レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20111112
- 登録日時
- 2011/12/22 02:01
- 更新日時
- 2011/12/22 15:29
- 管理番号
- B2011口頭1112
- 質問
-
解決
硫化水素(Hydrogen Sulfide)(化学式H2S)のギブズエネルギー(Gibbs energy)を知りたい。
- 回答
-
ご照会の事項について以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
硫化水素のギブズエネルギーと名称が類似しているデータ(ギブスエネルギー、ギブスの自由エネルギーなど)を記載している資料(1)-(11)、データベース(12)-(13)、ウェブ情報(14)がありましたので、ご案内します。
(1)『化学便覧. 基礎編 2』(改訂5版 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
「表10.127 単体と無機化合物の標準生成エンタルピー、標準エントロピー、標準生成ギブズエネルギー(298.15K)」(pp.II-291~II-300)では、298.15 K、101325 Pa(1 atm)における単体と無機化合物の標準生成エンタルピー(ΔfH°)、標準エントロピー(S°)、標準生成ギブズエネルギー(ΔfG°)を掲載しています。
H2Sはp.II-295に記載しており、標準生成ギブズエネルギーは-33.56 kJ/molとあります。
(2)『電気化学便覧』(第5版 丸善 2000.6 【PA2-G65】)
「表2.18 主要な単体、無機化合物、有機化合物の熱力学的性質」(pp.28-44)で、標準生成エンタルピー、標準生成ギブズエネルギー、標準エントロピーなどを掲載しています。
H2Sはp.33に記載しており、標準生成ギブズエネルギーは-33.56 kJ/molとあります。
(3)『化学熱力学選定データ集. 上巻』(堀越研究所 1976.7 【MC2-45】)
無機化合物と炭素原子2個以下の有機化合物について、298.15Kにおける生成エンタルピー、生成ギブスエネルギー、エンタルピー、エントロピー、熱容量と、0Kにおける生成エンタルピーを表にまとめた資料です。
H2Sはp.47に記載しており、生成ギブスエネルギー(ΔGf°)は、-8.02 kcal/mol(気体)、-6.66 kcal/mol(水溶液)とあります。
(4)『化学の単位・命名・物性早わかり』 (改訂版 オーム社 1992.8 【PA23-E74】)
pp.122-124に、無機化合物と有機化合物の1atm(101325Pa)、25℃(298.15K)における標準生成熱(標準生成エンタルピー)と標準生成自由エネルギー(ギブスの自由エネルギー)を掲載しています。
H2Sはp.123に記載しており、気体状態における標準生成自由エネルギー(ギブスの自由エネルギー)は、-7.90kcal/mol、-33.28kJ/molとあります。
(5)『常用化学定数表』(第3版 広川書店 1989.5 【PA2-E29】)
pp.37-41に、「4.2 標準生成エンタルピーΔHf°および標準生成GibbsエネルギーΔGf°(無機化合物)」を掲載しています。
H2Sはp.39に記載しており、気体状態における標準生成Gibbsエネルギー(ΔGf°)は-33.28 kJ/molとあります。
(6)『CRC Handbook of Chemistry and Physics』(91st ed. CRC Press 【Z63-C694】)
「Standard Thermodynamic Properties of Chemical Substances(化学物質の熱力学的性質)」(pp.5-4~5-42)では、固体、液体、気体それぞれの298.15K(25℃)、100kPa(1 bar)における標準生成ギブズエネルギー(ΔfG°)などを掲載しています。
「Hydrogen Sulfide」はp.5-13に記載しており、気体の標準生成ギブズエネルギーは-33.4kJ/molとあります
p.5-4に、ΔfG°の説明として、"ΔfG° Standard molar Gibbs energy of formation at 298.15 K in kJ/mol"とあります。
(7)『Thermochemical data of pure substances』(VCH c1989- 【PA2-A77】)
「Hydrogen Sulfide (Gas) H2S」はpt. 1 p.655に掲載しており、298.15,300.00-2500.00K(100Kごと)における生成ギブズエネルギー(ΔGf)の値を記載しています。
「9 Symbols and abbreviations used in the tables」(pt. 1 p.I-49)で、ΔGfについて解説しており、"ΔGf ΔGf, Gibbs energy of formation from the elements in their reference phases"とあります。
(8)『Chemical properties handbook : physical, thermodynamic, environmental, transport, safety, and health related properties for organic and inorganic chemicals』(McGraw-Hill c1999 【PA2-A137】)
pp.335-339に、「Table13-2 Gibbs and Helmholtz Energy of Formation-Inorganic compounds (無機化合物の生成ギブズエネルギーと生成ヘルムホルツエネルギー)」を掲載しています。
