レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年02月11日
- 登録日時
- 2017/05/24 18:00
- 更新日時
- 2017/07/14 10:05
- 管理番号
- 埼熊-2017-012
- 質問
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解決
江戸時代の女性の秩父巡拝について書かれている資料があるか知りたい。
- 回答
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下記資料を紹介した。
1 図書
『江戸時代における秩父地方の紀行文』(長谷川宏編 長谷川宏 1978)
p1 「万延元(1860)『秩父すむらいの記』(岩下礒子)」について記述あり。
《国会図書館デジタルコレクション》「江戸期おんな考 (9)」(桂文庫 1998)
p153-164 「秩父すむらいの記」あり。
p161にすむらいとは巡礼のことと考えられるとあり。翻刻文だけでなく解説もあり。
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1835480 国会図書館)78コマ-84コマ
『巡礼と御詠歌 観音信仰へのひとつの道標』(清水谷孝尚著 朱鷺書房 1992)
p134 「明和七年(一七七〇)九月の年号をもつ「武州金沢大川五郎左衛門母、相川宮前村広田七兵衛妻」という秩父札所への納札が、坂東第一番杉本寺に納められているが、これなどは女性だけの巡礼を示したものである。」とあり。他、沓掛なか子の事例が挙げられている。
『相模野に生きた女たち 古文書にみる江戸時代の農村 有隣新書 59』(長田かな子著 有隣堂 2001)
p147-151 「淵野辺村の女五人、秩父巡礼・善光寺・日光へ三一日の旅」についてあり。
『日本巡礼ガイドブック』(大路直哉著 淡交社 2001)
p71 「かつて秩父を巡礼する者は、30番札所を後にすると、男性は三峯神社、女性は「東国女人高野」と呼ばれる太陽寺を訪れ参拝するのが恒例だった。」
2 雑誌
《JAIRO》山本光正著「近世・近代の女性の旅について-納経帳と絵馬を中心に-」(『国立歴史民俗博物館研究報告 108』p165-181 国立歴史民俗博物館 2003)
p166 「はじめに」に女性の旅日記全般について言及あり。
p169 「(前略)二二日からは秩父札所巡りがはじまる。」として女性「とら」の秩父巡礼についての行程あり。
(http://jairo.nii.ac.jp/0521/00000878 国立情報学研究所)
池山廣正著「出羽三山の信仰-千葉県平山に於ける」(『社会と伝承 第2巻3号』p6 1958)
p95 「平山では婦人で四十才以上になると、必ず秩父地方に散在する三十四ヵ所の観音霊場を御参りして廻る風習がある。之を済すと、観音講の講員となり、毎月十八日に東光院に集って御詠歌を唱える、之も又、一人前の主婦たるには、如何してもしなくてはならない仕来りとされている。」
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈秩父 & 江戸時代〉で検索する。
『江戸時代における秩父地方の紀行文』(回答資料)
上記資料に《国会図書館デジタルコレクション》「江戸期おんな考 (9)」(回答資料)の情報あり。
自館目録を〈秩父 & 巡礼〉で検索する。
『秩父巡礼道 歴史の道調査報告書 第15集』(埼玉県立歴史資料館編 埼玉県教育委員会 1992)
p38-41「(七)道中記」あり。
いくつか道中記が紹介されており、沓掛なか子の道中記も紹介されているが、それ以外に女性の道中記として紹介されているものなし。
2 NDC分類〈186.9〉(巡礼)の棚にあたる。
『遍路と巡礼の社会学』(回答資料)
『巡礼・遍路がわかる事典 読む・知る・愉しむ』(中山和久 日本実業出版社 2004)
p103 「女性と巡礼」に一般的な女性の巡礼についての記載あり。
『聖地を巡る人と道』(田中智彦著 岩田書院 2004)
p345 昭和30年と40年の秩父三十四ヵ所観音巡礼者の出身地を例に、巡礼者出身範囲の拡大についての記載あり。
3《Google ブックス》(http://books.google.co.jp/ Google)で関連のありそうな資料を確認する。
『巡礼と御詠歌 観音信仰へのひとつの道標』(回答資料)
『相模野に生きた女たち 古文書にみる江戸時代の農村 有隣新書 59』(回答資料)
4《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈近世 & 旅 & 女性〉で検索する。
山本光正著「近世・近代の女性の旅について-納経帳と絵馬を中心に-」(回答資料)
5 参考文献を確認する。
池山廣正「出羽三山の信仰ー千葉県平山に於ける」(回答資料)
『日本巡礼ガイドブック』(回答資料)
『観音札所巡りのすべて』(平幡良雄著 廣済堂 1981)
p129「秩父の札所が最も盛んであったのは江戸時代であるが、そのころの巡礼は、名主の報告書によると、寛延三年(一七五〇)正月から三月二十一日までに、栃谷村で四万六百六十七人、白久村で五万二千八百八十一人となっている。」
6 郷土資料の目録を確認する。
『埼玉県郷土資料総合目録』(埼玉県郷土資料総合目録編纂委員会編 埼玉県立浦和図書館 1971)
p22-26「186 仏会・仏像・巡礼」、p143-145「290.9 案内記・紀行」、p162「秩父地方の地誌」
該当する資料なし。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年5月24日。
- 事前調査事項
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長野の人物で沓掛なか子という人が秩父巡礼を行ったそうだ。
『秩父札所と巡礼の歴史』(佐藤久光著 岩田書院 2009)、『遍路と巡礼の社会学』(佐藤久光著 人文書院 2004)、法制史学第69号小宅里美研究ノート「秩父巡拝図絵からみる秩父34ヶ所」
- NDC
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- 仏会 (186 9版)
- 地理.地誌.紀行 (290 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『江戸時代における秩父地方の紀行文』(長谷川宏編 長谷川宏 1978)
- 「江戸期おんな考 (9)」(桂文庫 1998)
- 『巡礼と御詠歌 観音信仰へのひとつの道標』(清水谷孝尚著 朱鷺書房 1992) , ISBN 4-88602-153-0
- 『相模野に生きた女たち 古文書にみる江戸時代の農村 有隣新書 59』(長田かな子著 有隣堂 2001) , ISBN 4-89660-166-1
- 『日本巡礼ガイドブック』(大路直哉著 淡交社 2001) , ISBN 4-473-01804-0
- 山本光正「近世・近代の女性の旅について-納経帳と絵馬を中心に-」(『国立歴史民俗博物館研究報告 108』p165-181 国立歴史民俗博物館 2003)
- 池山廣正「出羽三山の信仰ー千葉県平山に於ける」(『社会と伝承 第2巻3号』p6 1958)
- キーワード
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- 秩父巡礼
- 女性-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000216525