レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年3月16日
- 登録日時
- 2021/03/10 17:27
- 更新日時
- 2021/03/18 09:32
- 管理番号
- 県立長野-20-107
- 質問
-
解決
大正時代に陸軍が諏訪湖で氷上飛行の訓練をしたようだが、当時の新聞記事はあるか。
- 回答
-
所蔵の新聞記事により、大正6年2月と大正12年1月の2回飛行訓練があったことがわかった。
次の新聞の記事を紹介する。
<大正6年1月>
『長野新聞』(製本されたものからマイクロフィルム化しているので、喉部分が判読できないものあり)
・「厳寒の空を信州へ 所沢飛行隊の一大快挙 諏訪湖氷上へ百二十里」
1917(大正6)年2月8日 朝刊 2面
・「氷上飛行と其調査 甲武信の峻険を突破して」
1917(大正6)年2月9日 朝刊 5面
・「本日決行の氷上飛行 危険はなかるべし」
1917(大正6)年2月10日 朝刊 5面
・「諏訪氷上飛行雪の為中止さる 全く絶望となれり」
1917(大正6)年2月11日 朝刊 5面
・「飛行又風に妨げらる 徒に晴て機影なし」
1917(大正6)年2月12日 朝刊 3面
・「両機雁行西北に向かふ 見物十万 群衆天を望み待つ 又々飛行中止さる」
1917(大正6)年2月13日 朝刊 5面(写真あり)
・「突風飛行機を破損す」
1917(大正6)年2月14日 朝刊 2面
・「空しく雪空を仰ぐ 飛行機又来らず=小淵沢より引返す=飛行は断じて中止せず」
1917(大正6)年2月14日 朝刊 5面
・「諏訪湖上に響く勇ましき爆音」
1917(大正6)年2月16日 朝刊 5面
・「昨日諏訪湖に着せるモ式第十九号と滝川真壁両中尉 氷上飛行」
1917(大正6)年2月16日 第二版 2面(写真あり)
・「各種研究飛行を行ふ カモと飛行機と乱れ飛ぶ壮観 本日は午前八時出発の筈也」
1917(大正6)年2月17日 朝刊 5面
・「雪中に機影を没す」
1917(大正6)年2月18日 朝刊 5面 (写真あり)
『信濃毎日新聞』
・「陸軍所沢航空隊の間壁・滝川両中尉機が諏訪湖氷上着陸に成功」
1917(大正6)年2月16日 朝刊 5面
<大正12年>
『信濃毎日新聞』
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 15日から陸軍の所沢航空学校が実施へ 氷上に格納庫設置開始」
1923(大正12)年1月6日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 氷が緩んで格納庫倒れる 氷を積んで臨時格納庫を設置」
1923(大正12)年1月13日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 組立を終えた氷上の飛行機の写真掲載 氷は緩んで飛行見通し立たず」
1923(大正12)年1月14日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 氷が固まり、小型の甲式三型練習機3機を組み立て きょう飛行開始」
1923(大正12)年1月15日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習開始 小型の甲式三型が氷上離着陸に成功 湖上2周 操縦士の談話も」
1923(大正12)年1月16日 夕刊 2面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 16日も飛行、見物の人垣できる 露店も出て飛行機の玩具が大人気」
1923(大正12)年1月17日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 氷上飛行3日目 続けざまに宙返り 盛んな人出、博覧会以上」
1923(大正12)年1月18日 夕刊 2面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 氷上飛行4日目 飛行中の写真掲載 重い偵察用の乙式一型も飛行」
1923(大正12)年1月19日 夕刊 2面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 同乗希望者続出・人気沸騰・見学でお祭り騒ぎ、列車も増結」
1923(大正12)年1月20日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 上諏訪町が演習隊歓迎会 航空写真撮影は成功せず」
1923(大正12)年1月22日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 寒雨に人夫を頼んで飛行機引き上げ 残る小型機も引き上げるか心配」
1923(大正12)年1月23日 朝刊 3面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 湖岸の氷が溶けて飛行機島流し にわかの暖気に雨も加わり」
1923(大正12)年1月23日 夕刊 2面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 飛行再開、雪を飛ばしながら」
1923(大正12)年1月27日 夕刊 2面
・「諏訪湖の氷上で耐寒飛行演習 最後の飛行 火防宣伝ビラ散布や豊科出身飛行士の郷土訪問も」
1923(大正12)年1月29日 朝刊 3面
・「陸軍自動車隊が諏訪湖で氷上通過試験 湖面再び固まる 飛行機のあとは軍用車 黒山のような人出」
1923(大正12)年1月30日 夕刊 2面
※大正12年の『長野新聞』は所蔵なし。
諏訪地域は気温が低く諏訪湖の水深が浅いため、諏訪湖が全面結氷することから氷上訓練が可能になったと思われる。雪上での離着陸を想定した装備とは違っていたかもしれない旨、合わせて伝えた。
- 回答プロセス
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1 当館契約の「信濃毎日新聞データベース」で、大正期に絞って「飛行」「氷上」で検索をする。諏訪湖で飛行訓練があったことがわかる。飛行機の写真がある記事を見つけたが、飛行機の写真が掲載されているが、橇を履いているか判別できない。
2 訓練飛行をした飛行機の詳細がわかる写真を探すため、郷土分類N241(諏訪地域の歴史)の書架で、地域の歴史を写真でたどる資料群を調査をする。また、諏訪市、下諏訪町の史誌類を確認したが、飛行訓練の記述は確認できなかった。
3 『長野県史 通史編 第8巻 近代2』【N209/11-4/8】を見たが、記述はない。
4 大正12年1月に訓練が行われていることから、同時期の「長野新聞」(マイクロフィルム)を確認する。
5 1と4の新聞記事を回答とする。
- 事前調査事項
- NDC
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- 陸軍 (396 10版)
- 中部地方 (215 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 氷上飛行
- 諏訪湖
- 信州学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295005