レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/03/20
- 登録日時
- 2016/03/31 00:30
- 更新日時
- 2016/11/05 16:37
- 管理番号
- 0000001352
- 質問
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解決
『加賀野菜それぞれの物語』p94の「金時草」の節に「先日、玉川図書館で古い資料を調べていたところ、1枚の墨絵を見つけた。ふんどし一貫の北前船の船乗りの向こうに水を張った大きな桶があり、そこに植物がたくさんさしこまれているのである。その絵を見た瞬間、私の脳裏をこんな考えがよぎったものだ。-これは金時草だな。」とあるが、この絵を確認したい。
なければ北前船と金時草の関連性がわかるようなビジュアルな資料を確認したい。
- 回答
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(1)北前船関連の資料、難船の資料、諸職風俗の図会、湊町の風景図等を確認するが、質問にあるような絵は見つからないので、現在までの刊行物には未収録と推定される。
(2)2011年8月14日放送 6:15 - 6:51 NHK総合「産地発!たべもの一直線」(TVでた蔵 http://datazoo.jp/tv/%E7%94%A3%E5%9C%B0%E7%99%BA%EF%BC%81%E3%81%9F%E3%81%B9%E3%82%82%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%9B%B4%E7%B7%9A/505520 確認日2015-03-20)
に「江戸時代の交易船・北前船が金沢に伝えたと当時の書物・農業開奩(れん)誌にも記されている。」とある。
(3)清水隆久編著『埋もれた名著「農業開奩志」』により、『農業開奩志』における金時草の記述を確認すると、p162に「水前寺菜」という項目で、栽培方法・名前の由来などが記載されているが、北前船が金沢に伝えたという記述はない。
(4)『水前寺菜の科学』によると、
①p10に、「想定図:スイゼンジナの渡来経路」(1837年Aboc作図の引用)という地図が掲載されており、そこに、台湾→琉球→肥後(熊本)→加賀(金沢)→江戸の経路が記載されている。
②しかし、同書本文の記述をみると、「金時草は江戸時代に栽培されていた記録がありますが、現在では金沢市地代町の木びき職人であった中田龍次郎氏が、大正時代に花園地区の畑に植えたのが始まりとされています。」(p59~60)とある。
以上、金時草を北前船が運んだことを証明する資料は、見つかりません。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 園芸.造園 (62 9版)
- 参考資料
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- 1 加賀野菜それぞれの物語 松下/良?著 橋本確文堂 2007.4 K626/1008
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2 埋もれた名著「農業開奩志」 清水/隆久∥編著 石川農書を読む会 2014.6 K610/1007 -
3 水前寺菜の科学 清水/康弘?編著 矢原/正治?[著] アボック社 2012.7 K626/1011
- キーワード
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- 金時草
- 水前寺菜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000190449