レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月30日
- 登録日時
- 2019/08/06 13:01
- 更新日時
- 2020/01/26 16:55
- 管理番号
- 吹-60-2019-002
- 質問
-
解決
漢字の烏(からす)と鴉(からす)の使い分けについて
- 回答
-
明確な使い分けについての記述は見つけられなかったが、参考に下記の資料を提供した。
(1)『大漢和辞典 巻7』(諸橋轍次/著 大修館書店 1989.10)のp395~p396にかけて、
「烏」について、
「イ鳥の名 ロからす類の総称。(解字)象形。烏の形に象る。烏は其の色黒く、遠くから見る時は眼を見分けることが出来ないから、鳥の字の一画を省いて其の意を表はす。」とあり。
(2)『大漢和辞典 巻12』(諸橋轍次/著 大修館書店 1990.3)のp808に
「鴉」について、
「一はしぶとがらす。烏の一種。形は烏より小さく、觜が太く、腹が白い。烏は反哺するが鴉は反哺しない」とあった。ちなみに「反哺」は親に恩を返すこと。
(3)『鳥の名前』(大橋弘一/文・写真 東京書籍 2013.10)の、p196~p198に
「からす:烏/鴉」の項目に「からす」の語源についての記述はあったが、質問の回答に対応する記述は見出せなかった。
(4)『野鳥の名前 名前の由来と語源』(安部直哉/文 叶内拓哉/写真 山と渓谷社 2019.3)p206~p207に
「ハシボソガラス」の項で、「現在、からすを表す漢字は「烏」と「鴉」。(中略)大漢和辞典では「鴉」ははしぶとがらすであるとあるがそうではない。(中略)「カラス」の語源は、「カアカア」と鳴くその鳴き声による。(中略)和名のハシボソガラス、ハシブトガラスは、「嘴が細いか、太いか」の特徴による名前。鳥の観察を始めた人が最初に教わり、覚えることのひとつは、この2種の鳴き声の相違である。ハシボソガラスは「ガーガー」とやや濁り声、ハシブトガラスは「アーアー」とやや澄んだ声である。漢字を当ててみると前者は「鴉」の、後者は「烏」の音読みに相当している。しかし、この2字には、その意味はない。」[原文ママ]とあったが、使い分けの明確な説明はなかった。
- 回答プロセス
-
まず漢字の意味を調べるために漢和辞典を見た。回答資料(1)(2)を見つけた。次に鳥の名前についての資料を探し回答資料(3)(4)を見つけた。
鳥類に関する図鑑や事典にも詳細な使い分けの記載がなく、インターネットで「烏」、「鴉」とそれぞれ検索すると、「鴉」は概ね「はしぶとからす」を表すという情報が多かった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 鳥類 (488 10版)
- 辞典 (813 10版)
- 参考資料
-
-
『大漢和辞典 巻7 修訂第2版』(諸橋轍次/著 大修館書店 1989.10)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002047701-00 , ISBN 4469031453 -
『大漢和辞典 巻12 修訂第2版』(諸橋轍次/著 大修館書店 1990.3)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002047706-00 , ISBN 446903150X -
『鳥の名前』(大橋弘一/著 東京書籍 2003.10)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010572229-00 , ISBN 4487798825 -
『野鳥の名前 : 名前の由来と語源』(安部直哉/著 山と溪谷社 2019.3)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029490499-00 , ISBN 9784635048637
-
『大漢和辞典 巻7 修訂第2版』(諸橋轍次/著 大修館書店 1989.10)
- キーワード
-
- 鳥類
- 鴉(からす)
- 烏(からす)
- 語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000259823