レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/11/20
- 登録日時
- 2006/06/12 02:10
- 更新日時
- 2007/12/24 13:08
- 管理番号
- 051120001
- 質問
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解決
ヤンキードライヤーのヤンキーの語源
- 回答
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ヤンキードライヤー(yankee dryer)とは主にティッシュペーパーをつくる抄紙機(製紙機械)の乾燥部の1本の大径のドライヤー(鋳鉄製の円筒)をさし、このようなドライヤーをもつ抄紙機をヤンキーマシンという。
ヤンキー(Yankee)とはオランダ移民が英国移民につけたあだ名で当初は主としてアメリカニューイングランド地域の住民を指した。1850~60年代 ティッシュペーパー(tissue) が主にその地域で作られており、そのマシーンに使われる大きな直径をもつドライヤーをヤンキードライヤーと呼ぶようになった。
- 回答プロセス
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ティッシュをつくる抄紙機は一般の抄紙機と違い、乾燥部のドライヤーが多筒ではなく1本の大径のものでヤンキードライヤーと呼ばれている。ヤンキーという言葉に興味をもった来館者から語源について質問されるので調査した。
①図書室所蔵図書を調査する。「百万塔115号「製紙産業 戦後の事跡をたどる」によれば ヤンキードライヤーの名称の由来の定説はないが、米国ティッシュ業界における概略をつぎのようにのべている。
・オランダ語のドライヤーを意味する言葉をアングロサクソン流に発音した。
・当初輸入していたドイツ製のドライヤーを母国語(米国語)で呼ぼうとする愛国心からヤンキードライヤーと呼んだ
・米国で初期の抄紙機(ティシュマシン)はほとんどベロイト社で制作されヤンキーマシンと呼んだ。
②当館友の会メーリングリストを通じてこの件について情報を求めたところある会員が米国TAPPI(紙パルプ技術協会)のヤンキードライヤー委員会の見解を入手した。回答はその見解をもとに若干の補足を加えたものである。
③ヤンキー(Yankee)という言葉自身の語源を一般的な英語辞書であたると概ね次のように説明されている。
・米国においてオランダ移民が英国移民につけたあだ名 「あいつら」という意味のJan Keesが語源だとの説あり。 ブリタニカ百科事典ではオランダ語のJanke(Little John) とある。
・米国ニューイングランド地方の住民
・米国北部又は北東諸州の人
・南北戦争当時の北軍の軍人
・広く米国人(イギリス英語)
・英語のニューイングランド方言
- 事前調査事項
- NDC
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- パルプ.製紙工業 (585 9版)
- 参考資料
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- 1「紙パルプ事典」 紙パルプ技術協会編 第5版 金原出版 1989
- 2 「ジーニアス英和大辞典」 小西友七・南出康世編 大修館書店 2001-2002
- 3 「製紙産業・戦後の事跡をたどる 16 ちり紙からティッシュへ」 福井勝衛著 (百万塔115号 紙の博物館 2003.6)
- 4 ”Encyclopaedia Britanica" 1963
- キーワード
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- ヤンキー
- ヤンキードライヤー
- ヤンキーマシン
- yankee
- yankee dryer
- Yankee machine
- 照会先
- 寄与者
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- 島田盛雄 Braian Tholke( Chairman-Taapi Yankee dryer safety commitee) 福井勝衛
- 備考
- 日本における「ヤンキー」については 「ヤンキーの語源が知りたい」(https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000039427 )を参照のこと
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000028824