レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月01日
- 登録日時
- 2012/02/01 12:00
- 更新日時
- 2012/08/30 13:25
- 管理番号
- 97-B-29
- 質問
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解決
東予市(現在は西条市)国安の和紙について、どのような原料を使用するのか。郷土の特産品となった理由は?
- 回答
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【資料1】に、和紙の原料について次のように記載されている。
古くはあさ、楮、雁皮などの繊維が使われた。江戸時代になって三椏が使用されるようになり現在では楮、三椏、雁皮が和紙原料の代表となっている。これらの他に紙の用途に応じて、わら、桑、竹、木材パルプなども和紙原料として使用される。また、近年はタイ楮、フィリピン雁皮、マニラ麻等の輸入原料の使用も増えてきている。・・・
また、【資料2】には、郷土の特産品となった理由が次のように記載されている。
全国の和紙の生産地の多くが、山渓僻遠の地にあるのと異なって、平たん部中央にあることと、愛媛県の他の和紙生産地が藩の専売制の庇護の下に営業したのとも異なって、幕末の創業ではあるが、それぞれその村の先覚者によって創業せられ、やがて紙漉村発展し昭和の一時期には、この伊予奉書が安価の点で越前奉書を凌いで全国需要の9割を供給したことに特色がある。穀倉地帯のど真ん中に紙漉村が成立した理由は、一言で極論すれば「不屈のハングリー精神」ではないだろうか。地理的条件もさることながら、貧農の多い村の中にあって現状打破の道を求め、日夜沈思熟考の末、和紙製造を創業した田中佐平、森田重吉両先覚者の情熱とその成功に導かれた村民の積極性が根本原因であると考えられるのである。第二の原因は、ハングリー精神によって培われた積極的な村民性をあげることができる。最後に地理的条件として、大明神川、中山川の豊かな伏流水の湧出、乾燥に適した瀬戸内式気候、手近に求められる原料、豊かな労力などもあげることができる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- パルプ.製紙工業 (585 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『和紙の手帖』 全国手すき和紙連合会/発行 1988年 <請求記号:ムラ/585.6 /ワシ >
- 【資料2】 『東予市誌』 東予市誌編さん委員会/編集 東予市 1987年 <請求記号:K291.6 /4>
- キーワード
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- 和紙(西条市) わし(さいじょうし)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 事例出典『郷土資料に関する調査・相談事例集』 愛媛県図書館協会・愛媛県立図書館/編集 愛媛県立図書館 1997年
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000100903