レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年09月14日
- 登録日時
- 2012/01/22 13:28
- 更新日時
- 2012/06/05 11:57
- 管理番号
- 埼熊-2011-135
- 質問
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解決
武州(本庄)歴史地図にある長松寺の位置に小島氏館(おじましやかた)があったという説があるが、以下のことが知りたい。
1 小島氏館の位置は利根川の流路変遷により変わったのか。
2 小島という名の由来は、川の中の小島(こじま)からきているのか。
3 小島氏館付近の利根川の流路変遷の原因及び年代を知りたい。
- 回答
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1 小島氏館の位置が利根川の流路変遷により変わったという記述は見つからなかった。
2 本庄市小島の地名由来については、以下の記述あり。
『本庄市史 通史編 1』p127「小島の集落は、高台にあり、烏川の氾濫原から見ると、島のようであるので名付けられたと考えられる」とあり。
『武蔵国郡村誌 8』
p37「小島村」に、「昔時土人元小山川の辺に居住し自ら島の形をなせしゆへ村名に負うせりと口碑に伝へり」とあり。
『埼玉県地名誌』
p303「小島の名は川沿いの耕地であるためにおこったとみられる。」とあり。
『利根川の洪水 語り継ぐ流域の歴史』
p16「水田は昔の利根川の流路で、畑は中州であったのではないかと推定されています。このようなことから周辺には小島・都島・八斗島・飯島など、島と名のつく地名が多くみられるのも興味深いところです。」とあり。
3 本庄付近の利根川の流路変遷については、次の資料に詳しく記述あり。
『本庄市史 通史編 1』
p76-92 本庄低地の河川の変遷について記述あり。
(p82-83 烏川・利根川の流路跡図あり。)
『利根川流路の変遷 苛酷な水との闘い』
江戸以前から昭和までの流路あり。
『利根川の歴史 源流から河口まで』
p109-120「『烏利根』と呼ばれるほど乱流を繰り返した烏川と利根川」に本庄城跡近辺の氾濫や灌漑について記述あり。
- 回答プロセス
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1 以下の資料の内容を確認したが、質問に該当する記述は見つからなかった。
『日本城郭大系 5 埼玉・東京』(新人物往来社 1979)
p140「〔小島氏館の〕東側には初めから土塁がなかったといわれているが、利根川の沖積地を控え十mの崖になっているため、その必要がなかったのであろうか」とあり。
『埼玉の古城址』(中田正光著 有峰書店新社 1983)
p200-202 小島館についての記述あり。ただし、館の位置が変わったという記述はない。
以下、記述のなかった資料。
『埼玉県北部の城』(柳進著 柳進 1969)
『埼玉の館城跡』(埼玉県教育委員会 1968)
『埼玉の中世城館跡』(埼玉県教育委員会 1988)
『埼玉の城址30選』(西野博道編著 埼玉新聞社 2005)
『武蔵の古城址』(小幡晋著 武蔵野郷土史刊行会 1980)
『中世の城館跡 埼玉県秩父・児玉地方』(埼玉県立歴史資料館 1988)
『新編埼玉県史 通史編 2 中世』(埼玉県 1988)
『埼玉100城』(埼玉県立玉川工業高等学校郷土研究部 [1998])
2 調査した資料は以下のとおり。
『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1980)
p206-207〈おじま 小島 本庄市〉の項あり。
p206「『和名抄』に載る賀美郡小島郷の遺名地とみられ、地名は川沿いの耕地であることに由来するという(地名誌)。」
※前述『埼玉県地名誌』からの引用。
『埼玉苗字辞典 1,2』(茂木和平著 茂木和平 2004-2006)
〈コジマ〉〈オジマ〉の両方に賀美郡小島郷(和名抄)あり。
2巻p3188-328〈コジマ〉の項、「児島、小島も越馬、越間の佳字で、越族の居住地の意」とあり。
1巻p1985-1988〈オジマ〉の項、「和名抄に賀美郡小島郷を載せ、乎之万(おしま)と訓ず。今の児玉郡小島村(尾島とも記す、本庄市)は賀美郡石神村・七本木村に接すれば此地のことか」とあり。
『埼玉県地名由来事典』(小林茂多編 小林茂多 1999)
p37「小島(おじま)本庄市 『和名抄』賀美郡小島郷による」とあり。
『倭名類聚鈔〔1〕自1巻至20巻』(源順〔著〕 正宗敦夫編・校訂 風間書房 1977)
巻6-26表に「加美郡 小島」の地名が見られるが、地名が記載してあるのみ。
『埼玉県の地名 日本歴史地名大系 11』(平凡社 1993)
p752〈小島村〉『和名抄』の記述は見られるが、地名の由来や利根川の流路変遷と結びつくものなし。
以下は記述のなかった資料。
『日本地名大事典 上』(新人物往来社 2004)
『武蔵』(太田亮著 有峰書店 1970)
『新篇武蔵風土記稿 8』(林述斎編 歴史図書社 1969)
『児玉風土記』(木村宗平編著 児玉町文化協会 1970)
『武蔵国児玉郡誌』(木暮秀夫編著 名著出版 1973)
3 その他、利根川全体の流路変遷について詳しい資料は以下のとおり。
『利根川322キロの旅』(「利根川322キロの旅」刊行委員会 1997)
p12-20「利根川流域の自然景観の生い立ち」あり。
『利根川読本』(流山市立博物館友の会 1992)
p198-207「利根川歴史年表」あり。洪水や河川工事についてわかる。
『大利根百話』(関東建設弘済会 1987)
p279-287「利根川関係年表(明治以降)」あり。洪水や河川工事など。
『利根川百年史 治水と利水』(利根川百年史編纂委員会編 国土開発技術研究センター編 建設省関東地方建設局 1987)
p77-85「河道の変遷」あり。
『利根川 その治水と利水』(佐藤俊郎著 論創社 1982)
徳川以前から明治以降の治水について記述あり。
以下は流路変遷について記述のなかった資料。
『利根川』(本間清利著 埼玉新聞社 1978)
『利根川荒川事典 自然・歴史・民俗・文化』(利根川文化研究会編 国書刊行会 2004)
『利根川 自然・文化・社会』(九学会連合利根川流域調査委員会編 弘文堂 1971)
『利根川事典』(森田保著 新人物往来社 1994)
『変貌する利根川』(鈴木久仁直著 崙書房出版 1989)
『新編埼玉県史 通史編2 中世』(埼玉県 1988)
『埼玉史料辞典』(埼玉新聞社編 埼玉新聞社 1968)
『利根川・荒川流域の生活と文化』(利根川文化研究会編 国書刊行会 1995)
『利根川流域の自然と文化 民俗・考古・美術』(関東地区博物館協会編 茨城新聞 1983)
『利根川図志』(岩波書店 1938)
『武蔵野 歴史細見』(桜井正信著 八坂書房 1980)
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『本庄市史 通史編 1』(本庄市 1986)
- 『武蔵国郡村誌 8』(埼玉県編 埼玉県立図書館 1954)
- 『埼玉県地名誌』(韮塚一三郎著 北辰図書 1969)
- 『利根川の洪水 語り継ぐ流域の歴史』(利根川研究会編 山海堂 1995)
- 『利根川流路の変遷 苛酷な水との闘い』(下山二男〔編〕 下山二男 1973)
- 『利根川の歴史 源流から河口まで』(金井忠夫著 日本図書刊行会 1997)
- キーワード
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- 小島氏(オジマシ)
- 本庄市-遺跡・遺物
- 城-本庄市
- 埼玉県-本庄市
- 利根川
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000100470