レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年6月16日
- 登録日時
- 2012/07/12 10:47
- 更新日時
- 2018/08/31 19:19
- 管理番号
- 県立I2012-21
- 質問
-
解決
尿酸の分解酵素である「ウリカーゼ」「グアナーゼ」「ホスホリラーゼ」について詳しく知りたい。
『医学書院 医学大辞典 第2版』の解説よりも、詳しい内容のものは無いか。
- 回答
-
※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
酵素だけをまとめた事典等は当館には無く、紹介できる資料の内容はいずれも『医学書院 医学大辞典 第2版』と同じような内容であるが、ホスホリラーゼについては「グリコーゲンホスホリラーゼ」の名称で『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書28版』でそれなりに詳しく解説されている。
またウリカーゼについては『日本医師会雑誌 140巻2号』に関連する医薬品「ラスブリカーゼ」の記事がある他、JAIROで無料で閲覧できるものがいくつかある(例:「尿酸分解酵素PEG化ウリカーゼの適応と意義」髙木和貴・上田孝典/著 2010年)
「グアナーゼ」についてはNDLサーチ等で検索するといくつか論文が出てくるだけであった。
- 回答プロセス
-
酵素だけを集めた事典等は当館には無い(※NDLのリサーチナビで「酵素」をキーワードに調べると「酵素・脂質について調べる」という調べ方案内があり、『酵素ハンドブック 第3版』『分子から酵素を探す化合物の事典』といった資料が紹介されている。当館に所蔵は無い→この後購入予定)
1)当館所蔵の資料を調査
■『南山堂 医学大辞典』(1105848129)
P608「グアナーゼ」、P2221「プリン分解」、P2346「ホスホリラーゼ」についての項目あり。
■『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書28版』(1106236027)
P746~「症例9:痛風、急性期」の中にウリカーゼについて触れている箇所があるが、2~3行程度の内容。
ホスホリラーゼについてはP187、P188、P562、P661、P663などのページに記述あり。
「グアナーゼ」「グアニンデアミナーゼ」は記述無し。
■『オックスフォード食品・栄養学辞典』
「尿酸」の項目にウリカーゼについて記述あり。
→ここまでの調査から、「高尿酸血症」に関わり紹介されることが多い酵素であると分かったため、キーワード「高尿酸血症」からOPACを検索する。
■『日本医師会雑誌 140巻2号』(2011年5月、1106379082)
高尿酸血症の特集を組んでいるので、内容を確認。直接ウリカーゼ等を解説している記事は無いが、ウリカーゼの遺伝子を組み替えて作った薬品「ラスブリカーゼ」のことが書かれている他、高尿酸血症のメカニズム等が詳しく書かれているので、この資料を紹介。
2)国立国会図書館サーチで調べる
→「ウリカーゼ」でキーワード検索をかけると論文がいくつかヒット。JAIRO等で無料で閲覧できるものもある。
→「グアナーゼ」でキーワード検索をかけると論文がいくつかヒット、しかし「グアニンデアミナーゼ」ではヒットせず。
→「ホスホリラーゼ」でキーワード検索をかけると300件以上ヒット、「グリコーゲンホスホリラーゼ」で34件ヒット。
- 事前調査事項
-
■『医学書院 医学大辞典 第2版』(1105866477)
ウリカーゼは「尿酸オキシダーゼ」あるいは「尿酸分解酵素」、グアナーゼは「グアニンデアミナーゼ」、ホスホリラーゼは「グリコーゲンホスホリラーゼ」の略称であることが分かる。いずれも尿酸の分解に関わる酵素であるが、ウリカーゼは多くの動物が持つ酵素である一方、霊長類(ヒトも含めて)には無いことなどが書かれている。
- NDC
-
- 医学.薬学 (49 9版)
- 生化学 (464 9版)
- 参考資料
-
- 『医学書院 医学大辞典 第2版』(医学書院 2009年)(R/490.3 自館ID1105866477)
- 『南山堂医学大辞典 第19版』(南山堂 2006年)(R/490.3 自館ID1105848129)
- 『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書28版』(丸善 2011年)(464 自館ID1106236027)
- 『オックスフォード食品・栄養学辞典』(朝倉書店 2002年)(R/498.5 自館ID1104361074)
- 『日本医師会雑誌』140巻2号 (日本医師会 2011年5月)(雑誌 自館ID1106379082)
- 『酵素ハンドブック 第3版』(朝倉書店 2008年)(購入予定)
- 『分子から酵素を探す化合物の事典』(みみずく舎 2009年)(購入予定)
- キーワード
-
- 酵素
- ウリカーゼ
- グアナーゼ
- ホスホリラーゼ
- 高尿酸血症
- 生化学
- アラントイン
- プリン体
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
「尿酸分解酵素PEG化ウリカーゼの適応と意義」
http://repo.flib.ufukui.ac.jp/dspace/bitstream/10098/2955/1/%E9%AB%98%E5%B0%BF%E9%85%B8%E8%A1%80%E7%97%87%E3%81%A8%E7%97%9B%E9%A2%A8.pdf
(『高尿酸血症と痛風』18巻2号 pp.145-150 髙木和貴・上田孝典/著 2010年2月)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000108460