レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年01月22日
- 登録日時
- 2015/08/01 15:59
- 更新日時
- 2015/08/01 15:59
- 管理番号
- 9000010672
- 質問
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未解決
二条城二の丸御殿の廊下の「鴬張り」の構造について書かれている図書があるか。
- 回答
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二条城の「鴬張り」の構造について書かれている図書は見当たらなかった。『空間デザインの原点:建築人間工学』(岡田光正著 理工学社 2012年)によると、「鴬張り」は「かならずしも意図的につくられたものではなく、床板を取り付けるための金物が古くなって根太と擦れ合い、自然に音が出るようになったという説もある」。また、2012年4月7日付け「朝日新聞(大阪夕刊)」記事によると、二条城の「鴬張り」は意図的に作られたものか偶然なのかはわかっていない。2011年度から行われている本格修理の際の調査が、謎の解明につながるかもしれない。
- 回答プロセス
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1.自館システムで件名「二条城」を検索し、該当図書を確認。「鴬張り」についての記述はあるが、構造については書かれていなかった。
・『河合敦先生と行く歴史がよくわかる京都の本』(河合敦監修・著 JTBパブリッシング 2011年)[資料番号0105628275]p11
・『歴史と文化の町たんけん』第2巻 京都をたずねる(あすなろ書房 2003年)[資料番号0104857198]p19
・『行ってみよう!京都・奈良図鑑:修学旅行や社会科見学に役立つ!(もっと知りたい!図鑑)』(ポプラ社 2013年)[資料番号0106285539]p16
※次の本には、「鴬張り」についての記載はなかった。
・『不滅の建築』11巻 二条城二の丸御殿(毎日新聞社 1989年)[資料番号0101714038]
・『重要文化財二条城調査工事報告書』(建築研究協会編集 元離宮二条城事務所 2011年)[資料番号0104401757]
・『城郭と城下町』5巻 近畿』(小学館 1984年)[資料番号0101039824]
・『鳥瞰図でみる日本の城:君も「城」博士になれる!』(PHP研究所編・発行 2006年)[資料番号0105146963]
・『日本の遺跡と遺産』第5巻 城と城跡(岩崎書店 2009年)[資料番号0105407654]
・『修学旅行で行ってみたい日本の世界遺産』第2巻 古都京都の文化財(岩崎書店 2007年)[資料番号0105215859]
2.事典類を調査。次の建築関係辞典や国語辞典には「鴬張り」の項目があったが、構造については「床板が相互にきしんで鳴る」程度の説明で、詳しい記述はなかった。
・『日本国語大辞典』第2巻(小学館 2001年)[資料番号0103901302]p160
・『広辞苑(第6版)』(新村出編 岩波書店 2008年)[資料番号0105263925]p241
・『建築大辞典(第2版)』(彰国社 1993年)[資料番号0102682804]p123
・『木造建築用語辞典』(小林一元ほか編著 井上書院 2002年)[資料番号0104896659]
※次のものには、「鴬張り」の項目はなかった。
・『世界大百科事典』第3巻(平凡社 2007年)[資料番号0104246533]
・『寺社建築の歴史図典』(前久夫著 東京美術 2002年)[資料番号0104764337]
・『日本建築辞彙』(中村達太郎著 中央公論美術出版 2011年)[資料番号0106041163]
・『図説日本城郭大事典』第1巻(日本図書センター 2000年)[資料番号0103820668]
・『建築用語図解辞典』(橋場信雄著 理工学社 1982年)[資料番号0100622885]
3.GeNii学術コンテンツポータル( http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp )、国立国会図書館リサーチナビの目次データベース( http://rnavi.ndl.go.jp/mokuji/ )、近代デジタルライブラリーを検索。
・『空間デザインの原点:建築人間工学』(岡田光正著 理工学社 2012年)→p41-42に「鴬張り」廊下についての記述あり。「泥棒よけ、忍者よけのためともいわれ、知恩院のものが有名だが、実は他の寺院などにも多い。かならずしも意図的につくられたものではなく、床板を取り付けるための金物が古くなって根太と擦れ合い、自然に音が出るようになったという説もある。」
・『白木黒木』(伊東忠太著 北光書房 1943年)p252-254( http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1058799/136 )
4.国立国会図書館レファレンス協同データベースを検索。神奈川大学図書館の事例がヒット。( https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000046472 ※2014.1.21確認)
5.新聞データベースを検索。
・朝日新聞記事データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」→2012年4月7日付け「朝日新聞(大阪夕刊)」記事によると、二条城の鶯張りについては「意図的か、偶然か、実はよくわかってない」とある。また。二条城については、2011年度から20年かけて行う本格修理の際の調査が、謎の解明につながるかもしれない。
・読売新聞記事データベース「ヨミダス歴史館」2011年5月28日付け「読売新聞(大阪夕刊)」には、「養源院」の鶯張りについての記事があり、音の鳴る仕組みについて「床板は留め金具で梁(はり)と固定され、年月を経て木材は乾燥・収縮すると隙間ができ上を歩くと金具と床板や梁がこすれ音が出るとされる。金具にクギを打ったものの場合は金具とクギの摩擦で音が鳴るという」と書かれている。
- 事前調査事項
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・『元離宮二条城』(京都新聞出版センター編・発行 2003年)
・『修学旅行の本(新版) 京都』(修学旅行研究会編 国土社 2007年)
・『楽しい修学旅行ガイド 京都』(学研 2003年)
・『事前に調べる修学旅行パーフェクトガイド 京都・神戸・広島』(金の星社 2003年)
・『日本大百科全書』3巻(小学館 1985年)→「鴬張り」の項あり。
・インターネット情報は確認済み。
- NDC
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- 日本の建築 (521 9版)
- 参考資料
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- 『空間デザインの原点』(岡田 光正/著 理工学社)(p42)
- 「朝日新聞(大阪夕刊)」2012年4月7日(p19)
- キーワード
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- 二条城
- 二の丸御殿
- 廊下
- 鴬張り
- 鳴き廊下
- 城
- 建築
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000177952