レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/02/12
- 登録日時
- 2021/03/02 00:30
- 更新日時
- 2021/03/13 12:21
- 管理番号
- 秋田-2551
- 質問
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解決
仙北市の夏瀬ダムで、昭和26年7月から同27年12月にかけて、秋田刑務所の受刑者が建設作業に携わったことが分かる資料はあるか。
- 回答
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書籍で1冊、新聞記事で3件記載を確認。
書籍は以下の資料に記載あり。
①「新田沢湖町史」(新田沢湖町史編纂委員会/編、田沢湖町教育委員会、1997.3、214.7/シシ/郷)資料番号:128422359
→p544に記載あり。
『【全国的な電力不足】 夏瀬発電所は、(以下略)。工事は昼夜兼行で行われた。電気関係は直営、土木関係は株式会社間組で施行された。しかし戦後といっても労働力は不足し、受刑者の動員も行われ、昭和二十七年十二月十五日、一号機が運転をはじめ、同月二十八日二号機も完成、営業運転が開始された。
この発電所の貯水池夏瀬ダムは、田沢湖に導入された玉川水が生保内発電所で働き、いままた途中の大小河川の水を集めて、下流の治水を保ちながら、発電の役割を果たしている。』
郷土の新聞である、角館時報内に以下のように記載あり。
②角館時報 昭和26年7月23日 2面
記事見出し「夏瀬工事活潑 囚人勞務120名」
記事本文『既報去廿七日起工式を挙げた夏瀬発電建設工事は目下三百名の勞務者が動いているが八月始めからは八百名に増員、竣工期限の廿八年九月よりも三月前に完成してみせると建設では張り切っている。なお同工事には去十七日秋田刑務所からの囚人十五名が職員三名引卒て(※原文ママ)來り、十九日には五十五名に五名の監視(原文は旧字体、左側が示)員で來たが、來月始までには總勢百廿名が働くことになっている』
また、秋田魁新報内に以下のように記載あり。
③秋田魁新報 昭和26年10月3日 朝刊2面
記事見出し「来月中旬には完成へ 仮放水路工事にトッカン作業 夏瀬ダム」
記事本文『目下毎日百名の勞務者を動員、昼夜兼行で突貫工事を行っており、(以下略)』
④秋田魁新報 昭和27年3月10日 朝刊2面
記事見出し「現地に見る夏瀬発電所工事 急ピッチ35%を完了 三交代で岩盤にいどむ」
記事本文『昼夜兼行三交替制をとり七百名の間組の労務者と秋田刑務所から百四十名の大工が突貫工事を続けている。ダム工事は、(中略)決死の作業が続けられ、丁度刑務所の受役者がボーリングとトロッコを動かしているが、予想したより岩盤が深く(中略)、刑務所の看守が身体が続かぬためいま二交代制を所長に要求しているという』
『武田所長は語る われわれは一日も早く完成したいと願っている、夏瀬の苦労は渇水も豊水もなくダムの締切作業で、もしこれがなかったらもっと楽であった』
- 回答プロセス
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キーワード「夏瀬」で所蔵資料検索。→該当なし。
キーワード「田沢湖」で所蔵資料検索。→以下の6冊を調査。資料1冊に記載あり。
①「新田沢湖町史」(新田沢湖町史編纂委員会/編、田沢湖町教育委員会、1997.3、214.7/シシ/郷)資料番号:128422359
→p544に記載あり
『【全国的な電力不足】 夏瀬発電所は、(以下略)。工事は昼夜兼行で行われた。電気関係は直営、土木関係は株式会社間組で施行された。しかし戦後といっても労働力は不足し、受刑者の動員も行われ、昭和二十七年十二月十五日、一号機が運転をはじめ、同月二十八日二号機も完成、営業運転が開始された。
この発電所の貯水池夏瀬ダムは、田沢湖に導入された玉川水が生保内発電所で働き、いままた途中の大小河川の水を集めて、下流の治水を保ちながら、発電の役割を果たしている。』
×「田沢湖町史」(田沢湖町史編纂委員会/編、田沢湖町教育委員会、1966.10、214.7/タタ/郷)資料番号:111326567
×「田沢湖と周辺 景観・伝承」(佐々木由治郎/著、民俗説話研究会、1970、291/532/)資料番号:110543956
×「ふるさと博物誌 田沢湖・駒・八幡平」(千葉治平/著、三戸喜美子、1988.8、291.7/チフ)資料番号:111345963
×「田沢湖」(富木友治/編、瑞木の会、1959.7、291.7/トタ/郷)資料番号:129065033
×「日本の湖沼と渓谷 3 東北」(ぎょうせい、1987.1/291.0/ギニ/3)資料番号:111242152
郷土の新聞として角館時報の新聞記事を昭和26年1月から昭和27年12月まで調査。→以下の記事に記載あり。
②角館時報 昭和26年7月23日 2面
記事見出し「夏瀬工事活潑 囚人勞務120名」
記事本文『既報去廿七日起工式を挙げた夏瀬発電建設工事は目下三百名の勞務者が動いているが八月始めからは八百名に増員、竣工期限の廿八年九月よりも三月前に完成してみせると建設では張り切っている。なお同工事には去十七日秋田刑務所からの囚人十五名が職員三名引卒て(※原文ママ)來り、十九日には五十五名に五名の監視(原文は旧字体、左側が示)員で來たが、來月始までには總勢百廿名が働くことになっている』
秋田県立図書館デジタルアーカイブにて「夏瀬ダム」で、キーワード検索。→全14件の記事見出しの索引を確認。(秋田魁新報記事見出し検索)
また、同じくデジタルアーカイブにて「夏瀬」のみで、キーワード検索。→全49件の記事見出しの索引を確認。(秋田魁新報記事見出し検索・郷土関係雑誌記事索引)
その中で郷土関係雑誌記事索引より2件、秋田魁新報記事見出し検索より、
9件見出しを絞り込み確認。
→秋田魁新報の調査した時期は以下の通り、昭和26年4月、8月、9月、10月、11月、昭和27年3月、12月、昭和28年1月。
その中で、該当する記事は以下の2件。
③秋田魁新報 昭和26年10月3日 朝刊2面
