1「龍吐水」について調べる
『日本大百科全書』24 2版(小学館 1994)p.129「竜吐水」は「雲竜水」ともいう木製のポンプのこと。筒型のものについての記述はなし。「江戸の町火消に順次支給された」とあり、町火消が使用していた道具のようなので『国史大辞典』にあたる。
『国史大辞典』14(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1993)p.612「竜吐水」筒型についての記述はなし。
2「火消し」から調べる
『国史大辞典』11(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1990)p.872〜p.873「火消」道具についての詳しい説明はなし。
記載されている参考文献で区内所蔵資料にあたるが記述なし。
3 書架へ直接あたる
『写真図説日本消防史』(国書刊行会編 国書刊行会 1984)p.51「生龍水」という名の道具の絵あり。名前は違うが筒型のもの。
『消防団120年史』(日本消防協会編 近代消防社 2013)p.35〜36「龍吐水」あり。筒型についての記述はなし。p.37に絵図あり。
『図説江戸の暮らし事典』(企画集団エド編著 芙蓉書房出版 2018)p.46「龍吐水」の写真と説明あり。これによると筒型の龍吐水は小型版のもので、水鉄砲と呼ばれている。
『絵引民具の事典』(岩井宏實監修 河出書房新社 2008)p.487「竜吐水」説明文と使用についての記述あり。
『日本民具辞典』(日本民具学会編集 ぎょうせい 1997)p.596〜597 竜吐水の使用についてと小型の竜吐水についての説明あり。小型の木製手突きポンプで水鉄砲・水はじき・生竜水・独竜水などとも呼ばれていた。
『江戸の暮らし図鑑』(高橋幹夫著 芙蓉書房出版 1994)p.46「龍吐水」『図説江戸の暮らし事典』と内容・写真とも同じ。
※『図説江戸の暮らし事典』は『江戸の暮らし図鑑』の新装普及版である『道具で見る江戸時代』(高橋幹夫著 芙蓉書房出版 1998)の改題、再編集
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キーワード〈江戸〉〈火消〉
『江戸消防創立五十周年記念』(江戸消防記念会 2004)p.76〜79「江戸時代の消防道具」p.77に絵図あり。ここでは「厳吐水」「生竜水」という名がついている。p.79に「水鉄砲」の説明あり。「飛び火の火の粉を防いで延焼を食い止めるためのものである」と説明されている。
『江戸の火事と火消』(山本純美著 河出書房新社 2004)p.110「水鉄砲」使用について記述あり。
『江戸の火事』同成社江戸時代史叢書4(黒木喬著 同成社 1999)p.103〜 竜吐水についての記述があるが大型の竜吐水についての説明のみ。p105に「水鉄砲を整備」とあり、竜吐水とあわせて使用されていたと記述されている。p.107には「水鉄砲」の実演写真あり。
該当の記述のなかった資料
『江戸火消年代記』(藤口透吾著 創思社 1962)
『江戸町人の研究』5(西山松之助編 吉川弘文館 1978)収録「江戸火消制度の成立」
『東京の消防百年の歩み』(東京の消防百年記念行事推進委員会編集 東京消防庁 1980)
『町火消たちの近代』(鈴木淳著 吉川弘文館 1999)
『足立の消防』(足立消防署編集監修 足立消防署開署50周年記念事業実行委員会 1997)
『千住消防署五十年の歩み』(千住消防署編集 千住防火協会 1982)
『日本の民具』(磯貝勇著 岩崎美術社 1996)
『民具の博物誌』増補版(岩井宏美著 河出書房新社 1994)
『江戸萬物事典』(高橋幹夫著 柏書房 2004)
『絵で読む江戸のくらし風俗大事典』(棚橋正博編著 柏書房 2004)
『民具学事典』(日本民具学会編 丸善出版 2020)
『図録・民具入門事典』(宮本馨太郎編 柏書房 1991)