レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/05/12
- 登録日時
- 2011/04/01 02:01
- 更新日時
- 2011/04/01 02:01
- 管理番号
- H20-9
- 質問
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解決
散金(ばらきん)の根掛けについて知りたい。
- 回答
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・ばら金という言葉については見当たらない。
散金では、○○紋散金蒔絵(○○紋を散らした金の蒔絵)ならある。
・日本の髪型 南ちゑ著 紫紅社 1984 <本学請求記号 383.5/Min>
→P.112に、日本髪の写真と"緋縮緬を銀ばらの輪を通しながら髷にかけ、さばきの橋をかけて、いち止めで止めます。"と記述あり。
・金を散らした糸(根掛け)ではないかと思われる。
- 回答プロセス
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※以下Web上での検索については2008/04/16がlast access。
・近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/)にてキーワード"ばら金 根掛け"で検索→ヒットなし
・近代デジタルライブラリーにてキーワード"散金 根掛け"で検索→ヒットなし
・近代デジタルライブラリーにてキーワード"金 根掛"で検索→1件ヒット
→東京小間物化粧品名鑑 P.177に"金属根掛"があるが、"ばら金"は無し。
・Japan Knowledge(http://na.jkn21.com/)にてキーワード"ばら金"で検索→ヒットなし
・Japan Knowledgeにてキーワード"散金"で検索→ヒットなし
・Japan Knowledgeにてキーワード"根掛け"で検索
→明治からは金銀の細工物を帯状にしたものなどもあった。と記述あり。(散金については記述なし)
・書架をブラウジング
・絵で見る江戸の女たち 原田伴彦,百瀬明治著 柏書房 2006 <本学請求記号 女70/Har>
→記述なし
・日本の髪形と髪飾りの歴史 橋本澄子著 源流社 1998 <本学請求記号 383.5/Has>
→根掛(鹿の子の)のイラストあり。
・日本髪の世界 : 髪型と髪飾り 石原哲男著 メディア設計 2000 <本学請求記号 女70/Ish>
→P.112に、"銀ばらの輪"の写真あり。
P.89に、"根掛け~"のみ(鹿の子の)記述あり。
・國史大辭典 国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1979-1997 <本学請求記号 R210/Kok>
→記述なし
・大百科事典 第11巻 平凡社編 平凡社 1984-1985 <本学請求記号 R031/Hei/11>
→P.601に"~、娘や花街の妓には色紙に箔散らしなどが好まれ~"と記述あり。
"ばら金"については記述なし。
・広辞苑 第6版 新村出編 岩波書店 2008 <本学請求記号 R813.1/Shi>
→「ねがけ 根掛」"女子の髻(もとどり)の後ろにかける飾り。布帛(ふはく)・金属・宝石など各種ある。"
→「ばら 散」"②散銭(ばらせん)の略"
→「ばらせん 散銭」"はした銭。こぜに。"
・角川古語大辭典 第4巻 中村幸彦[ほか]編 角川書店 <本学請求記号 R813.6/Nak/4>
→「ねがけ 根掛」"日本髪で、女性が髻の部分に掛ける装飾品。
布帛の縮緬や絞り、鳥子の色紙、宝石類を用いた。"
→「散銭」はあるが「散金」はない。
・近世風俗事典 江馬務,西岡虎之助,浜田義一郎監修 人物往来社 1967
<本学請求記号 R382/Ema>
→P.916「根掛」についての記述・絵はあるが、散金はナシ。
【参考】
・蒔絵に○○紋散金蒔絵(○○もんちらしきんまきえ)というものはあるらしい。
・Google(http://www.google.co.jp/)にてキーワード"蒔絵 散金"で検索 [last access 2008/04/22]
ex.1 徳川美術館の"梨子地葵紋散金貝蒔絵刀拵"
(http://www.tokugawa-art-museum.jp/special/2003/oshare/list.html)
「武士のおしゃれ」のページ「刀剣・刀装具」の欄にあり。
ex.2 盛岡市"黒漆地向鶴紋散金蒔絵御乗物 "
(http://www.city.morioka.iwate.jp/m-guide/ja/history.html)
「ウェブもりおか」の「盛岡市の歴史」のページに画像あり。
ex.3 松戸市"黒地葵紋散金蒔絵陣笠"
(http://www.city.matsudo.chiba.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::1562)
「松戸市」の「デジタル資料館」の「所蔵品一覧(昭和ゆかりの品)」のページに画像あり。
ex.4 花巻市博物館"黒漆地葵紋散金蒔絵膳椀類(くろうるしぢあおいもんちらしきんまきえぜんわんるい)"
(http://museum.city.hanamaki.iwate.jp/user/tenjiannai/H18/kikantennji/zenwan/aoimonzenwan.html)
「花巻市博物館」の「平成18年度の展示」の中の「期間展示コーナー」平成18年6月の
"黒漆地葵紋散金蒔絵膳椀類"をクリックすると画像あり。
・日本美術史事典 石田尚豊[ほか]監修 平凡社 1987 <本学請求記号 R702/Ish>
→P.868上 「蒔絵」の「技法」の中に、「たとえば、沃懸地に螺鈿(らでん)で文様を表したものを沃懸地(いかけじ)螺鈿、螺鈿の代りに金または銀板で文様を表し沃懸地に飾ったものを沃懸地平文という。露玉、珊瑚、真珠、タイマイ(玳瑁)、彫金、牙角、象牙、陶磁、七宝などを象嵌(ぞうがん)したり、貼り付けたものを埋物(うずめもの)といい、特異な材質を生かして蒔絵にリアルな表現をもたせることもおこなわれる。」
→P.867 1段 「蒔絵粉」も参照
→P.867 3段 「研出(とぎだし)蒔絵」も参照
(このような技法から、○○紋が散りばめられた金蒔絵の髪飾のついた根掛けとも考えられるが…。)
・日本の髪型 南ちゑ著 紫紅社 1981 <本学請求記号 383.5/Min>
→P.112 日本髪の写真あり。
"緋縮緬を銀ばらの輪を通しながら髷にかけ、さばきの橋をかけていち止めで止めます"とあり。
- 事前調査事項
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根掛けは頭につけるもの。
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 根掛け
- ばら金
- 散金
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 教職員
- 登録番号
- 1000083876