記事見出し「来月中旬には完成へ 仮放水路工事にトッカン作業 夏瀬ダム」
記事本文『目下毎日百名の勞務者を動員、昼夜兼行で突貫工事を行っており、(以下略)』
④秋田魁新報 昭和27年3月10日 朝刊2面
記事見出し「現地に見る夏瀬発電所工事 急ピッチ35%を完了 三交代で岩盤にいどむ」
記事本文『昼夜兼行三交替制をとり七百名の間組の労務者と秋田刑務所から百四十名の大工が突貫工事を続けている。ダム工事は、(中略)決死の作業が続けられ、丁度刑務所の受役者がボーリングとトロッコを動かしているが、予想したより岩盤が深く(中略)、刑務所の看守が身体が続かぬためいま二交代制を所長に要求しているという』
『武田所長は語る われわれは一日も早く完成したいと願っている、夏瀬の苦労は渇水も豊水もなくダムの締切作業で、もしこれがなかったらもっと楽であった』
郷土関係雑誌記事索引より以下の2冊を調査。→記載なし。
×「秋田文化 第1号~第20号」(秋田文化編集会議/編、秋田文化編集室、1956.7~1958.2、A051/240/1-20)資料番号:128854973
×「秋田文化 第1号~第18号」(秋田文化編集会議/編、秋田文化編集室、1956.07、A051/118/)資料番号:128020542
また、他に以下の資料を調査。→記載なし。
×「秋田大百科事典」(秋田魁新報社/編集、秋田魁新報社、1981、031/アア/郷)資料番号:128639218
×「秋田県史 通史編 第7巻 年表・索引編」(秋田県/編、加賀谷書店、1977.11、210/アア/7)資料番号:111327383
×「秋田県史 通史編 第6巻 大正・昭和編」(秋田県/編、加賀谷書店、1977.11、210/アア/6郷)資料番号:124015587
また、秋田県公報の昭和26年7月から昭和27年12月分(計9冊)を目録で確認。→記載なし
国立国会図書館デジタルコレクションにて官報を検索し、確認。→該当なし。
- 事前調査事項
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「秋田刑務所五十年のあゆみ」(秋田刑務所親和会/編、秋田刑務所親和会、1962.10、A326/6/)資料番号:110798170
→以下に記載あり。
p47「夏瀬のダム工事や(以下略)」
p53「神代村夏瀬川のダム工事(ここにも最盛期二五〇名)に出役させる等(以下略)」
p78「昭和二十六年 七月 仙北郡神代村夏瀬(間組)ダム工事へ一五〇名から二〇〇名を出役せしめた」
「昭和二十七年 十二月 出役中であった夏瀬ダム工事が竣工したので十日全部引き揚げた。(総工費 拾六億円、最大出力二万キロワット)」
との記載あり。
上記に関して、利用者がすでに確認済み。
- NDC
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- 歴史 (2)
- 参考資料
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- 新田沢湖町史新田沢湖町史編纂委員会/編田沢湖町教育委員会 (p544)
- 田沢湖町史田沢湖町史編纂委員会/編田沢湖町教育委員会 (記載なし)
- 田沢湖と周辺佐々木由治郎/著民俗説話研究会 (記載なし)
- ふるさと博物誌千葉治平/著三戸喜美子 (記載なし)
- 田沢湖富木友治/編瑞木の会 (記載なし)
- 日本の湖沼と渓谷3ぎょうせい (記載なし)
- 秋田文化第1号〜第20号秋田文化編集会議/編秋田文化編集室 (記載なし)
- 秋田文化第1号〜第18号秋田文化編集会議/編秋田文化編集室 (記載なし)
- 秋田大百科事典秋田魁新報社/編集秋田魁新報社 (記載なし)
- 秋田県史〔通史編〕第7巻秋田県/編加賀谷書店 (記載なし)
- 秋田県史〔通史編〕第6巻秋田県/編加賀谷書店 (記載なし)
- 秋田県公報 第2924号(昭和26年7月12日)ー第2945号(昭和26年8月30日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第2946号(昭和26年9月1日)ー第2971号(昭和26年10月30日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第2973号(昭和26年11月5日)ー第2995号(昭和26年12月25日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第2997号(昭和27年1月5日)ー第3019号(昭和27年2月26日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第3022号(昭和27年3月4日)ー第3046号(昭和27年4月28日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第3047号(昭和27年5月1日)ー第3072号(昭和27年6月28日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第3074号(昭和27年7月3日)ー第3099号(昭和27年8月30日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第3100号(昭和27年9月2日)ー第3125号(昭和27年10月30日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- 秋田県公報 第3126号(昭和27年11月1日)ー第3150号(昭和27年2月27日)秋田県/編秋田県 (記載なし)
- キーワード
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- 田沢湖(タザワコ)
- 夏瀬(ナツセ)
- 夏瀬ダム(ナツセダム)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵・所在調査
- 内容種別
- 一般 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000294603