「H2S Hydrogen Sulfide」はp.336に記載しており、298Kにおける生成ギブズエネルギーは-33.40 kjoule/molとあります。
(9)『Lange's handbook of chemistry』(16th ed. McGraw-Hill c2005 【PA2-B22】)
pp.1.237~1.279に、「TABLE 1.56 Enthalpies and Gibbs Energies of Formation, Entropies, and Heat Capacities of the Elements and Inorganic Compounds(元素と無機化合物の生成エンタルピー、生成ギブズエネルギー、エントロピー、熱容量)」を掲載しています。
「H2O2 hydrogen peroxide」はp.1.251に記載しており、生成ギブズエネルギー(ΔfG°)は気体で-33.4 kJ/molとあります。
(10)『JANAF thermochemical tables』(3rd ed. American Chemical Society c1986 【PA2-A98】)
「Hydrogen Sulfide(H2S)」は第2巻 p.1290に掲載しており、0.1MPaにおける生成ギブズエネルギー(ΔfG °)は、0-6000K(100Kごと)と298.15Kの値を記載しています。
(11)『Landolt-Bornstein New Series』(Springer 1961- 【M5-B1】)
IV/19A4 p.49に、H2S(Hydrogen Sulfide gas)を掲載しています。標準生成ギブズエネルギー(ΔfG°)は、-33436.3 J/molとあります。
p.XVIIに、ΔfG°の説明として、"Standard Gibbs energy of formation in J mol^-1"とあります。
(12)理科年表プレミアム(当館契約データベース:館内限定)
「2011:物理/化学部:標準生成エンタルピー、標準生成ギブズエネルギーおよび標準エントロピー」では、様々な物質の標準生成エンタルピー、標準生成ギブズエネルギー、標準エントロピーを掲載しています。
硫化水素の気体における標準生成ギブズエネルギーは、-33.28 kJ/molとあります。
(13)Reaxys(当館契約データベース:館内限定)
「Substances and Properties」から構造式、名称、CAS番号などを入力して検索すると、物性値や利用例などを調べられます。
「Hydrogen Sulfide」の検索結果から、「Physical Data」、「Other Thermochemical Data」の順にクリックすると、Gibbs free energyの項目があり、関連文献の書誌事項が表示されます。
(14)NIST-JANAF Thermochemical Tables(http://kinetics.nist.gov/janaf/)
検索ボックスに「H2S」と入力した検索結果からviewをクリックすると、0.1MPaにおける生成ギブズエネルギー(ΔfG°)について、0-6000K(100Kごと)と298.15Kの値が閲覧できます。
http://kinetics.nist.gov/janaf/html/H-080.html
調査済資料・データベース
・『化学大辞典』(縮刷版 共立出版 1963-1964(第34刷:1993.6) 【PA2-G24】)
・『無機化合物・錯体辞典』(講談社 1997.6 【PA2-G23】)
・『新編熱物性ハンドブック 』(養賢堂 2008.3 【MC141-J4】)
・『物理データ事典』(朝倉書店 2006.7 【MC2-H14】)
・『熱物性ハンドブック』(訂正第2版 養賢堂 2000.4 【MC141-G85】)
・『Dictionary of inorganic compounds』(1st ed. Chapman & Hall 1992- 【PA2-A100】)
・『CODATA key values for thermodynamics』(Hemisphere Pub. Corp c1989 【PA54-A3】)
・『Encyclopedia of inorganic chemistry』(Wiley 2nd ed. c2005 【PA2-B23】)
・『Thermodynamic data for pure compounds』(Elsevier 1986 【PA2-208】)
・『Encyclopedie des gaz = Gas encyclopaedia』(Elsevier c1976 【M2-91】)
・『Thermodynamic properties of inorganic materials : a literature database covering the period 1970-1987』(Elsevier Distributors for the U.S. and Canada, Elsevier Science Pub. Co. 1989 【PA1-A12】)
・『Selected values of chemical thermodynamic properties』(U.S. Govt. Print. Off 1952 【541.9-R835s】
データベース・インターネットの最終アクセス日は、2011年11月21日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 無機化学 (435)
- 参考資料
- キーワード
-
- ギブズエネルギー
- ギブスエネルギー
- Gibbs energy
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000098811