原文について
『金の燭台 : イランの昔話』の解説に、「イランやアフガニスタンには口づたえの昔話が多く、それらを本に書き留めておくために、複数のヨーロッパ人によって昔話の選集・翻訳が行われた」という旨の記述がある。
また、「足飾り」が掲載されている『千夜一夜物語』は、非常に古い資料であり、複数の写本や翻訳本が存在している。
上記の理由により、原文の調査には時間を要すること、原文の所在が見付からない可能性があることを依頼者に伝えたところ、英訳版の資料を希望された。
そのため、本件は「金の燭台」および「足飾り」の英訳版の資料を調査し、依頼者に提供した。
1.「金の燭台」について
(1)日本語訳された資料から情報を集めるために、NDL ONLINEで「金の燭台」のキーワードを検索。
11件ヒットした資料のうち、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている『金の燭台 : イランの昔話』を確認した。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1340111(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)
『金の燭台 : イランの昔話』の解説に、「イランに在勤したイギリス領事のロリマー夫妻が、ケルマン地方とバクティヤール地方の二つの方言の昔話を集めて、英語に翻訳して1919年に出版した本の中に、「金の燭台」が掲載されている」という旨の記述があった。
(2)ロリマー夫妻によって編纂された本の書誌情報を確認するために、Googleで「"1919" "Lorimer"」のキーワードを検索。
その結果、該当資料のタイトルは『Persian Tales』であることが判明した。
『Persian Tales』(1919, Lorimer David Lockhart Robertson, Lorimer Emily Overend)
(3)Internet Archiveで「"Persian tales"」のキーワードを検索。
Webで公開されている『Persian Tales』の目次を確認した結果、「金の燭台」の英訳版が見付かった。
https://archive.org/details/persiantales00loriiala/page/96/mode/2up
→「16.THE GOLDEN LAMP-STAND」(p.96)
2.「足飾り」について
(1)英訳版の『千夜一夜物語』に、「足飾り」が掲載されているか、Webで公開されている資料から調査を行った。
※「千夜一夜物語」は、複数の英語表記があるため、以下のキーワードを用いて検索した。
The Thousand and One nights/Arabian Nights/Alf Laylah wa Laylah
本学契約データベースやInternet Archiveなどで公開されている、英訳版の資料を何点か確認したが、「足飾り」に相当するタイトルの作品は見付からなかった。
(2)「千夜一夜物語」の概要を把握するために、Wikipediaを確認した。
「千夜一夜物語」の「原典および翻訳」の項目に、「『千夜一夜物語』は複数の写本や翻訳本が存在し、物語数や内容が異なる」という旨の記述があった。
(3)Wikipediaの「千夜一夜物語のあらすじ」のページを確認したところ、「足飾り」のあらすじが含まれていた。
また、「千夜一夜物語のあらすじ」の説明部分に、「夜数と物語名は『完訳千一夜物語』(豊島与志雄ほか訳、岩波文庫、マルドリュス版の翻訳、ISBN 4-00-327801-1 ほか全13巻)に準拠。」とある。
このことから、「足飾り」が掲載されているのは、マルドリュス版の『千夜一夜物語』であることが判明した。
(4)マルドリュス版の『千夜一夜物語』の書誌情報を調べるために、マルドリュスのWikipediaを確認した。
マルドリュス版『千夜一夜物語』の原題(フランス語版のタイトル)は、以下の通りである。
原題:『Les Mille et Une Nuits (Le livre des mille nuits et une nuit)』(Joseph-Charles Mardrus)
また、マルドリュスのWikipediaに、「Today he is best known for his translation of the Thousand and One Nights from Arabic into French, which was in turn rendered into English by Edward Powys Mathers.」という記述がある。
このことから、マルドリュス版の『千夜一夜物語』は、Edward Powys Mathersによって英訳されたことが判明した。
(5)マルドリュス版『千夜一夜物語』の英訳版を探すために、Internet Archiveで「"Edward Powys Mathers"」と検索した。
ヒットした以下の資料に、「足飾り」の英訳版が掲載されていた。
『The Book Of The Thousand Nights And One Night』(Voll.vii)
https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.182916/page/n283/mode/2up
→「THE ANKLET」(p.284)
- 事前調査事項
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・『世界民話全集 6(近東篇)』 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1632925
・『千一夜物語 / 佐藤正彰訳』(9巻) http://runners.ritsumei.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TT40806216
- NDC
- 参考資料
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『金の燭台 : イランの昔話』(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1340111(最終アクセス日:2022年1月24日) -
『Persian Tales』(1919, Lorimer David Lockhart Robertson, Lorimer Emily Overend)
https://archive.org/details/persiantales00loriiala/page/96/mode/2up(最終アクセス日:2022年1月24日) -
『The Book Of The Thousand Nights And One Night』(Voll.vii)(1929, E.powys Mathers, version of J.C. Mardrus)
https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.182916/page/n283/mode/2up(最終アクセス日:2022年1月24日)
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『金の燭台 : イランの昔話』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- キーワード
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- 千夜一夜物語
- 千夜一夜物語--書目
- Mardrus, Joseph Charles, 1868-1949
- 昔話--イラン
- 昔話--アラビア
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学部生 学生
- 登録番号
- 1000311120