レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月24日
- 登録日時
- 2019/08/09 14:49
- 更新日時
- 2022/06/07 12:36
- 管理番号
- 2019-046
- 質問
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解決
立山(富山県)の「雪の大谷ウォーク」が始まったのはいつか。また、開始の詳しい経緯について知りたい。
- 回答
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「雪の大谷ウォーク」が始まったのは、1994(平成6)年4月26日です。
開始の経緯については、下記の新聞記事に記載があります。
・「立山黒部アルペンルート 雪の大谷ウオーク10周年(スクランブル)」(『北日本新聞』平成15年3月24日, 夕刊2面)
・「雪の大谷ウオーク 銀世界に笑顔 25回目 提案の土肥さん感慨深げ」(『北日本新聞』平成30年4月17日, 朝刊28面)
観光客から雪の大谷を間近で見たいという希望があり、当時の立山有料道路管理事務所所長が立山黒部貫光などの関係機関に働きかけたということです。
また下記図書にも「雪の大谷ウォーク」開始の経緯について書かれています。
・『乗ろうよ!ローカル線 : 貴重な資産を未来に伝えるために』(交通新聞社, 2010)
詳しくは回答プロセスをご覧ください。
- 回答プロセス
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1.立山黒部貫光株式会社Webサイトを確認
「会社のあゆみ」
https://tkk.alpen-route.co.jp/company/history [参照 2019-07-24]
「(平成)6年4月26日 第1回 雪の大谷ウォーク開催」とあり。
2.CiNii Booksで「立山黒部貫光」を検索
『立山黒部貫光30年史』(1995)
本学所蔵なしのため、富山県立図書館に内容確認を依頼(→6.(1))。
3.本学契約の各新聞記事検索データベースで「雪の大谷」を検索
当年度の開始や中止についての記事が中心。イベントの開始の経緯についての記事が見つからない。
4.Google Scholarを「雪の大谷 観光」で検索
『乗ろうよ!ローカル線 : 貴重な資産を未来に伝えるために』(交通新聞社, 2010)
立山黒部貫光(株)金山秀治「わが半生の記より」が収録されている。
本学所蔵なし。下記リンクよりGoogle Booksで一部閲覧可。
https://books.google.co.jp/books?id=4qQHDQAAQBAJ&lpg=PA1987&ots=l-zpJC80RJ&dq=%E4%B9%97%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%88%E3%80%80%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%E7%B7%9A&lr=lang_ja%7Clang_en&hl=ja&pg=PA1987#v=onepage&q=%E9%9B%AA%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%B0%B7&f=false
[参照 2019-07-24]
「雪の大谷(副産物が観光の目玉に)」に、早期開業の努力をしたために、除雪作業や「雪の大谷」が注目され、やがて一般開放されたことが書かれている。
「土肥所長(引用注・土肥行雄立山有料道路管理事務所長)は積極的に「雪の大谷」の一般開放を主張しました。社内でも同調する者がいましたが、私は安全性や環境問題などから賛成しかねました。環境庁(現・環境省)は、立山の国立公園指定60周年の記念行事としてはどうかと勧めました。県や警察などの了解を得ることができたので(中略)「雪の大谷ウォーク」のスタートとなりました。」
→引用元と思われる『わが半生の記』第1巻(北日本新聞社, 2006)は本学所蔵なし。
5. 本学契約データベースeol
立山黒部貫光株式会社の有価証券報告書(2004年~)を調査。
各年の「企業情報」>「事業の状況」で「雪の大谷ウォーク」について言及されている。アルペンルートの入込人員数の記載もあり。開始の経緯については言及なし。
6.富山県立図書館に参考調査依頼
詳細な回答を得る。概略は以下の通り。
(1)『立山黒部貫光30年史』の年表には、アルペンルートの開通に伴うイベント、またその記念行事「雪の祭典」が記載されている。「雪の大谷ウォーク」については記述なし。
(2)『わが半生の記』第1巻には、「金山秀治」p.81-113のうち、p.100-101に「副産物「雪壁」が目玉に「早期開業」」の項目があり「雪の大谷ウォーク」について記載されている。
(3)『立山・黒部 未来への道』(北日本新聞社, 2003)
p.144-145に「早やまる開業「現状が限界」と公社」の項目があり「雪の大谷ウォーク」について記載されている。
p.202-203「ピーク時は149万人」の項目があり、観光データが記載されている。
(4)「雪の大谷ウォーク」開始の経緯について、以下2件の新聞記事あり。
※「ウォーク」ではなく「ウオーク」と検索
①「立山黒部アルペンルート 雪の大谷ウオーク10周年(スクランブル)」(『北日本新聞』平成15年3月24日, 夕刊2面)
