レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月03日
- 登録日時
- 2018/11/03 17:40
- 更新日時
- 2021/02/12 15:21
- 管理番号
- 2000
- 質問
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解決
猪名野神社から図書館「ことば蔵」のあたり(宮ノ前3丁目)は、昔、「豊桜崎」という地名だったのか。
- 回答
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その通り。
・『伊丹の伝説 付・有岡古続語』(140007521 郷土/388.1/I)
p.32「古名」より「在岡の里伊丹ハいにしへ豊桜崎といひけん~」
・『日本歴史地名大系 29-1 兵庫県の地名1』(153972706 R/291/N)
p.398「伊丹郷町」より「初め伊丹町や伊丹村とよび、別名有岡庄、在岡・豊桜崎ともよんだ」
- 回答プロセス
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依頼者は、当館所蔵の『猪名野神社 御大典記念御屋根替事業完成記念』(110956422 郷土/175.5/I)p.4に「伊丹天王町にあり、古、豊桜崎宮と称す」という文があることで、昔の猪名野神社が「豊桜崎宮」と呼ばれていたのなら、その界隈は「豊桜崎」という地名だったのではと推測したそうで、それを確認したいとのこと。
・『猪名野神社 御大典記念御屋根替事業完成記念』の該当ページを確認すると、猪名野神社は「野宮」「天皇宮」「牛頭天皇宮」などとも呼ばれたらしい。件の文は『摂津名所図会』の巻の六に掲載されていると書かれており、当館所蔵の現物(『摂津名所図会』下巻p.139「野宮牛頭天王」の項)で該当文を確認。
・「天王町」もしくは「豊桜崎」が、いつ頃、どのあたりにできたのか確認するが、『伊丹市史』には「豊桜崎」についての記述が見当たらず。「天王町」については、元禄年間に現在の伊丹郷町にできたことがわかった。
・『伊丹古絵図集成』で、天保15年には野々宮(現猪名野神社)界隈(現宮ノ前3丁目含)が「天王町」だったことが確認できる。
・『日本歴史地名大系 29-1 兵庫県の地名1』「伊丹郷町」の項に、「初め伊丹町や伊丹村とよび、別名有岡庄、在岡・豊桜崎ともよんだ」とあり、引用文献に有岡古続語が記載されていたので、そちらも確認する。
・『伊丹の伝説 付・有岡古続語』にて「古名」の項より「在岡の里伊丹ハいにしへ豊桜崎といひけん」と書かれており、「豊桜崎」が郷町にあったと確信できた。
・『日本歴史地名大系 29-1 兵庫県の地名1』「天王町」の項に、現在地名「伊丹市宮ノ前一丁目・三丁目」と記載されている。
以上の事から、猪名野神社から図書館「ことば蔵」のあたり(宮ノ前3丁目)は、元禄の頃から「天王町」であり、元禄以前は「豊桜崎」であったといえる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 伝説.民話[昔話] (388 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 豊桜崎
- 天王町
- 伊丹郷町
- 猪名野神社
- 宮ノ前
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 伊丹の郷土・行政
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000245189