「ウォークが始まる前は、一車線のみの除雪だっため安全確保を理由に車道への立ち入りは禁止され、雪壁は高原バスの車中から見るだけの存在だった。当時の立山有料道路管理事務所所長の一言がウォーク開始のきっかけとなった。(中略)ウォークが初めて行われた平成六年は四月の三日間だけの実施で、バス運行に支障が出ないよう、時間も二十分程度に制限したため観光客数は少なかった。だが、触ることもできるようになった雪壁の迫力は評判を呼び、四年後には観光客が一万人を突破。人気に応え、ウォーク実施日も増えていった。平成十二年から二車線除雪が施され、一車線はバス用。残り一車線はウォーク用に利用されるようになった。(後略)」と記載されている。
②「雪の大谷ウオーク 銀世界に笑顔 25回目 提案の土肥さん感慨深げ」(『北日本新聞』平成30年4月17日, 朝刊28面)
「雪の大谷ウォーク」の開始のきっかけについて記載されている。
(※本学では契約データベースFactivaで記事テキストの閲覧が可能)
(5)富山県に関する新聞記事は、下記サイトで検索可。「雪の大谷」等で検索すると上記2件以外にも関連記事あり。
富山県立図書館 郷土資料情報総合データベース
http://lib2.lib.pref.toyama.jp/Hometown/ [参照 2019-08-09]
【以下は参考情報】
富山県議会 会議録の検索と閲覧
https://www.pref.toyama.dbsr.jp/index.php/ [参照 2019-08-09]
平成6年の本会議から検索・閲覧可。
「雪の大谷」で検索すると、122件、162発言ヒット。
例えば下記あり。
「平成14年商工労働常任委員会」(2002年3月22日)
p.14「雪の大谷、(中略)実績はどのくらいあるのでしょうか」
p.15「雪の大谷ウォークは(中略)平成6年から開始しております。」以降、毎年の参加者数などの実績、また、期間を延長できないかなどの協議の内容が記録されている。
- 事前調査事項
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「雪の大谷」とは、雪を削って壁のような状態にし、通行可能にした場所。「雪の大谷ウォーク」とは、人が歩いて通行できるようにしたイベント。立山黒部貫光株式会社が主催している。
- NDC
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- 観光事業 (689 10版)
- 北陸地方 (214 10版)
- 参考資料
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会社のあゆみ. 立山黒部貫光株式会社.
https://tkk.alpen-route.co.jp/company/history [参照 2019-07-24] -
浅井康次 著 , 浅井, 康次, 1958-. 乗ろうよ!ローカル線 : 貴重な資産を未来に伝えるために. 交通新聞社, 2010. (交通新聞社新書 ; 014)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010836184-00 , ISBN 9784330136103 (NCID:BB01920311) - eol [参照 2019-07-24]
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立山黒部貫光30年史編集委員会編 , 立山黒部貫光30年史編集委員会 , 立山黒部貫光株式会社. 立山黒部貫光30年史. 立山黒部貫光, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I007091586-00 -
北日本新聞社編集局 編 , 北日本新聞社. わが半生の記 : 越中人の系譜 1巻. 北日本新聞社, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I022943371-00 , ISBN 4861750121 -
北日本新聞社編集局社会部取材班 [編] , 北日本新聞社. 立山・黒部未来への道 : 「21世紀の贈り物」環境と観光の共存. 北日本新聞社, 2003.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004200823-00 , ISBN 4906678777 - 立山黒部アルペンルート 雪の大谷ウオーク10周年(スクランブル). 北日本新聞, 平成15年3月24日, 夕刊2面
- 雪の大谷ウオーク 銀世界に笑顔 25回目 提案の土肥さん感慨深げ. 北日本新聞, 平成30年4月17日, 朝刊28面
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富山県立図書館 郷土資料情報総合データベース
http://lib2.lib.pref.toyama.jp/Hometown/ [参照 2019-08-09] -
富山県議会 会議録の検索と閲覧
https://www.pref.toyama.dbsr.jp/index.php/ [参照 2019-08-09]
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会社のあゆみ. 立山黒部貫光株式会社.
- キーワード
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- 雪の大谷ウォーク
- 富山県
- 立山黒部アルペンルート
- 照会先
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- 富山県立図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000260011